母親に会いたくないです

相談者名
M
30代女性です。

4年前に結婚することになりましたが母親から「まだ若すぎる」と一旦反対されました。結婚の話を進める際、母親の気に障らないようにと気を遣いながら結婚式や両家の顔合わせの準備をしていたつもりだったのに、いざ両家の顔合わせをしたら、翌朝「やり方が気に入らなかった」と電話でものすごい剣幕でわめかれました。
その後、彼の浮気が発覚し、母親にも彼にも頼れなくなり、友人宅へ家出し、けれども復縁を試みましたが、結局、結婚は取りやめになりました。
もちろん浮気した彼が一番悪いとは思いますが、私はそれまでに母親が見せた数々のヒステリックな姿に参ってしまい、また、なのに最後の方は復縁を応援したり、散々反対したりしたのに「好きなようにしたらいい」と言って来たり、母親の無意識な部分での「矛盾」が許せず、実家に近づくことができなくなってしまいました。

今は再び別の男性とお付き合いをし、結婚を考えるようになったのですが、その男性から「親子関係が悪いのは好ましくないし、今、それを乗り越えないと、自分たちとその子供とも仲にも影響する気がするから、仲直りをしてきてから結婚を考えたい」と言われてしまいました。
私には仲直りをしないつもりはなく、でもそのきっかけや積極的動機がなかっただけだと思います。彼と結婚したいという気持ちがあっても、それですぐに母親に対する嫌悪感が消えるわけではなく、解決方法が見当たりません。
母親も母親で、私が実家に一切足を踏み入れない状況から、私が実家を避けたい何らかの気持ちを抱いていることはうすうす気付いているのに、私から決定的な何かを言われるのが怖いのか、年に2-3度手紙や食べ物を送ってきて機嫌を伺うだけで、解決を試みようとはしてきません。

いったい、私は彼や母親と、どういう接し方をすればいいのでしょうか。
母親とすぐに仲良くなるのは到底無理のように思え、なので彼との結婚を諦め仕事を生きがいにしていく、という極端な選択肢しか思いつかず、本当に破滅的な自分が嫌になります。

本来であれば、あと何年もかけて家族のことを解決し、それから結婚すればいいのでしょうが、あと何年も待ったら子供が産めなくなるのではないかと、それも心配です。
前向きになれる考え方を教えてもらえたらと思います。

カウンセラー
井上真由美
Mさん、こんにちは。
今回のご相談を担当します、井上真由美と申します。
よろしくお願いします。

結婚という人生で大きな喜びを感じるはずの時期に、お母さんから理解のない対応や身勝手な矛盾を押し付けられたのですね。
> 母親の気に障らないようにと気を遣いながら
と書かれているように、Mさん自身はできるだけお母さんのことを尊重しようとしたのに、そんな対応をされては、本当にお母さんとの関係に疲れ、嫌悪感を持ってしまいますね。

そして、せっかく再び結婚したいと思える男性ができたのに、お母さんとのことでまた難しい状況に陥ろうとしている・・・つらいですね。
どうぞ一緒に、どうすればMさんの幸せへの道を打開できるか、考えていきましょうね。

それでは、私の感じた事をお伝えしますね。
私は、ご相談内容を拝見して、考えるべき大事なポイントが2つあるのではないかと感じました。
それは、お母さんとの関係と、彼との関係です。

まずは、お母さんとの関係ですが、私は、Mさん自身が
> 私には仲直りをしないつもりはなく、でもそのきっかけや積極的動機がなかっただけだと思います。
と書かれているように、
Mさんの中でも、お母さんとの仲を修復したいという気持ちがあるのだと思いました。
しかしながら、簡単に嫌悪感が消えるわけでもありませんよね。
お母さんのことを思って一生懸命結婚の準備を進めてきたのに、お母さんは自己中心的なことばかりだった。
お母さんのヒステリックな言動に、どれだけ自分は振り回され、追い詰められていたことか。
自分が傷ついて支えが必要な時なのに、お母さんは自分をわかってくれなかった。
お母さんは逃げてばかり。
そんな気持ちもあるのかもしれません。

その気持ちはMさんの心の声ですから、否定する必要はありませんよ。
ただ、そのままだと一向にお母さんとの距離を縮めることもできないですから、まずはその気持ちを持ったまま、お母さんのことを理解してみる、ということにも挑戦してみてほしいと思います。

なぜ、お母さんは「まだ若すぎる」と4年前の結婚を反対されたのでしょうか。4年前というと、少なくともMさんは20代後半ですね。結婚する年齢として若すぎることはないと思うのですが、一体お母さんの中で、何が不安だったのでしょうか。Mさんの結婚にどんなネガティブな要因があると判断されたのでしょうか。

「やり方が気に入らなかった」ことで、お母さんは何を気にされていたのでしょうか。
ヒステリーというのは、概ね余裕がない状態のときに起こります。お母さんは何を焦ったり、信頼できなかったりしたのでしょうか。

そして、反対していたはずの彼との結婚なのに、Mさんの復縁を応援したのは、なぜでしょうか。Mさんの不幸を願って、ということはありませんよね。それでは、逆にMさんが復縁したほうがいいと思われたのは、何を考えてのことだったのでしょう。

それから、「好きなようにしたらいい」と言ったり、二転三転するようなことを言ったのは、お母さんの中でどんな気持ちの変化があったのでしょうか。
投げ出したいような複雑な状態だったのでしょうか。それともお母さん自身、どうすればいいのかわからず揺れていたのでしょうか。

そして、そもそもお母さんは、Mさんの幸せについて、どのように思っていたのでしょうね。

私は、少なくとも、お母さんはお母さんなりにMさんの幸せを望んでいたのだと思います。
それは確かに自分勝手なやり方で、Mさんを苦しめるような稚拙な結果を引き起こしたと思いますが、お母さんなりに、揺れて揺れて、その時その時に『よい』と思ったことしかできなかったのではないかと思います。
そして、今となっては、Mさんとの母娘関係さえ、どうすればいいのかわからないのではないでしょうか。

ですから、ほんの少し、「どうしていいかわからないお母さん」にヒントをあげてみてはどうでしょうか。
それは、「これ以上は、お母さんが心配していっぱい口出ししなくても、私はもう子供じゃないから大丈夫だよ」「お母さんと私のお互いが気持ちのいい距離はここだよ」という感じ。

ただし、これらは、あくまでお母さんを理解することで、Mさん自身の心のわだかまりを軽くするためのものです。
理解はできても、お母さんを許せない。自分から手を差し伸べるのは難しいと思われるなら、無理に許さなければいけないなどと、思わないでください。
許せない自分も許してあげてください。
そして許したいけど許せないという葛藤の下に、何があるのか。
よかったら、カウンセリングの中で見ていきましょうね。

ですから、お母さんとの関係が修復されるかどうかという結果はどうあれ、Mさんがお母さんとの関係に改めて向き合ってみるということは、私はとても意義あることかと思います。
それがもし、やはりお母さんとは関係性を修復できないという結果になったとしても、Mさんの中で、傷ついた過去を乗り越える努力や人を理解しようとする深さは、必ずこれからの人生でプラスになっていくでしょうからね。

さて、もう1つのポイントである『彼とのこと』ですが、私がなぜ 彼とのことも重要になってくるとお伝えしたかというと、Mさんがお母さんとの関係修復を一生懸命試みたという結果を彼がどうとらえるのか、ということなのです。

正直、お母さんとの関係修復は時間がかかるでしょう。
でもMさんは、葛藤の中でものすごいエネルギーを使って、それに向き合われるわけです。

そのことを、彼はどのように受け止めるのでしょうか。
> 親子関係が悪いのは好ましくないし、今、それを乗り越えないと、自分たちとその子供とも仲にも影響する気がするから、仲直りをしてきてから結婚を考え
> たい
というのは彼の大事な価値感なのでしょうが、やはり人はそれぞれどうにもできないような難しい事情を抱えて生きているものです。
そこに対する彼の理解はどうなっているのでしょうか。おそらくこの先、Mさんには彼の支えや労わりが必要になってくるでしょう。
夫婦になる、二人で人生を歩んでいくということは、お互いの喜びや幸せとともに苦しみや悲しみも支え合い、向き合っていくということですからね。

これから本当の意味で夫婦になっていく一歩として、私は、彼と心の深い部分をコミュニケーションしていく、ということをおすすめしたいと思います。

もちろん、難しければカウンセラーにも頼ってくださいね。
一緒に考えていきましょう。

ご相談ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

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