◇夢の実現

後輩に当るカウンセラー達と話をしているときに、僕の“修行時代”を
何となく思い出していました。
僕が心理学を学び始めた頃、僕の先生達(二人合わせると体重は3人分)
くらいしかこの仕事で食べてる人って周りにいなかったんですよね。
だから、始めからカウンセラーになれるとは思ってもいなかったし、実際に
ボランティアのカウンセリングチームを立ち上げてからも、カウンセラー
というのは「夢」にしか過ぎなかったんです。
カウンセリングといっても、どうやって学び、どうやって技術を付けて
いいのかが分からなかったので、手当たり次第のことをやってました。
今から思えば、これらの経験が基礎になって今の僕があるわけですけど、
当時は不安だった分、出来ることは全部やろうという勢いだけでした。
先生の家に遊びに行って、その近所のファミレスで、何時間も心理学を
教えてもらったりしたこともありました。
心理学というても「上手な恋の手ほどき」とか「女心について」とか
「セックスの秘密」とか、とてもとても“実用的”なものばかりで、
夢中になって聴いてました(笑)
でも、その先生の家ってすごく遠いんですよね。
僕は車を持ってなかったので、どうやって遊びに行くか?には、いつも頭
を悩ませてました。
そこで、よく使ってた手が車を持ってる友達に
「おもろいおっさんがいてんねんけど、一緒にいかへんか?」
て誘い出す手です。
特に彼女との関係に悩んでる奴を見つけたりしたら、「よっしゃ!」てす
ぐに先生のところに電話をかけて「友達連れて行くけど、いつ暇?」なんて
聞いてたりしました。
今でも後輩から恋愛の相談なんかを受けると、お腹いっぱいになるまでしゃ
べり倒してるのは、この当時の影響なんでしょう。
同じことしてますね(笑)
それから、今でもこの仕事には僕の「趣味」のような領域が存在してます。
今はホームページの運営やコンテンツ作りなどに取って代わっていますが、
当時はテキストを作ったり、勉強会のネタを仕込んだり、時間を忘れて夢中
になれるものでした。
先生のカウンセリング講座をテープに録音し、仲間達とテープ起こしをして
テキストを作ったことがありました。
テープ起こしなんてしたことないですし、専門用語も混じったりしましたか
ら、なかなか理解に苦しみました。
それから「勉強会」と称して、毎週金曜日はうちに仲間を集めて、事例を解
いたり、実際にカウンセリングの真似事をしてみたりしてました。
姿を変え、形を変え、結局3、4年続いたんですよね。
最初は仲間内だけだったんですが、だんだんその輪が広がって、友達が
「ちょっと相談に乗ってよ」てクライアント役として登場するようになり、
友達が友達を呼んでくることになったりして、狭い家に10人以上が出入り
するような時期もありました。
部屋のあちこちで、生の相談会が開かれ、みんなで「どうしたらいい?」な
んてのを考えてました。
みんなカウンセラーとしての経験値なんてゼロに近いですから、そこで悩み
を相談されても友達の悩みを聞く+αぐらいにしかならなかったと思うんで
すよね。
しかも、経験はないのに、心理学やカウンセリングの知識だけは多少あって、
頭でっかちになってる時期です。
ある意味、非常に危ない状態なわけです。
だから
「この前、○○したらいいよって言ってたから、やってみたけど出来なかっ
た。どうしてくれんねん!」
みたいなことを言われたり(友達だから遠慮ないんですよね、こういう時)、
「なんか、無理やりこじ開けられたような気がしてしんどくなったわ」
と怒り出して途中で帰る人が出て、それを追いかけて夜の街を走りまわった
り、急に喧嘩が起きたり、色んな問題もよく起きました。
・・・こういう風に書くと、なんか青春っぽいですね・・・(笑)
その時はそれで悩むことも多かったんですけど、今から思えば
「やってはいけないこと」「言ってはいけないこと」
をたくさん学ぶ機会になったんだと思います。
でも、・・・ほんま良かったです・・・それが友達で(笑)
人身御供のように修行に付き合ってくれた友人達に「ありがとう!」といい
たい。
でも、そうして人が増えてくると「勉強会」なのに、なぜか鍋がテーブルに
設置されるようになったり、部屋のあちこちでゲーム大会が始まったり、
占い師の友達が占いしてくれたり、夏になれば「怖い話大会」になったり、
「差し入れ持って来たでぇ〜」とビールが入ってきたり、徐々に溜まり場兼
居酒屋のような状態になってました。
それはすごく楽しい時間でした。
たぶん、その集まりの中で、この仕事は面白い!と実感したんだと思います。
その「勉強会」もカウンセリングサービスの設立で僕がとても忙しくなって
自然消滅してしまったんですけど、今でも懐かしいような、ちょっと複雑な
(!?)思い出だったりします。
それから、妻との関係というのはカウンセラーになるにはほんといい修行で
した(笑)(・・・いや、過去形じゃないですね。現在進行形です・・・)
パートナーシップの問題と向き合うことって、自分の心と向き合うことにも
なりますし、必死になる分だけ、学びも大きいですね。
妻との間にも色んな問題がありましたが、僕が講座などで
「人生をかけて学んでます(笑)」
と冗談交じりにお話しするのも、ある意味嘘じゃないんですね。
カウンセリングの5分前に喧嘩が勃発することだってあるんです。
「なんで、俺、こんなときにカウンセリングしなきゃあかんねん・・・」
と思うこともありました。
でも、そういうときに限って、まさしく妻との喧嘩の原因がカウンセリング
のテーマになったりするんですよね。
そうして、カウンセリングの中で、僕自身が身をもって学び(^^;、
カウンセリングが終わって、再び奥さんと向き合うわけです。
電話カウンセリングなどでは、そんな状態のまま、お互いが別々にカウンセ
リングに入り、カウンセリングが終わった後、すっかり仲直りしてることも
ありました。
3月に生まれた子どもから学ぶこともとても多いですし、子育てを通じて、
妻を改めて尊敬しなおしたり、自分の親の苦労を思い、感謝する気持ちがす
ごく強くなりました。
本当に愛情が無かったら人間は誰も育たないんだなあ・・・と実感します。
たぶん、僕もここで一つも二つも成長できて、そのパワーをお客さまに還元
しているし、していくんだろうと思います。
カウンセリングの仕事の醍醐味というのは、そうして日常と仕事が直結して
ることなんですよね。
人生の出来事すべてがネタになるんですよね。
そういえば、僕と理加がもめてたとき、僕の先生がこんなことを言ってまし
た。
「もし離婚することになったら、それがまたカウンセリングのネタになるん
や。どうしたら離婚せずに済むかが分かるやろ?それを離婚しそうな夫婦に
教えてあげることができるぞ」
要するに“離婚することを恐れて臆病になるな”ということを言いたかった
んだと思います。
まあ、そこでもしたたかにネタにしてしまうくらいの強さが求められるんで
すね。
とはいえ、僕は離婚を回避することで「どうしたら離婚せずに済むか?」と
いうネタを提供できる立場になったわけですから、万々歳です。
でも、その理加ともう一度前向きにやっていこうと決めたときに、
実はカウンセリングサービスの設立話が舞い込んできたんです。
その時は気付かなかったけど、後で理加が言っていてハッとなりました。
心理学にはこんな格言があるんです。
「真実のパートナーとライフワークは同時にやってくる」
なるほどなあ・・・と夢を一つ実現した今なら深く納得できます。
根本裕幸

この記事を書いたカウンセラー

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