セルフマネジメントのススメ(10)~自己肯定感の育て方(前編)~

今の時代、多くの組織や会社では、社員やメンバーが不満を感じているようです。

それはやり方や方向性の違いであったり、望む仕事ができないことへのフラストレーションだったり、やりがいの薄さであったり。

そんな中で「評価されない」「感謝されない」「チャンスがもらえない」と息苦しさや不自由さを感じ、
その期間が長ければ長いほど「どうせ頑張るだけ無駄だ」と諦めてしまったり、
「もっと自分を活かしてくれるところはないだろうか?」と転職や配置換えという、
”環境を変える”
ことでなんとかこの息苦しさや不自由さを打破しようとすることも多いようです。

このなんとも息苦しい閉塞感を抜ける鍵として、「セルフマネジメントのススメ」と題してシリーズお届けしています。

○これまでのシリーズ
セルフマネジメントのススメ~自分の価値を活かす~
セルフマネジメントのススメ(2)~すべては自分の見方次第~
セルフマネジメントのススメ(3)~終わりを思い描く~
セルフマネジメントのススメ(4)~「豊かさマインド」を育てる~
セルフマネジメントのススメ(5)〜相手を理解することが自分を理解してもらう近道〜
セルフマネジメントのススメ(6)~1+1を3以上にするコミュニケーション〜
セルフマネジメントのススメ(7)~見せかけではない自分を磨く〜
セルフマネジメントのススメ(8)~刺激と反応の間にスペースをあける~
セルフマネジメントのススメ(9)〜人間関係をよりよくするための信頼の増やし方〜

今ご覧いただいている「ビジネス心理学」のコンテンツ内で、私は過去に「リーダーが部下を育てるには?」と言う視点で、”他者の成長をサポートするための記事”をいくつか書いてきましたが、
この「セルフマネジメントのススメ」のシリーズは”自己成長”を目的とした内容をお届けしています。

●自己肯定感が低いときのサイン

新しいことにチャレンジしようと思っても、
「どうせ、また私は失敗するんだろうな」
「私って、いつも長続きしないんだよな」
と考えて、
行動する前にブレーキをかけてしまったり、
1度うまくいかないと挫折しやすくなってしまったり、
全力で取り組めなくて、いつも中途半端に自分の気持ちがくすぶっている感じたしたり。

そんなことは、あなたにもないでしょうか?

今ではすっかりメジャーな言葉になった「自己肯定感」。

日本人は比較的、自己肯定感が低い傾向があると言われますが、

・失敗が怖い(過去の失敗を引きずってしまう)
・他者と自分を比較して落ち込みやすい(劣等感を感じやすい)
・「どうせ、私には無理だろうな」と行動する前に自分を否定してしまう
・誰かに決めてもらいたい(人への依存度が強くなる)
・人のために頑張れない(自分が役に立ってると実感できない)

というような状態が多い人は、自己肯定感が低いと言えるかもしれません。

●人は1日の8割、ネガティブなことを考えている

アメリカで行われた心理学の研究によると、私たちは1日に6万回の思考を行っているそうです。
1日は24時間、1時間は60分、1分は60秒ですから、
私たちの1日は、

60秒×60分×24時間=86,400秒

そのうち6万回も何かしら考えているだとしたら、仮に「1秒に1回」だとすると、それだけで16時間以上!

私たちの思考は、毎日とっても忙しいようです。

もちろんその思考の中身は、「喉乾いた」「お腹空いた」というものもあれば、「自分はダメだ」「こんな私は嫌われる」というようなものもあるでしょう。
とっさに浮かぶもの自体に、「いい思考」「悪い思考」はありませんから、本能的なことも、ポジティブなこともネガティブなことも、次々とぽんぽん浮かんでいるのでしょう。

そして、この6万回の思考の内訳ですが、

95%(約57,000回)は「昨日と同じこと」について考えている
80%(約48,000回)は「ネガティブ」なことについて考えている

のだそうです。
面白い結果ですよね。

95%は「昨日」と変わらないことを考えている。ということは、言い換えると、

<<私たちは、「今」と「未来」に関しては、
  【5%】しか考えられていない>>

ということです。
そして、85%は「ネガティブ」なことを考えている。ということは、

<<私たちは「ポジティブ」なことは、
  【15%】しか考えられていない>>

ということです。
こうやって数字で見てみると、私たちの思考は、

<<「後ろ向き」で「ネガティブ」が標準>>

にできているようです。

私たちが「昨日と同じこと」を考える傾向が強いのは、”恒常性機能”という働きで説明できます。
私たちの体温が外の気温に関わらず一定に保たれるのもこの恒常性のおかげなのですが、それは体の機能だけではなく、思考も同じと言えます。

本能的な意味では「昨日は安全だった(生き延びることができた)」から、今日も昨日と同じようにすると、生き残れる可能性が高いですよね?
そうすると私たちの行動パターンもいきなり大きく変更すると、安全性が減るように感じる訳です。
そのため、「今までと同じで居続けよう」というのは、身を守る、命を守るためにはとても有効だったりする訳です。
それは思考パターンも同じで、新しいことを始めてもなぜか3日坊主になってしまうのも、この性質が原因だったりします。

「ネガティブ」思考なのも上記と同じで、その性質が悪いわけではありません。
・もし○○になったらどうしよう?
・最悪××になるかも!?
うまく行かないかもしれない、安全ではないかもしれない、という思考は、私たちを失敗や危険から遠ざけ、身を守ってくれるのに役立ちます。
リスク管理はとても大切なことです。

なので、「昨日と同じであること」「ネガティブであること」自体は何も悪くないのです。
そうした思考が浮かびやすい自分がいたとしても、それは何もマイナスなことではありません。

もしここで私たちがしんどくなってしまうことがあったとするならば、
私たちはこの「昨日と同じで変化のない私」「ネガティブな私」に対して、

「この私がダメなのだ」と自分で嫌ってしまったり、
「こんな私には価値がない」と自分で自分の価値を下げてしまうからなのかもしれません。

まずは、

なんだ、私だけではなく、みーんな80%はネガティブなことを考えるようになっているのね。

と知識として知っておきましょう。

その上で、
自分の思考パターンを知り、
自分のことを自分で責めない、
自分の価値を自分で奪ってしまわない、
自分の可能性を自分で潰してしまわない。

それが自己肯定感を下げる、負のサイクルから抜け出る1歩になります。

「みんな80%ネガティブ思考ははずなのに、
他の人はちゃんと出来てるし変化しているではないか!」
そんな風に焦ってしまうあなたにこそ、必要なことです。

まずは6万回はカウントできなくても、日常で自分がどのくらい
・自分を責めたりダメ出しをしているか?
・自分の価値を「どうせ私はこんなもん」と決めているか?
・「どうせ私には無理」と可能性を否定しているか?
をカウントしてみるといいかもしれません。

その自分を「いい」「悪い」ではなく、
「なるほど、こういう思考を自分は持ちやすいのだな」
「これが無意識でずっと続いているとしたら、それはしんどかっただろうな」
と少し自分に優しくできるかもしれませんよ。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

成井 裕美

恋愛、対人関係、自己啓発、ヴィジョン、ビジネス心理を得意とし、”少しでも楽に・簡単に・シンプルに”をモットーに、分かりやすい心理分析と日常的に無理なく取り組める提案を行っている。 その人本来の輝きや、問題の先にあるヴィジョン(幸せな未来や才能)を引き出すカウンセリングが好評である。