反応する事のススメ

先日、実家の父の介護のため実家に帰ったときのお話です。
ベッドに寝ている父が母に向かって
「ありがとう」
と伝えておりました。
しかし、耳の聴こえない母は気づきません。
一生懸命、父に背を向け仕事をしています。
私が反応して「どういたしまして」と伝えても、どうやら私ではなく母に伝えたいらしく、父はこっちを振り向いてくれません。
父は母の背中に向って一生懸命
「ありがとう」
と言い続けます。
それでも母は気づかず背を向けて仕事をし続けます。
そうすると、母に気づいてもらえない段々と父が不機嫌になってきます。
「ありがとう」
それを、大きな声で何度も何度も叫び続けます。
そこで、ちょんちょんと母の背中をつつき父の様子を伝えます。
そこで、母は父の「ありがとう」に気づき
「どういたしまして」
と反応したんですね。
そうすると、今までイライラとしていた父の空気が一変。
ぱぁっと明るい笑顔になり嬉しそうに何度も何度も
「ありがとう」
と伝え続けるんですね。
ずっと母に伝えようとして伝わらなかった一つの想いが伝わり本当に嬉しそうに嬉しそうに伝え続けてるんですね。
その父の姿に、いつも母を想う気持ちと感謝の気持ちを感じ、少し胸が熱くなりました。
私たちは、自分自身の気持ちや想いを伝えたくて一生懸命頑張ってみたり、チャレンジしてみたりする事っていっぱいあると思うんです。
そして、自分の気持ちがちゃんと伝わったときはとっても嬉しくて幸せな気持ちになります。
しかし、自分の気持ちがちゃんと伝わらなかったり、折角出したサインに対して反応してもらえなかったらとても寂しくて悲しい気持ちになってしまうんですね。
そして、不機嫌になってみたり、怒ってしまう事があるんです。
でも、その気持ちって本当は気持ちや想いを伝えたい人に対して抱きたい感覚や感情ではないと思うんです。
もっと、あったかくほんわかした感覚や心と心が繋がっているという感覚等を感じたいんじゃないかな、と・・・
そんな気持ちを知っているからこそできる人間関係を潤滑にしたり、その場の空気を和やかにするポイントがあります。
それは『反応する事』なんです。
私たちは反応したり反応される事で、すごく気持ちが明るくなったり、ホッとしたり、和んだりする事や瞬間が色んな場面であります。
春は色々な人と出会ったり、新しい環境に入って行く機会が多い季節かもしれません。
そんな時に、ちょっと周りを見渡して誰かが何かのサインを発してくれてるなと感じたらちょっとした『受け取ったよ』『気づいているよ』という反応を返してみませんか。
それは、ちょっとした挨拶だったり、アイコンタクトだったり、手振り身振りだったりするかもしれません。
ちょっとしたサインにちょっとした反応をする事で、なんだか心が暖かくなったり、相手との心と心の繋がりを感じる事ができるんじゃないかな、と思うんです。
周りの人の伝えてくれた事に対して反応する事で、新たな人間関係を育む切っ掛けを作ったり、今以上に有効的な関係を結び易くなる確立がグンと高くなります。
そう、私の父が母に「ありがとう」を伝え、母に気づいてもらえた時の満面の笑顔のように、色んなサインに対しての様々な反応で今までいた場所の空気もがらりと変わるかもしれません。
『反応する事のススメ』
この春にもしよかったら、皆さんも一緒にチャレンジくださいね。
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