◇演奏

私は昔、音楽を演奏するのが大好きでした。
小学校のころからマーチングドラムをたたき、中学校に入ると吹奏楽部で
パーカッションをたたいておりました。
また、姉の影響で琴や和太鼓なんかもしてました。
高校に入ると、今度はクラリネットを始め、社会人になってからはサックス
もやってました。
また、それと平行してギターを習ったり、エレクトーンを習ったり、ポピュ
ラーピアノを習ったり、いろんなことをしましたね。
まあ、とにかく演奏するのは今でも大好きです。
楽器屋さんの前を通ると、つい足を止めて、いろんな楽器に見とれてしまい
ます。
そして、触ってもいい楽器があれば、ひたすら音を出して楽しんでいます。
以前知り合いがインド楽器のタブラを習っていて、たたかせてもらったことが
あるのですが、難しかったですね。
なかなか音が出ないんですよ。
そのうち腕がつったりして、持ち主いわく
「音がちゃんと出せるまでに2〜3年はかかりますよ」
といわれました。
でも、ちょっとでも音が出ると楽しくて楽しくて、欲しくなったりしました。
今は自宅に、なぜかスリランカの太鼓が一つあります。
フリーマーケットでスリランカの留学生から譲り受けたのですが、ごくたまに
たたいて遊んだりしています。
この太鼓も変わっていて、ヒモがついているのですが、これを足に通します。
そして、ひざの辺りで太鼓を固定して、両手でたたくんですよ。
またこれも変な音がするんですよ。
でも、楽しいので時々たたいて、妻に嫌な顔されたりします。
今回、なぜこんなことを書いているのかというと、最近クライアントさんから
「また演奏しないんですか?」
ということをよくいわれるようになったんです。
そして、ふと気づいたのですが、ずいぶん長いこと演奏することから遠ざかっ
ているんですよ。
あんなに楽しかった楽器の演奏を、何でやらなくなったんだろうって。
演奏しなくなったのは今から11年前になります。
その頃の私は、すごく自暴自棄になっていて、自分を楽しませることを許可し
ていませんでした。
すごく自分が嫌いだったんです。
「誰が自分に楽しさを与えてやるもんか!」
というくらい、自分を厳しく扱っていた時期でした。
今の私からは想像できないくらい、当時は本当に悲惨な状態でしたね。
その時以来、楽器を演奏することはしていません。
楽器を演奏することの思い出は、楽しさとつらさが両方ありました。
楽しさの方は、一人ひとり違う楽器が一つの曲を作っていく、そんな楽しさが
ありました。
クラブで演奏会を開いたり、コンクールに出たり、バンドに参加したり、みん
なで音楽を作る楽しさが何とも言えませんでしたね。
つらいこともいっぱいありました。
独りでひたすら基礎練習をしたり、本番でミスをしたり、いちばんひどかった
のは楽器を忘れたこともありましたね。
演奏会場で
「おい! 楽器あらへんぞ! どこいったんや!」
「そういえば、高速走っているときに、楽器積んだトラックが路肩に止まって、
荷物積み直してたで」
なんと、高速道路に楽器を置き忘れてきたんですよ。
大慌てでした。
久々に思い返すと、自分の人生の3分の1が楽器とともにあったんですよね。
また演奏したいという気持ちもありますし、ブランクでなかなか踏み出せない
という気持ちもあります。
どうせ始めるなら新しい楽器をやりたいなというのもあります。
今演奏してみたいのは胡弓ですね。
今は楽器を演奏しなくても楽しい日々が増えましたが、今楽器を始めても、楽
しい日々はもっと楽しくなるだろうなとも感じます。
「今よりももっと楽しい人生」
すてきだと思いませんか?
そして、そんな人生を、自分に与えてみませんか?
中原謙一

この記事を書いたカウンセラー

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