人間の身体ってすごい!

前回のコラムで母が大腿骨骨折をした話を書いたのですが、今度は私が骨折をしてしまいました。
5月中旬の出来事です。 私の住む建物の前まで帰ってきて、何かに滑ったわけではないのですが
よろけて真横に倒れてしまいました。倒れこむときに考えたのは、「ここで手をつくときっと骨折するかも。
だから、身体ごと倒れたほうがいい」ととっさに判断したまではよかったのですが、肩に近い二の腕のところが
ちょうど段差のところに当たり、強い痛みが走りました。 

起き上がろうと思っても起き上がることができないほど痛みです。数分そのままの状態でいたものの、
真夜中にこのまま倒れているわけにはいかず、力を振り絞って起き上がりなんとか部屋まで帰り着きました。
そして、激痛のため少し横になろうとそのまま倒れこんで、目がさめると朝になっていました。

昨夜の出来事が夢であったように、痛みが治まっているようにと願ってみたものの、相変わらずの痛みです。
これはさすがに病院へいかなきゃまずいだろうと思いながら、その日は木曜日で昨年、右手の甲を骨折したときに
お世話になったすぐ近くの整形外科もお休み。
どこが開いているだろうかと考えつつ、一旦会社へ行き、午後から救急指定のある総合病院へ行きました。

腕の痛みなのか、打ち付けた身体の痛みなのかもよくわからず、歩くのもままならないくらいの状態で、
不安なまま診察を待ちます。 
朝、シャワーを浴びたけれど、右腕が動かせず服の脱ぎ着も出来ない状態に愕然とし、
一人で生活するのは当分は無理だよ、どうしよう! 入院でもしないと暮らしていけない、
などいろいろな考えが頭をめぐります。

診てもらうと、結果は肩からついている腕の太い骨(の一部)が骨折とのことで、
完治するまでは4,5ヶ月とのこと。

私の気持ちは、やっぱり折れてるの、どうやって生活していこうと不安MAXで泣きそうなくらいなのだけど、
30代半ばくらいのサバサバした女医さんは、「じゃ、三角巾出しとくから。 また来週来てね。」の一言。
「えっ、それだけ? 私はメッチャ痛いんですけど。その程度のことなの??」と心の中で叫びながら
すごく軽く扱われたことに少し腹が立ちながらも、そんなに心配するほどのことじゃないのか、と
ちょっぴり安堵もし、救われた気分にもなりました。

三角巾をつけてもらっていると、さらに追い討ちをかけるように「来週からリハビリも始めようね。
それから、バンザイ(右腕を上げる)だけはしないでね」と一言。
私の心は、「先生、私は痛くて右腕は脇をあけることすら出来ないって言ってるじゃないですか!! 
バンザイなんか出来るわけないでしょ。 来週からリハビリって何なの。」とイラ立ちMAXになりながら、
これからの生活に不安を感じながら病院を後にしました。

入院も出来ず、一人で生活をしなければならない毎日が始まりました。
病院へ行ったからと言って、急に身体が良くなるわけでもありません。 薬を飲んで治ることもなく、
ホント、日にち薬しかないわけです。

着替えも食事もお風呂も、身体の痛みと闘いながら、左手・左腕だけを使ってやっていくわけです。
いろいろ工夫しながら、なんとか生活していくしかないのです。

病院に行った日の私の動きは、まるで90代の老婆のように身体を丸め、腕をかばい、相当ゆっくりに
ヨボヨボ(?)としか歩くことができませんでした。 立ち座りも大変で、もちろん、お箸ですら持てません。
けれど、その翌日は、診察をしてもらってちょっと安心したのか、右腕も身体は痛いけれど、
70代くらいの動きには回復! と感じるくらい歩き方が変わりました。

ケガをして5日めくらいには、なんとかお箸が持てるようになり、2週間経つと右腕をほんの数センチほど
脇から離せるようになって服の脱ぎ着が若干ラクになったりと、可動域が少しずつ広くなり、
出来ることもちょっとずつ増えていきました。
3週間経つ頃には、身体の痛みもずいぶんと取れてきました。

去年、右手の甲を骨折してギブスをしていた時にも思ったのですが、何も考えずにしている動作、
たとえばドアノブをまわす、ドアを押す、引くなどのちょっとした動きにどれほど手が、腕が大切だったのかを
痛感します。 
右手(手首から先)は、普通に使えるので、右手にペットボトルを持って左手でふたを開けようとする動作ですら
右腕が密接に関連していて痛みが走り、ふたが空けられない、などなど数えるとキリがないくらいです。

だけど、毎日のちょっとした身体の変化を見つけるたびに、人の回復力、自然治癒力ってすごい!
人間の身体ってすごい!と思うことばかりでした。
だって、薬も何も飲まなくても、徐々に回復していくんですよ。 本当に感動ものでした。

ケガをした当初は、もちろん、「なんでこんなことになったんだろう」 「やっぱり年かな。(50代後半だからね)」とか、
「母もまさかこんなことになるなんて、と思ったんだろうな」とか、いろんなことを考えました。 
ケガをした直後の日曜日なんて、一人で自分を責め、先の不安を感じながら、家にいると何もする気は起きず、
横になっていると、こうしてだんだん精神的に参ってしまいそうになるのかも、とも思いました。

けれども、出来なかったことが、だんだん出来ていくこと(本当に微々たる変化であっても)の喜びに出会うと、
なんだか嬉しくなって、あまりネガティブな発想は出てこなくなりました。

骨折が今の年齢でまだラッキーだったかも (回復力は80代よりはいいはず)、
ギブスをせずにすんで良かった (お風呂に入るのがラク)、
右上腕だけで不幸中の幸いだった (右手そのものは使える、右ひじから先は少し動かせたからなんとかなった)
三角巾をつけてるのも意外と便利 (ポケットがない服を着ても、三角巾の中にハンカチを入れておける)
と自然に思えるようになっていました。

今はケガから2ヶ月以上が経ち、毎週リハビリにも通い、右腕も重いものは持てないけれど、
肩の高さくらいまでは動くようになり、ずいぶんと生活するのはラクになりました。
ただ、左腕の動きに比べると、やはり右腕はまだまだリハビリが必要なので、少しずつ積み重ねていこうと思います。

「一寸先は闇」、人生は本当に予想もしないことが起きることがあるけれど、なんとかなっていくものだなあと
実感している今日この頃です。

今年は猛暑も続いていますので、みなさま、お身体ご自愛くださいね。

この記事を書いたカウンセラー

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自己否定、自己嫌悪、疎外感、自己肯定を得意とする。「その方の心に寄り添い、一番の味方でいること(安心感)」をモットーに、わかりやすい言葉で恋愛問題や対人・自己との関係を紐解き、改善・生き易さへと導いている。  東南アジア2カ国での生活経験もあり、国や文化の違いについても造詣が深い。