自分の意見を我慢しすぎたり主張しすぎたりします。

相談者名
胡麻
こんにちは。40代女性です。
自分の気持ちを言葉にするのがとても苦手で、人と会ったり大勢が集まる場所に行った後などかなり消耗します。
普段は、「我慢しなければ」「ここでハッキリものを言ってはだめだ」と自分を抑える傾向があります。
その場では自分でも納得していますが、その我慢によって結果的に望んだ状況や必要なものが手に入っていないと気づき、後で後悔し腹立たしくなりします。
人にお願いしたり、自分の発言がその場の状況を変えることに無意識に恐怖を感じているのだと思います。
しかし、海外滞在経験があるせいか、職場では「自己主張が強すぎる」と言われることもあります。
(男性中心の職場、他の女性はほとんど意見しない)

人と異なる意見を言って仲違いしたり対立することも怖いです。
意見して受け入れられないかもしれないことも怖いです。
また、主張して変な目で見られたりするのではという恐怖もあります。
あと、大げさに言うと、話し相手の意見には、こちらは意見も言わず従わなければならないと無意識の構えがあるような気もします。
安心できる場所や元クラスメートなど付き合いの長い友人にはそういうことは少ないのですが、付き合いが浅かったり年上だったり、相手の態度が堂々としていたりすると萎縮します。
思い返すと両親との関係性も似ていました。
ゆっくり話を聞いてもらった記憶がなく、何かと口論の多い家庭でした。
例えば、習い事をしたいと言うと「お前には無理だ」「お金がない」などと頭ごなしに言われ、具体的にどのような内容なのか、費用はいくらかなど聞かれず、静かに話し合ったことがほとんどありません。
親が話を聞くまで、こちらが泣き叫んだり怒鳴ったりしたこともあります。
それでやっと例えば家の修繕があるから数ヶ月は無理だとか具体的な話が出てくるのです。
はじめに説明されれば理解できることです。
大人になってもそれはあまり変わらず、些細なことでも口論になります。
話しかけても初めの一言二言は無視されることが多く、家を出た後「こんなことでも他の人は返事してくれるのか」と感激したことも何度かありました。
「自分の感情や考えを言葉で相手に伝えてもいい」ということはどうやったら身につけられるのでしょうか。

カウンセラー
大谷常緑
胡麻さん はじめまして。
ご相談を担当させていただく大谷です。
宜しくお願いします。

人間関係や人とのコミュニケーションは難しいものですね。
人それぞれに生い立ちがあって、人それぞれに観念やルールがあって、人それぞれに立場があって、人それぞれにコミュニケーションのやり方が異なります。
また、広い意味での利害関係の対立もありますね。
従って、人の中で生きていく以上、何らかの摩擦は生じる訳です。

コミュニケーションについて考えると、コミュニケーションすること自体や人との関係やその結果について何らかの怖れがあるとき、人はコミュニケーションをうまくとることができません。
例えば、怖そうなその筋の人とコミュニケーションを取ろうと思っても、何かされるのではないかとうまくコミュニケーションをとることができませんね。
足はガタガタ震え、言葉に詰まり、言いたい事を言わない方がいいのではないかと迷いながらか細い震える声で正常に話をすることはできません。
あるいは、勇気をもって言おうとすると「エイヤッ」と勢いをつけて、逆にどぎつい言い方になってしまうかもしれませんね。
それと同じ状態が生じていると考えてください。

すなわち、胡麻さんが今まで経験されたことから抱いている怖れが上手なコミュニケーションを阻んでいるのです。
先ずは怖れを取り除く必要があるのですが、怖れは外からやって来るのではなくて、実は自分の内側に潜んでいます。
怖れの正体は、「考える癖」から来ます。子供の頃、人の気持ちを慮り、理解しようとし、相手を傷つけたくない、自分も傷つきたくないと考えてきたことが、習慣になって、ついつい考えていますのです。
怖れがある状態と言うのは怖いことがまだ起こっていない時に頭の中で「あんな風になるのではないか」「あんなことが起こるのではないか」と思っている時です。
例えば、目の前にひょっこりとライオンが現れたとすると「襲われる」「怪我をする」「痛いだろうな」と怖れを感じますが、実際にライオンが襲い終わった時には「襲われる」という怖れは感じませんね。
この起こる事をシミュレーションしてしまうことが、即ち「考えている」ことなのです。

私達が考えていいことは、自分で決められる事のみです。
例えば、今日は何を食べる、どんな服を着ていくなどです。
自分で決められない事、例えば「明日は地震が起こるかな」「あの人は私のことをどう思っているのかな」などは、考えても自分で決められないので、考えるほどに悪い方向へと考えが進んで行ってしまい、怖れのみが強化されます。
自分で考えて結論が出せないことは、考えないようにしましょう。
それが怖れを緩めていく方法の1つです。
具体的な方法としては考始めたら「〜と思った。(マル)」と考えの深みにはまらない様にしてください。
「あの人は私のことをどう思っているかな、と思った。」という具合です。

また、怖れはそれを乗り越えると慣れる事ができます。
心理学的な手法の一つである認知行動療法の一つに暴露療法という方法がありますが、これは徐々に(もしくは急激に)怖れを乗り越える経験をして、怖れを感じなくする方法です。
例えば、高所恐怖症の人を高い所に登らせ、何も起こらない事を体験させるのです。
徐々にで結構ですので、怖れを乗り越える体験にチャレンジしてみてください。
勇気がいりますが、徐々に怖れが軽くなっていきます。

さて、内面的な胡麻さんの当面の課題は、自己肯定感を高めることです。
怖れの別の側面は、自己攻撃にあります。
自己攻撃は自己肯定感を低めます。
即ち、自信を持てなくします。
そうすると、例えそうではなくとも「誰かから攻撃されるような自分」を感じてしまいます。
自己否定が強い分だけ他人からも否定されると思うのですね。
自己肯定感を上げる方法としては、例え何かうまくいかなくても「これでいいのだ」「なるようになるさ」と思うことです。
この習慣を付けられることをお勧めします。
併せて、ハードルを低くして自分の良い所を認めて行かれる事です。

当面は以上からスタートしていただければいいと思いますが、最終的にはご両親やご自分自身を本当の意味で許すことが課題になります。
換言すれば、人間を神様のように捉えるのではなく、単なる人間としていかに理解していくかということになります。
私たち人間は不完全です。
それを認めることです。

全てのプロセスについてですが、お一人で進まれるのはかなり厳しいのではないかと推察されます。
ぜひ、電話カウンセリングをご利用になって、カウンセラーと一緒に前進されることをお勧めします。
より楽な、より楽しい人生を歩まれる事を願っています。
ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

大谷 常緑

恋愛や夫婦間の問題、家族関係、対人関係、自己変革、ビジネスや転職、お金に関する問題などあらゆるジャンルを得意とする。 どんなご相談にも全力投球で臨み、理論的側面と感覚的側面を駆使し、また豊富な社会経験をベースとして分かりやすく優しい語り口で問題解決へと導く。日本心理学会認定心理士。