心の距離感が難しいと思う理由 〜本当の自分を隠すためにハリボテの自分をつくっていませんか?〜

本当に愛してほしいのは、隠してきたコンプレックスの方なのです

本当の自分がバレたら、嫌われてしまうと思うと、それを隠すためにハリボテの自分をつくりあげます。でも、ハリボテの自分を「いいね!」と言われると内心すごく複雑な気持ちになりますよね。だって、本当の自分じゃないのですから。愛してほしいのは、隠してきたコンプレックスのほうなんです。

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こんにちは。
今日の心理学講座はカウンセリングサービス『高見綾』が担当します。

「人との距離感って難しいな」と思ったことはありませんか?

仲良くしたいし、パートナーもほしい。なのに、思うように近づけないし、本音が言えない。ついカッコつけてしまう。人と向き合うのを避けてしまう。こんなことはないでしょうか。

こういった心の葛藤があると、とても苦しく感じてしまいますよね。

なぜこんな気持ちになるのか、どう考えていけば、もっとラクに捉えられるようになるのか、一緒に考えていきましょう。

◆本当の自分がバレたら嫌われてしまうという思い込み

なかなか仲良くなれないように感じるときは、心の距離が近づくことを無意識のうちに恐れていることが多いです。(これを、「親密感への恐れ」といいます)

表面的に人間関係がうまくいってるように見える人であっても、深い関係になろうとするとうまく近づけず、心の中に孤独感を抱えていることも少なくありません。

これらは、過去なんらかのことで傷ついた経験から影響を受けていることが多いです。

失恋の経験があると、再び誰かを大好きになってのめり込むことが怖くなることもありますよね。何らかの理由で、自分をあまり良いものではないと思っていると、「自分を知られたら、きっとガッカリされてしまうに違いない」という恐れが出てくることもあります。

自分をあまり良いものだと思っていない度合いだけ、自分を隠します。そして良い人のふりをします。

ネガティブな自分はなるべく見せないようにして、カッコつけたり、クールなふりをしたり、わざと明るく振る舞ったりします。

もし本当の自分がバレてしまったら嫌われると思い込んでいるので、本当の自分を隠すためにハリボテの自分をつくりあげるのです。

◆ハリボテの自分を褒められてもうれしくない

でも、「素敵な人ですね」と褒められたとしても、なかなか素直に受け取ることはできませんよね。

なぜなら、ハリボテの自分だと分かっているからです。「この人も自分の本当の姿は知らないから…」と複雑な気持ちになりますよね。

嫌われないためにハリボテの自分を作ったわけで、それを褒められると逆に距離を感じてしまうのです。

無意識では、「どうせ自分なんかを愛してくれる人なんかいないだろう」と感じてしまうのです。

それに、良い人のふりをしていても、時々「悪い自分」(と自分が思っている)がひょっこり姿を現すことがありますから、本当の自分がいつバレるのか、冷や冷やしてしまうこともあるでしょう。

もし、心の距離が遠いままであれば、取り繕うことができるので、傷つく怖れはなくなりますが、その一方で寂しかったり、誰にも分かってもらえない孤独感が出てきたりします

この心の葛藤はかなり苦しいはずです。

葛藤しているときってそれだけでエネルギーを消耗するので、何もしていないわりにめちゃくちゃ疲れてしまうんですよね。

◆あなたのコンプレックスごと差し出す

いくら取り繕ってみても、心が満たされることはありません。ハリボテの自分を素敵だねと褒めてもらえても、愛してもらえても、余計に怖くなるだけです。

なぜなら、あなたが本当に愛してもらいたいのは、隠してきたコンプレックスのほうだからです。

距離感が苦手な人は、自分に対する誤解を多く持っているように私は感じています。私から見ると、良い面をたくさん持っているのに、「自分のこんなところは良くない」と思い込んでいることが多いのです。

自分に対する良くないイメージは、家族関係や過去の経験から来ていることがほとんどなのですが、当時のあなたはただ一生懸命に取り組んでいただけで責められるようなことは何もないのです。

過酷な環境に置かれたら、黒い気持ちが溜まっていってしまったとしても仕方のない面があるのです。

そんな自分を許し、できればあなたのコンプレックスごと相手に差し出しましょう。

それこそが、あなたが一番愛してほしいものだからです。

心の距離感に苦手意識のある人は、相手をすごく大切にする人です。
「相手と良い関係を築きたい」「相手と深いつながりを持ちたい」、そんな気持ちがあるからこそ、距離を縮めるのに慎重になります。

「良くない自分」は、あなたの真実の姿ではありません。私もカウンセリングにおいて、その人の中にある愛を引き出すお手伝いをしていますが、どうかあなたも自分の真実の姿に気付いてみてください。

少しずつ自分をオープンにしていきましょう。最後に必要なのは勇気だけです。
あなたに、たくさんの良いことがやってきますように。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

高見 綾

大学卒業後、民間企業の経理・財務業務に従事。自身の悩みを解決するために心理学を学び始める。 人生がうまくいくためには特定の法則があることに気づき、多くの人のサポートを行う。 自己改革及び恋愛・結婚を含む人間関係全般のカウンセリングを得意とする。著書に『ゆずらない力』(すばる舎)がある。