●バカンス

僕はたまに極端な行動をとることがあります。
それは、ダイエットを行ったあと、リバウンドで食べてしまうようなもの似ている
のかもしれません。
ゴールデンウィークの僕は働き詰めでした。
「う〜ん、なんでこんなに忙しいんだ?」と仕事を終えて家に帰ってきた僕はテレビのスイッチをつけました。
電源を入れたテレビにはゴールデンウィーク中バカンスを楽しむ人たちが映っていました。
海外脱出組が映っていたり、田舎に帰省している人たちが映っていたりしていました。
ブラウン管の中にいるバカンスを楽しむ人たちは、僕の目には、みんなウキャウキャ浮かれているようにみえました。
「え〜な、僕もバカンスしたいな」
「え〜な・・・・・」
「・・・・・・・え〜な、え〜な」
すっかり、窓こしのトランペットを眺める少年状態になっていました。
更にこの、窓こしのトランペットを眺める少年モードに追い討ちをかけたのが、エリート金融エクゼブティブのお話でした。
30歳半ばで年収○億円ほど稼ぐエリートの方のお話なんですが、こういう方は当然毎日が忙しいわけです。
そして毎日金融の微妙な流れの変動に神経を尖らせています。
毎日ピリピリと神経を張り詰めているのです。
こういう方の張り詰めた神経の休め方を聞いたのですが、有休を一ヶ月ほどとって南の島に旅行をするらしいです。
そして南の島で一ヶ月なにをするかというと、ただただ、ボ〜っとするらしいです。
そう、なんとボ〜とする為だけに、なんにも無い南の島へお金と時間を払っていくのです。
それくらいしないと体がもたないそうです。
 この話を聞いた僕は、窓こしのトランペットを眺める少年モードどころか、
窓に顔面をくっつけてヨダレを垂れ流しながらトランペットを眺める少年モードになっていました。
海外旅行の本を買ってきたり、インターネットで南の島をしらべたりという禁断症状が毎日でるしまつ。
もうこうなればおさまりがつきません、海外に休みにいくことに決めました。
今まで頑張ってきたから自分へのご褒美と自分に言い聞かせて思い切って長期休暇も取る事にしました。
一ヶ月の長期休暇
・・・・・・・・・・・と言いたいところですが、時間的にも、お金的にも、お仕事的にもそれは難しいので1週間休みをとって、海外旅行にいくことに決めました。
 
そう決めたのはいいのですが、僕は海外旅行に行ったことがないので、一人で行くのは、ちょっと不安。海外旅行の予約は?保険は?福沢諭吉はどこでドルとかペソとかウォンに変えたらいいの?ホテルの予約は?謎だらけで一人悩んでいました。
そこで友達を誘うことにしました。
仲のいい友達に、「海外行きません?」と声をかけると、即座に「OK」の一言が返ってきました。
僕はその友人に
「すいません、僕海外旅行とかいったことがないんでいろいろ教えてください。」
というと友人は、にこっと笑ってくれて、親指を胸の前で立てて”グー”のポーズをとって、
「俺もいったことがない」
一人で悩むのから、二人で悩むことになりました。
二人で考えた海外旅行の行き先の第一候補は、タイのプーケット、バンコク。
プーケットには、ダイビングの先生をしている二人の共通の友人がいるで、その友人に観光案内をしてもらおうという考えでタイ周辺を旅行先候補にして
旅行雑誌で行き先を調べていました。
雑誌を見ながら、遺跡巡りに行って、像さんに乗って、象さんに乗ったまま遺跡巡りもいいな〜(たぶん、そんなことはさせてくれないと思いますが)、バナナボートにものりたい、ダイビングもしたい、と浮かれていて、すっかり魂はパスポートも持たずにタイランドに飛んでいました。
1時間ほど旅行雑誌をみていて、あることに気づきました。
・・・
・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「あっ、休みに行くの忘れてた。」
当初の休みを取りに南の島に行くという目的をすっかり忘れていました。
かくして、二人は街観光がいっぱいできるプーケット、バンコクよりも、
綺麗な海と自然がいっぱいのランカウイ島に7月頃休みを取って、のんびり、ボーと、ボケーと過ごす為に南の島に行くことになりました。
海を見ながらボーとするだけある意味、贅沢な自分へのご褒美ですね。
たまには、自分にボーする時間を与えてあげる、休みを与えてあげる、心と体を癒す時間を取ることも明日への活力に為に大事なんじゃないかなと思います。
原 裕輝

この記事を書いたカウンセラー

About Author

若年層から熟年層まで、幅広い層に支持されている、人気カウンセラー。 家族関係、恋愛、結婚、離婚、職場関係の問題などの対人関係の分野に高い支持を得る。 東京・名古屋・大阪の各地でカウンセリングや心理学ワークショップを開催。また、カウンセラー育成のトレーナーもしている。