自分の意見を言うのが怖い

相談者名
ラム
私は、自分の意見を言ったりするのに強い罪悪感を感じます。
子どものころはよく、自分の意見を言うたびに「生意気言うな」と母親に言われました。そのうち、自分から意見しなくなり、いつしか家族内では自分にだけ発言権がなくなっていました。
また、自分は、間違った情報を人に教えてしまうときがあり、家族からあまり信頼されていませんでした。なんだか、知ったかぶりをしてしまうというか、自分の頭の中で勝手に作り上げた情報を、人に言ってしまうのです。たまに、どこまでが現実で、どこまでが自分で作ったのか、分からなくなるときもあります。自覚があるだけに、人に意見するのが怖くなりました。
わからないというのは抵抗があるので、自分で話を作ってしまうのかも知れません。
自分の意見は、基本的に間違っていると思います。他人の意見は、基本的に正しいと思います。自分は頭を使って喋っていないし、他人はちゃんと頭を使って喋っています。自分の場合、口と頭がつながっていないような気がします。
自分は根本的に、サブ的な存在だと感じます。自分の属しているグループの主要なメンバーではないというか、どっちかというと補欠的な存在だと感じます。なので、そんな人間の意見はさほど他人にとっては重要ではないので、おとなしくしているのが一番なんじゃないかと感じます。役に立たない意見は、言わないのが得策だと思います。
私は、世間知らずだし、私の知っていることは誰でも知っているし、私の持っている情報なんて、みんな持っています。いまさら私が意見する必要はないと思います。言えば、相手はバカにされたと思うでしょう。だから、自分は黙ってればいいし、余計なことは言わなくていいんだと思います。
なんだか、とても他人に従属的な存在の自分が半人前に思えて、体は大人だけど大人になりきれない、そんな自分の存在が不快です。恥ずかしくて異性と付き合うこともできません。
どうやって解決していったらいいですか。
役に立つ人間になりたいし、堂々とした大人になりたいです。
大人として異性とも付き合いたいです。
でも、そうしようとすると、とても強い罪悪感が出てきてしまうのです。
どうしたらいですか。
カウンセラー
中山けんたろう
ラムさん、はじめまして。
ご相談を担当させていただきます、中山けんたろうです。
よろしくお願いいたします。

>自分の意見を言うのが怖い、
言おうとすると強い罪悪感を感じてしまう。
>役に立つ人間になりたいし、堂々とした大人になりたい、
大人として異性とも付き合いたい、
でも、そうしようとすると、
とても強い罪悪感が出てきてしまう。

よく今まで我慢してこられましたね。
並大抵の我慢ではなかったと思います。
もう、我慢する必要はありません。
少しずつでもその我慢を緩めていきましょう。

そして、ここまで我慢されてきたにもかかわらず、今回のご相談で、「大人になりたい!」という気持ちを表現していただきました。
すごいことだと思います。
ご自分の気持ち、将来像、希望をよくきちんと表現していただいたと思います。

ご自分の力で、罪悪感を乗り越えて、自己表現されたわけです。
すでに、大人へのプロセスの第一歩を踏み出されたと言ってもよいでしょう。
その点については、十分すぎるほどの自信を持っていただければと思います。

サブ的な存在、従属的な存在から抜け出すために必要なこと、それは、自己表現です。
好きなものは好き、嫌いなものは嫌い、いいものはいい、悪いことは悪い、欲しいものは欲しいなど、自分の思ったことを周りに伝えることで、自立した大人な存在として自分を変化させていくことができますね。

自分の意見を言うたびにお母さんから「生意気言うな」と言われ、自分から意見を言わなくなったご経験をお持ちとのこと。
大変お辛かったと思います。
子供ですから、自分のことをたくさん聞いて欲しかったと思います。
でも、なかなか聞いてもらえる環境ではなかったのですよね。

子供ですから、間違ったことを言ったりすることもあったと思います。
間違った情報を言うことで家族から信頼されなくなり、それを挽回するために、知ったかぶりとも受け取れるようなことをついつい口に出してしまわれたのだと思います。
また、周りからの信頼を失わないために、「わからない」という一言がだんだんと言えなくなってしまわれたのでしょう。

まずは、自分の言いたいこと、それが、正しかろうが、間違っていようが、口と頭がつながっていようが、つながっていなかろうが、ラムさんが言いたいことを、「すべて丸ごと受け止めてもらう」という体験が必要になってきます。
とにかく、一旦はすべてを受け止めてもらう。
その体験が、「自分がここにいてもよいんだ」という自己肯定感を再生させ、自分の意見を言ってもよいんだという自信に繋がっていくのです。
同時に、自己肯定感、つまり、自分にOKが出せるようになることで、罪悪感を使って自分を責めることもなくなっていくのです。

その上で、少しずつ、ご自分で自分の中の依存的な部分を受入れていく。
そうすることで、「自分が依存的だ」と感じていることからくる自己嫌悪を感じないで済むようになってきます。
自己嫌悪とは、例えば、「他人に従属的な存在の自分は半人前に思える」、「体は大人だけど大人になりきれない」、「そんな自分の存在が不快」、「恥ずかしくて異性と付き合えない」などですね。

自立するためには、一度、きちんと依存する必要があるのです。
自立=大人、依存=子どもという風に置き換えると、きちんと「子ども」をやり直して、それから「大人」になりましょうということなのです。

ラムさんの場合は、きちんと依存させてもらえなかった。
依存させてもらえなかったのは「自分が悪いからだ」という思いが積み重なり、結果としてとても強い罪悪感を持つようになったわけです。
そして、こんな悪い自分が「自立する」=「大人になる」なんて、「許せない」と思われるようになったのです。

でも、ラムさんが悪かったわけではありませんよね。
かといって、周りの人間を悪者にしてみたところで、ラムさんの問題が解決するわけでもありません。

今から、ラムさんの子供時代をきちんと取り戻していきましょう。
でも、「すべて丸ごと受け止めてもらう」というのは、日常生活では難しいと思います。
是非、カウンセリングの利用をご検討いただければと思います。

でも、もしかしたら、カウンセラーのことを怖いと思われるかもしれませんね。
そのような時は、最初に、「とにかく聞いて!」、「丸ごと受け止めて!」とおっしゃっていただければと思います。

私どもは提案型のカウンセリングを提供していますが、ご希望により、聞くことに徹するスタイルのカウンセリングも提供しております。
どうぞご心配なさらず、「すべてを受け止めてもらう」ということから始めてみられてはどうでしょうか。

今回のご相談が、ラムさんにとって何かしらのヒントになれば幸いです。
ご相談いただきまして、本当にありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

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