セルフマネジメントのススメ(6)~1+1を3以上にするコミュニケーション〜

今の時代、多くの組織や会社では、社員やメンバーが不満を感じているようです。

それはやり方や方向性の違いであったり、望む仕事ができないことへのフラストレーションだったり、やりがいの薄さであったり。

そんな中で「評価されない」「感謝されない」「チャンスがもらえない」と息苦しさや不自由さを感じ、
その期間が長ければ長いほど「どうせ頑張るだけ無駄だ」と諦めてしまったり、
「もっと自分を活かしてくれるところはないだろうか?」と転職や配置換えという、
”環境を変える”
ことでなんとかこの息苦しさや不自由さを打破しようとすることも多いようです。

このなんとも息苦しい閉塞感を抜ける鍵として、「セルフマネジメントのススメ」と題してシリーズお届けしています。

○これまでのシリーズ
セルフマネジメントのススメ~自分の価値を活かす~
セルフマネジメントのススメ(2)~すべては自分の見方次第~
セルフマネジメントのススメ(3)~終わりを思い描く~
セルフマネジメントのススメ(4)~「豊かさマインド」を育てる~
セルフマネジメントのススメ(5)〜相手を理解することが自分を理解してもらう近道〜
 

今ご覧いただいている「ビジネス心理学」のコンテンツ内で、私は過去に「リーダーが部下を育てるには?」と言う視点で、”他者の成長をサポートするための記事”をいくつか書いてきましたが、
この「セルフマネジメントのススメ」のシリーズは”自己成長”を目的とした内容をお届けしています。

前々回は相手と「Win−Win」の関係性を築くために必要な
勝ち負け以外の“全員が納得し、満足できる方法は十分にある”という新しい価値観である「豊かさマインド」のお話、
そして前回は『「Win−Win」の関係性を築くためのコミュニケーション』についてお話をしました。

今回はその続きとなる、【”相乗効果”を生むコミュニケーション】についてのお話です。
 

●「妥協」の罠

私たちが何か新しい案を生み出そうとしたり、お互いの価値観や視点、意見の違いを摺り合わせしようとする時、陥りやすいものの1つに「妥協」があります。

しかし「妥協」は残念ながら相乗効果と呼べるものではありません。

なぜなら、「私の案(A)」と「あなたの案(B)」。
妥協とは、そのA・B両方の案の中でお互いに合意できる部分を落とし所することが多いからです。

「まぁ、仕方がないか」「このあたりが妥当でしょう」と妥協点を探る段階で、見いだせる選択肢がかなり狭まってしまいます。
そのため、得られる成果は、お互いが当初頭に描いてた望むものからは、ほど遠いものになってしまい、A・B両方の案以上のものが生まれてきません。

それぞれの違いや強みを相殺してしまうため、結果として「妥協は1+1が1以下になってしまうようなコミュニケーション」となるのです。

私たちが「交渉」と呼んでいるコミュニケーションの目的の多くも、この「妥協」を目指たものが少なくありません。
 

●1+1を3以上にするコミュニケーション

“相乗効果”とは、「1+1を3以上にする」ということです。

「私の案(A)」や「あなたの案(B)」の中からだけ答えを探すわけではなく、全く新しい「第3の案」を求めるということです。

どちらかが心のどこかで「負けた」「損した」「我慢した」「合わせた」と感じることなく、お互いに満足できるようなもっとよい道(解決策)を見出そうとすることが”相乗効果”なのです。
 

例えばオーケストラやバンド、コーラスでは1人1人の力を合わせることよって、
より素晴らしく、より大きなパワーを発揮します。
楽器の音色や音程の違いなど、それぞれのパートの特色が違えば違うほど、より音に厚みが出ますよね?

そしてまた、そのセッションでの達成感や充実感は、1人で演奏した時よりも、より大きな感動となってあなたの心に刻まれることでしょう。
この感動も”相乗効果”の偉大な側面です。
 

またこれはチームプレーのスポーツもそうです。
野球やサッカー、バスケットボールにバレーボールなど、あらゆる団体スポーツでは、
選手1人1人がしっかりとした役割をもち、その中で自分自身を最大限に高めて力を合わせることで、より強く・大きな力を発揮します。

もちろん個人競技のスポーツでも、この”相乗効果”は十二分に発揮されています。
団体戦と違い、一緒にはフィールドに立っていないだけで、
その選手にはコーチや良きライバルがいて、
そして家族がいて、応援するサポーターやファンがいて、
そのスポーツを開催するにあたり、会場を整備する人や道具を準備する人など、
それぞれがそれぞれのベストを尽くすことで、より高みにたどり着けることも多いでしょう。

このように、私たちの日常には、多くの”相乗効果”が生まれているのです。
 

組織の中で「リーダー」と呼ばれる人の役割とは、まさしくこの「第3の案」に導くことにあります。
メンバーそれぞれの能力を最大限に引き出し、発揮させ、
個々の能力の和を超える「チームとしての力」を導くこと。
それが今の時代の組織の中で、最も求められている能力と言えるでしょう。

そしてリーダーでない私たちは、ただただリーダーに引き出してもらえるのを待つのではなく、
自分自身の個性や強みを磨き、自分とは違う意見や視点と出会ったときに、
この”相乗効果”を発揮できる自分になっておく準備をすることが必要です。

“相乗効果”を仕事だけでなく、普段の生活に意識的に取り入れることができれば、
どれほど私たちの人生や生活は変化し、充実することでしょう。
 

●「違いがある」を認めることがスタート

私たちは自分の価値観や世界観に当てはまらないものに関しては、
つい否定的になってしまったり、排他的な反応をしてしまうことがあります。
 

そのため、”相乗効果”を発揮するための最初のステップは

【相違点を認め、尊重すること】

です。
 

意見や視点が全く同じ2人ならば、極端な話、それは1人でもいいのです。
そこでは2人でも1人でも、それ以上のものは生まれません。

また、意見が全く異なる2人がいたとしても、
それぞれがお互いに協力する意欲がない(お互いが自分の意見のみを優先したい)場合も、
この2人の間では”相乗効果”は生まれません。
 

自分と相手の違いを素直に認めて、
相手の「長所」から学ぼうとする意識を持つこと。
相手がそう主張する「理由」を理解しようという意欲を持つこと。
 

最初からうまくいくかどうか?と結果で自分の成果を判断するのではなく、
まずはあなたが、上にある「違いから学ぶ意識」と「相手を理解する意欲」を”持つ”ことから始める。

それが【相違点を認め、尊重すること】に繋がりますよ。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

成井 裕美

恋愛、対人関係、自己啓発、ヴィジョン、ビジネス心理を得意とし、”少しでも楽に・簡単に・シンプルに”をモットーに、分かりやすい心理分析と日常的に無理なく取り組める提案を行っている。 その人本来の輝きや、問題の先にあるヴィジョン(幸せな未来や才能)を引き出すカウンセリングが好評である。