隠しごとをしてしまう心理~悪いものは隠したくなる~

他人には知られたくないと思って、隠していることは誰にでも一つや二つはあるものです。

何もかもをオープンにする必要はありませんが、もし「悪いこと」と感じて隠しているのであれば、後々問題を作り出すかもしれないので、悪いことではなく、失敗しただけであるとか、不得意なだけだと認識しなおすことで、隠さなくてもよくなります。
私たちには、「悪いこと」と判断したことを、隠してしまうという心理があるのです。

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他の人には、知られたくない。
隠していること、内緒にしていることというのは、誰にでも一つや二つはあるのかもしれません。
もちろん、私もあります。
でも、私は年々隠し事、内緒にしていることが減ってきています。

どうして減ってきたのかというと、「悪いこと」「怒られること」「否定されること」だと思っていることが、減ってきたからなのです。
人はそれぞれであり、その価値観も様々。
その結果、人それぞれの意見があり、一つの事象に対して、様々な意見が出ます。
その事を受け入れてきたので、「悪いこと」「怒られること」「否定されること」という捉え方が変化してきた結果、隠し事をする必要がなくなってきたからなのです。

人は、自分の基準で「悪いこと」と判断したことを、隠したくなります。
例えば、仕事での失敗を「悪いこと」と判断すると、隠すと余計に大変なことになるとわかっていても、つい隠してしまいたくなります。
その結果、失敗が公になったときに、修復不可能な状態に陥っていたということも少なくありません。

確かに、失敗はしたくありませんし、細心の注意を払って、準備をして、成功できるように仕事はすべきかもしれません。
ですが、私たちは人間ですので、何事も完璧にやるということがどうしてもできません。
どれだけ準備しても、どれだけ注意しても、ついうっかりミスをしたり、失敗してしまうことがあるのです。

これは避けたいことではあるけれど、決して「悪いこと」ではありません。
ところが、私たちは「悪いこと」と思ってしまい、隠したくなってしまうのです。

また、失敗ではなく、不得意なことも、「悪いこと」と判断してしまうと、隠したくなります。
計算が不得意だとか、地図がよめないとか、字を書くのが不得意だとか、人前で話すのが不得意だとか・・・
そのこと自体は、悪いことではなく、ただ不得意なだけなのですが、本人が「悪いこと」と判断してしまうと、隠したくなるのです。

隠すこと自体が問題なのではなく、隠すということは、「悪いこと」と感じているということなので、そのことで、自信をなくしてしまうことが問題になってくることがあるので
「悪いこと」と感じているということは、悪いことをしている自分は「悪い人」ということになってしまいます。
「悪い人」の自分は、人から好かれないだろうという思いが出てきて、人と距離をとったりすることもあります。
また、「悪い人」の自分は、ものすごく頑張らなくてはいけないと感じ、ハードワークに陥ることもあります。
その他にも、恋愛に臆病になったり、社会に出るのが怖くなったりと、様々な問題となって出てきてしまうことが少なくないのです。

「言いたくないこと」「知られたくないこと」を、すべてオープンにする必要はありません。
ですが、もしそのことを「悪いこと」と考えているのであれば、「本当に悪いことなのか?」と再考してみるといいかもしれません。

あなたの大切なお友達や家族、大好きな人たちがあなたが自分自身で「悪いこと」と判断して、ひた隠しにしている同じことで、自分を責めて「私は悪い人なのだ」と悩んでいたらどう思いますか?
あなたも、「そうだよ!悪い人だよ」と言うでしょうか?

言わないことがほとんどなのです。
それどころか、その失敗や不得意な分野を、笑い飛ばしたり、手伝ったりしてあげたくなるのです。

そうは言っても、先ほども書かせていただいたように、人の価値観は様々であり、多くの意見があります。
そのうえ、人にはそれぞれ、その時の気分というものもありますので、失敗や不得意なことを、隠さずに公表したときに、怒る人や、機嫌が悪くなる人、批判する人がいるかもしれません。
でも、自分自身が「悪いこと」と思っていなければ、それぞれの意見として、受け入れることができるようになります。
その事によって、傷つかなくなるのです。
「ご忠告ありがとうございます」「ご指摘ありがとうございます」そう言って、あなたに向けられた言葉を受け止めることも可能になります。
それらの言葉を受け止めたからといって、あなたが「悪い人」なわけではないのですし、間違っているということでもありません。

自分以外の誰かに被害が及ぶこと、自分以外の誰かが傷ついてしまうことなど、隠さなくてはいけないこともあるかもしれません。
でも、自分自身が「悪いこと」と判断してしまった結果、隠していることがあるのだとしたら、悪いことではないことを改めて認識して、オープンにしていくと、抱えていた問題が解決していくことが少なくありません。

私たちが隠していることは、自分自身で「悪いこと」「良くないこと」と思っていることがほとんどですが、失敗や不得意なことは、誰にでもあることであり、「悪いこと」でも「良くないこと」でもないのだということは、知っておいていただければなと思います。
そうやって、自分を悪い人と思わなくなることと、自分が隠していたことを、周りの人が受け入れてくれる経験を通して、私たちは「隠さなくてはいけないこと」が減ってきます。
そして、楽に人と関わり、安心して社会で生活していくこともできるようになるのです。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

大門 昌代

恋愛や結婚、浮気や離婚など男女関係、対人関係やビジネス関係、家族関係や子育て、子供の反抗期、子離れ、親離れ問題など幅広いジャンルを得意とし、お客様からの支持が厚い。 女性ならではの視点と優しさ、母としての厳しさと懐の深さのあるカウンセリングが好評である。PHP研究所より2冊出版。