セルフマネジメントのススメ(8)~刺激と反応の間にスペースをあける~

今の時代、多くの組織や会社では、社員やメンバーが不満を感じているようです。

それはやり方や方向性の違いであったり、望む仕事ができないことへのフラストレーションだったり、やりがいの薄さであったり。

そんな中で「評価されない」「感謝されない」「チャンスがもらえない」と息苦しさや不自由さを感じ、
その期間が長ければ長いほど「どうせ頑張るだけ無駄だ」と諦めてしまったり、
「もっと自分を活かしてくれるところはないだろうか?」と転職や配置換えという、
”環境を変える”
ことでなんとかこの息苦しさや不自由さを打破しようとすることも多いようです。

このなんとも息苦しい閉塞感を抜ける鍵として、「セルフマネジメントのススメ」と題してシリーズお届けしています。

○これまでのシリーズ
・セルフマネジメントのススメ~自分の価値を活かす~
・セルフマネジメントのススメ(2)~すべては自分の見方次第~
・セルフマネジメントのススメ(3)~終わりを思い描く~
・セルフマネジメントのススメ(4)~「豊かさマインド」を育てる~
・セルフマネジメントのススメ(5)〜相手を理解することが自分を理解してもらう近道〜
・セルフマネジメントのススメ(6)~1+1を3以上にするコミュニケーション〜
・セルフマネジメントのススメ(7)~見せかけではない自分を磨く〜

今ご覧いただいている「ビジネス心理学」のコンテンツ内で、私は過去に「リーダーが部下を育てるには?」と言う視点で、”他者の成長をサポートするための記事”をいくつか書いてきましたが、この「セルフマネジメントのススメ」のシリーズは”自己成長”を目的とした内容をお届けしています。

●刺激と反応の間には”選択の自由”がある

以前、「セルフマネジメントのススメ(2)~すべては自分の見方次第~」の中で

<私が変われば、世界は変わる>

という言葉を紹介しました。

私達は良くも悪くも、世の中の物事に関して、すべて「自分」を基準にして判断しています。
自身の過去の経験や知識を参照して判断したり、その時々の自分の信念や気分、感情という、自分の”内側”に影響を受けながら、自分の”外側”の世界を見ているのです。

だからこそ、<自分が見たいように見ている>という考え方をもとに、世界を見つめ直すことは、”自己成長”にとってとても有効だというお話でした。

今日のお話はその発展形とも言える、『私たちが刺激を受けて反応する間には “選択の自由”がある』というお話です。

ここで使われる「刺激」とは、
自分以外のすべての人の言動や、自然現象、社会のルールや世間など、外部から入ってくる全ての情報のことです。
思いっきり平たくいえば、”出来事”です。

そして「反応」とは、それに対する”自分の感情や行動”と考えてください。

・主体性のある行動をとれる人になるのか?
・それとも他人や出来事に振り回されてしまうのか?

その大きな違いは、「刺激」と「反応」の間に”スペース”があるかどうか?と言い換える事ができます。
 

「つい感情的に行動してしまって、後で後悔してしまう」というようなご相談はカウンセリングの中でも職場の対人関係だけでなく、子育てやパートナーシップなどあらゆるご相談で出てきますが、感情的に反応してしまうような時には、「刺激」と「反応」の間のスペースがほとんどない状態であると言えます。

・刺激(出来事)→反応(行動)
・刺激(出来事)→(スペース:選択の自由)→反応(行動)

そして多くの場合、反応的に行動してしまう人は、「刺激に対する反応を自分で選んでいる」という自覚はほとんどありません。

例えば誰かのミスによって、イライラしてしまう場合には、
「相手から嫌な思いをさせられたんだから、怒って当たり前だ!」
「別に好き好んで怒っているわけではない。相手が自分に対して不快な気持ちを与えたから注意しているのだ」
という風に考えてしまっていることが多いのではないかと思います。

それは、この刺激から生まれた自分の反応(感情)に関して、
【相手が対応してくれない限りは、自分では解決できない】という思い込みから生まれます。

そこでは、自分にはまるで力がなく、自分以外の要因にがんじがらめに制限されてしまっているような感覚を持ちやすくなります。

少し例を上げてみると、

「あいつは本当に頭にくる」
→自分の責任ではない。自分ではコントロールできない相手の言動に、自分の感情が支配されている

「時間がないからできない」
→時間という制限に、自分がコントロールされている

「また○○をやらなくちゃいけない」
→状況や他者によって、自分の行動が強要されている。自分には選択の自由がない

「上司がもっと優しかったら、職場の雰囲気が良くなるのに」
→他者の行動が、自分の環境や幸福を制限している

「私ははそういう人間なんだ。生まれたときからずっとこうだっだし、これからもきっと変わらない」
→自分の人生は最初から決定付けられている。だから自分には何もできない

●スペースの分だけ、私たちは成長できる

外からの刺激(出来事)に対して、どう反応(行動)するのか?

この”選択の自由”が他でもない、自分自身にあることを意識するようになると、自然と
「自分が変わることで、自分の影響力が強まり、周囲が変わり始める」
ということを実感しやすくなります。

それは、自分の人生を創造していくことにも繋がります。
 

例えば、上司の指示という「刺激」に対する「反応」についてスペースを空けて思考できない人は,

・上司から指示された【刺激】

・上司命令だから(とりあえず/仕方なく)やる【反応】

という短絡的な反応になります。
 

これに対して,”選択の自由”を意識する習慣が身についている人(主体的な人)は、

・上司から指示された【刺激】

・上司がこの指示をした意図(目的)はなんだろう?

・もしかすると○○という成果のためかもしれない

・どうすれば成果につながるのか?

・指示された通りにするのが最も効果的だろうか?もっと良い方法はないだろうか?

・××という選択肢もアリかもしれない!上司に相談(提案)してみよう【反応】

というように,「刺激」と「反応」の間にスペースを空けることができ、そのスペースの分だけ、選択の自由が生まれ、あなた自身の成長にも繋がります。
そして、その結果として周りの人との信頼関係が厚くなっていくのです。
 

最初からいきなりは、うまくいかなくても問題ありません。
まずは普段から「刺激」に対して、どのような「反応」ができるか?をシミュレーションする練習をしてみるといいかもしれませんね。

例えば職場で、普段はどんな「刺激」があなたに飛び込んでくるのでしょう?
・企画書や報告書の提出締め切りなのか?
・お客さまからの問い合わせなのか?
・上司からの何らかのお小言なのか?

そして、いつもだったらその「刺激」に対して、あなたがどんな「反応」をしているか?について考えてみましょう。

もし”スペース”を設けると、どのような「反応」が可能になるでしょうか?
 

過去に実際にあった出来事をもう1度振り返って見るのも効果的ですね。
こうしてスペースを設けるトレーニングを積んでおくと、将来同じような「刺激」がやってきた時に、新しい行動を選択することができるようになりますよ。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

成井 裕美

恋愛、対人関係、自己啓発、ヴィジョン、ビジネス心理を得意とし、”少しでも楽に・簡単に・シンプルに”をモットーに、分かりやすい心理分析と日常的に無理なく取り組める提案を行っている。 その人本来の輝きや、問題の先にあるヴィジョン(幸せな未来や才能)を引き出すカウンセリングが好評である。