正しい「理屈」を言われても・・・

相談者名
みほ
はじめまして。ここのカウンセラーの方々のコメントを読むと心が落ち着き、いつも励まされています。
ところで、今回の相談内容なのですが、私には1年半お付き合いしている恋人がいます。彼は自分の価値観のもとに、きちんと、自分の「理屈」を確立できる頭のよい人です。ですから、彼の言動で私が何か不満を感じて彼に伝えても、「彼の理屈」で解決されてしまいます。「たしかに言ってることはただしいな」と思い、頭では納得するのですが、私の心では何か釈然としない思いが残るということが頻繁にあります。そして徐々に、釈然としない思いが募っていってしまったからなのか、理由はよくわかりませんが、「彼の理屈」を話されても、正しいとわかっていながら、私の心はそれを拒絶してしまい、訳のわからぬことを言ってみたり、彼の言うことが正しければ正しいほど、言いようもない悔しさがこみ上げてきて泣き喚いたりするようになってしまいました。
自分でも、自分のしていることは道理にかなっていないとわかっているので、いつも自己嫌悪に陥ってしまいます。自分のことはどんどん嫌になっていくし、自分の今までもっていた価値観のようなものも、崩壊して、最近では自分でも自分の考えていることがよくわからなくなり、時々ですが、自殺願望のようなものも芽生えてしまいます。
そんな自分をどう立て直していったらよいか、教えていただきたくメールいたしました。
そして、「彼の理屈」に対して正しければ、それを素直に認めて「私が悪かったわ」っていう私になりたいなと思っています。そのように考える私になるためのヒントみたいなものもいただけたら、嬉しく思います。
よろしくお願いします。
カウンセラー
根本裕幸(退会)
みほさん、こんばんわ。根本です。
お待たせしました。
ご相談ありがとうございます。

> はじめまして。ここのカウンセラーの方々のコメントを読むと心が落ち着き、いつも励まされています。

ありがとうございます(^^)
そういうお言葉はほんとに勇気付けられます。

>彼は自分の価値観のもとに、きちんと、自分の「理屈」を確立できる頭のよい人です。ですから、彼の言動で私が何か不満を感じて彼に伝えても、「彼の理屈」で解決されてしまいます。

それは苦しい面もありそうですね・・・。

理屈って窮屈ですよね。
そして、自立的な男性は結構この理屈を好みますね。
正論ですから、なかなか口答えも難しいし、論破するなんてことはさらに難しいことです。
「正しい」って感じてしまうほど、反感覚える自分に嫌悪してしまったり、ただ黙り込むしか無かったり、感情的には案外ストレスになってしまうと思うんです。
でも、「正しいような気がするんだけど、それって人間らしくないんじゃない?」とか、「そりゃそうだけど、それ実行できる?そんなの机上の理論じゃない?」とか思うことってありませんか?

実は、みほさんのタイトルを読んで、正直僕がどきっとしてしまったんですよね。
というのは、僕が昔付き合ってた彼女に、よく指摘されてたことだから(笑)
僕もね、正論や理屈を好む人間でした。
今もそんな名残は残っているかもしれないけれど、昔は理論こそすべてでしたよ。
理系でしたしね。

でも、なんでそんなに正しいことに拘ってしまうかと言うと、実はね、自信が無いからなんですね。
だから、理論武装して自分を守ろうとするんです。
そんな彼らの弱いポイントは「間違っている」ということ。
「それおかしいよ」とか「違ってる」というと、むきになって怒り出したりします。
でも、そんな風になるのも、本当は違ってるような、真実ではないような感覚を心の中で感じているからです。
もちろん、意識なんてできませんけどね。

そして、その分だけ、完璧主義になってしまいます。
ミスを許せなくなったり、曖昧さを排除しようとしたり、勝ち負けに拘ったり。
そして、自分の枠がどんどんせばまって、窮屈になっていってしまいます。

みほさんの言いようのない悔しさや息苦しさはそんな窮屈さを感じてのものも少なくないかもしれませんね。

だから、彼の傍にいるとなんだか落ち着けなかったり、緊張している自分に気付くことってありませんか?
それはそれくらい彼が自分自身に対して厳しく、安心を許さない状態にあることを教えてくれてると思うんです。
感情って共鳴しますから、彼が意識していようがいまいが、その心は空気や肌を伝わって流れてきます。

そういう意味では、彼と一緒にいるときにみほさんが感じていらっしゃる感情というのは、実は彼の感じているものと同じかもしれません。
一度、そういう思いで彼と過ごしてみると、意外な彼を発見できるかもしれませんよ。

> 「たしかに言ってることはただしいな」と思い、頭では納得するのですが、私の心では何か釈然としない思いが残るということが頻繁にあります。そして徐々に、釈然としない思いが募っていってしまったからなのか、理由はよくわかりませんが、「彼の理屈」を話されても、正しいとわかっていながら、私の心はそれを拒絶してしまい、訳のわからぬことを言ってみたり、彼の言うことが正しければ正しいほど、言いようもない悔しさがこみ上げてきて泣き喚いたりするようになってしまいました。

そうでしょうね。。。
言葉では敵わないような、受け入れてもらえないような拒絶感を感じてしまうのではないでしょうか。
だから、泣くしかなくなってしまうくらい悲しいし、きちんと対応できない自分に嫌悪してしまうのかもしれません。
その瞬間ってホントに辛いですよね。

でも、もう気付いていらっしゃいますよね。
正しさが幸せに繋がるわけではないってこと。
どれだけ正しくても、決してそれだけでは二人は幸せを感じることができないということ。

きっとみほさんの本音は「そんなことどうでもいいじゃない」なんじゃないかな。
「それよりももっと大切なことってあるじゃない!」ではないかな。
だから、みほさんも彼の言葉を拒絶してしまうし、そのことを彼に分かって欲しいって気持ちが大きいのかもしれません。

> 自分でも、自分のしていることは道理にかなっていないとわかっているので、いつも自己嫌悪に陥ってしまいます。自分のことはどんどん嫌になっていくし、自分の今までもっていた価値観のようなものも、崩壊して、最近では自分でも自分の考えていることがよくわからなくなり、時々ですが、自殺願望のようなものも芽生えてしまいます。

それくらい苦しいんですね。
よく我慢していらっしゃるな、、、と思いますよ。

みほさんにとって、何が本当に大切なのでしょうか?
例えば、彼とただ触れ合ってる時間、笑いながらおバカな話をしてるとき、陽だまりの中で寄り添って眠ってみたり、ただ甘えて見たり。
そんな中で幸せを感じられるのではないでしょうか。
道理なんてどうでもよくて。

彼の言葉は正論な分、きっとみほさん自身、彼からたくさん否定されてしまったような感じがして、自分自身を見失ってしまっているのかもしれません。
ならば、そんな自分を取り戻していくことが今一番の目標ですね。
そのプロセスの一歩目が、この「私は何が大切なんだろう」「私にとって本当に大切なものってなんだろう?」という思いを取り戻すことだと思います。

彼に合わせる必要って本当は無いんですよね。
でも、彼に嫌われるのが怖くてあわせてしまうとしたら、そんな自信の無い自分を変えていくことも目標の一つにしてみましょう。
考えではなく、自分の思いに自信が持てるようにね。
そこでは、何か依存的な、無価値感を感じている自分もいるのかもしれません。
ならば、そこを癒して解消していくことができれば、今の自分でも堂々と胸を張って生きられます。

そして、彼に向かっても、自分の大切なものや気持ちを伝えられる自分になって行く事ができるでしょうし、逆に彼に対して本当に大事なことを教えて挙げられる人にもなるでしょう。
もし、そんな自信がみほさんにあったとしたら、彼の言葉にも素直な気持ちで向き合えることができますね。
もし、自分が否定される恐れや、間違っているという思い、また、彼の正論で自分が汚されるような感覚がある分だけ、自己は崩壊し、自分を見失ってしまうと思います。

因みに僕が彼のように正論こそ全てと思っていた頃、前述の彼女がこのことを教えてくれました。ただ、そのときは“別れ”という方法を使ってでしたけど。
僕はそうしなければ、きっとこのことを学べなかったんだろうと思います。
でも、それ以来、僕の人生や考え方はがらっと変わってしまいました。
しかも、いい方向に。

別れを使うのは最終手段ですが、それを使えるくらい自分を成長させてあげたいですね。
そして、それはきっと可能だろうと思います。

まずは、今の自分でOK,ということを自分で自分に言い聞かせて見てください。
そして、ここで提案させていただいたことが少しでも役に立てば幸いです。

ありがとうございました。

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