父が転勤族で、人の目を気にするようになってしまった

相談者名
私は高校3年生の女です。今、普通制の高校に通っています。私には両親もいるし、家が貧乏というわけでもないし、病気とか障害も持っていません。親は私にすごく理解があるし、相談にも乗ってくれます。とても恵まれているんです。家の環境から見れば、本当に私の望むものは何もありません。
だけど、私には悪い癖があるんです。それは、人の目を気にしすぎるということ。臆病であること。「普通」になれない、ということ。
父親の仕事の関係で私の家は転勤族です。今に至るまで合計5回してきてます。本当は転校なんて怖かったけど、父親一人を単身赴任なんて可哀相だったし、私もそうさせるのが嫌でした。だから本当は転校が嫌でも、「私、転校するの好きだから全然いいよ」と、心配かけさせることは言いませんでした。実際、見知らぬ土地に行く好奇心はあったし。
でもやっぱり全く知らない人の中にぽつんと一人入っていくのはとても勇気が要りました。だけど私はもとは結構騒ぐのが好きなほうで、積極的に友達作りをしたり遊んだりして、小学や中学の頃は「クラスの人はみんな友達!」という程溶け込めていたものでした。
だけど、それは高校に入ってから雰囲気が変わってきました。何て言うか、やっぱり自分の中で進路も見え始めてきたし、「馬鹿なことばっかりしちゃいけない」という意識が出てきたんです。だからそれまでと打って変わって誰に言わせても「大人しい人」といわれるような行動になっていきました。(丁度高校に入るとき転校したし、当然誰も違和感を感じる人はいなかった。)そして高校3年に入ってから、また転校。
それは今いる高校なんですが、なんだかちょっとずつ嫌な方向になってきたんです。クラスや他のクラスの友達もつくって、ちょっと慣れ始めたかなという3ヶ月位経った頃、いつも一緒に帰ってた子が無視して先に帰っちゃうようになったんです。
もともとそんなに仲が良くもなかったし、「転校生だから面倒見てやるか」みたいな感じだったので(クラスも違ってた)、やっぱり私があんまり面白くないキャラだから嫌になったんだなと思っていました。何かかわいそうなことしちゃったな、と。
だけど、それはそのことだけでおさまりませんでした。一部のクラスの人達が私の方を見てコソコソ話をしたり、悪口を言うようになったんです。男子にまでそうされているというのはすごくショックだったし、情けない気持ちになりました。
結構話したりしてた友達も、何となく遠ざかっていきました。クラスでの友達は、そんなことないんだけど。
人を傷つけるような行動を取った覚えはないし、特にこれといって自分では思いつかない。となると、やっぱり私自身がおかしいのかな、見かけが?行動が?と考え込むようになりました。私は「普通」じゃないんだ、という意識も芽生えて。
何人かのクラスの友達にも一回相談したことがありましたが、「大丈夫だよ、気にしないほうがいいよ」と返って来るだけでした。それなのにまたしつこく相談を持ちかけても迷惑するだろうし、変に思われちゃうだろうし…。やっぱり私が気にしすぎだからかな?と整理して、他人に相談することを止めました。
私は運動も得意じゃないし、飛び抜けて何かの才能があるわけでもない。だから、努力すればちゃんと形になって返って来る「勉強」にひたすら力を入れて来ました。それは自分が他人に馬鹿にされないようにと、無意識的にしてたことなのかもしれません。最近、その努力が実ってか推薦合格が決まって、両親はもちろん祖父と祖母もお祝いの言葉をくれました。
「お前は本当に手がかからなくて、みんなを喜ばせることばかりしてくれる」って。だけど、その言葉を聞いて私は泣きそうになりました。ああ、また頑張らなきゃいけないんだな。あとどれ位傷つけば、許されるんだろう、って。大した事でもないのに、くだらないことと割り切れば済むことなのに、本当に学校に行きたくない。あの中に入っていくのが怖い。だけど登校拒否はしたくない、できるはずがない。こんなに自分を認めてくれる人たちがいるのに、こんな私の弱さのせいで裏切っちゃいけない。でも、そうなると居場所が何処にもなくなっちゃうんです。
本気じゃないけど、こんなことで笑われるかもしれないけど、死ぬこともちょっと考えたこともあります。そんな勇気もないくせに。だけどこんなんじゃいけないと、最近は自分の好きなことで頭を一杯にして、学校のことを考えられないようにしています。そうすれば、何か自由になれる気がするから。
私はもうこれからどうしたらいいかわからないです…。やっぱり我慢すればいいのかもしれない。もっともっと辛い目に合っても頑張ってる人達が大勢いるんだから。今までずっとバカみたいに幸せに生きてきてたから、ちょっと痛い目にあった方がいいのかもしれない。
…長くてゴメンなさい。でもなんかすごく楽になりました…。
カウンセラー
根本裕幸(退会)
香さん、こんばんわ。根本です。
ご相談ありがとうございました。僕たちはある意味もって生まれた環境が当たり前と思ってしまいますね。
例えば、日本語が分かるのは僕たちが日本に生まれたからで、当たり前のことのように思ってますよね。でも、アメリカに生まれた人、フランスに生まれた人にとっては英語、フランス語が当たり前になります。
ですから僕たちが当たり前と思ってることって、案外「自分にとって」と限定されてしまうものなのかもしれません。> だけど、私には悪い癖があるんです。それは、人の目を気にしすぎるということ。臆病であること。「普通」になれない、ということ。

それは辛いですよね。

> でもやっぱり全く知らない人の中にぽつんと一人入っていくのはとても勇気が要りました。

もともと騒ぐことが好きとはいえ、相当頑張ったんじゃないでしょうか。

子どもの頃に転勤を繰り返すと一般的にこんな心理が生まれます。
いい面では、新しい環境に早く慣れる順応性は高まりますし、人とすぐに仲良くなれたり、どんな人とでも話ができるなどのオープン性を比較的もてるようになります。
ただ、その一方では、毎回新しい環境に入っていくわけですから、相当勇気を振り絞り、元気になったり、頑張ったりしてしまうものです。
だって早く友達を作ってみんなと仲良くしたいって思うからね。
それがオープン性の元になるわけですが、ここに意外にストレスが溜まります。
それは無理してがんばった分だけ。

でも、若くて元気もあるので最初のうちは無理も頑張りも利くのですが、段々疲れてきたり、面倒になったりしてくることも多くあるようですね。

そして、何よりもある恐れが生まれるんです。
「次のお父さんの転勤はいつだろう?今仲良くなってもそれまでの友達になっちゃうかも・・・」と。
もちろん、転向しても前の学校でのつながりを保っていける場合もありますが、意外に少なく、感覚的に「期間限定の友達づきあい」ばかりになってしまいます。

でも、それはとても寂しいことですし、辛いことですよね。
だから、仲良くなっても別れなきゃいけないんだったら、それは辛すぎる。そこそこ仲良くしてあんまり心に痛みを残さないようにしよう、と無意識的に反応してしまうようですね。
それは人好きで、元気のいい人ほどそんな傾向にあるようです。

> だけど、それは高校に入ってから雰囲気が変わってきました。何て言うか、やっぱり自分の中で進路も見え始めてきたし、「馬鹿なことばっかりしちゃいけない」という意識が出てきたんです。

その分、香さんは大人になったのかもしれませんね・・・。
大人になる、ということは恥の感覚が生まれることでもありますから。

> いつも一緒に帰ってた子が無視して先に帰っちゃうようになったんです。

それは寂しいですね。。。

> 「お前は本当に手がかからなくて、みんなを喜ばせることばかりしてくれる」って。だけど、その言葉を聞いて私は泣きそうになりました。ああ、また頑張らなきゃいけないんだな。あとどれ位傷つけば、許されるんだろう、って。

それくらい頑張って頑張ってこられたんじゃないかな?
新しい環境になれようと頑張ったのも、お父さんやお母さんを困らせたくない気持ちも強かったんじゃないかな?
そして、学校で友達とギクシャクして勉強にばかり精を出していたとしたら、せっかく推薦入学を取ったとしても、イマイチ歓びが感じられないのかもしれませんね。

香さん自身、あまり見せないことだけど、本当は笑顔の裏で泣いている女の子、寂しがってる自分、一生懸命頑張って必死になってる自分に気付いて、認めてもらいたいんじゃないかな?
どれだけ辛い思いをしているのか、分かって欲しいんじゃないかな?

> 大した事でもないのに、くだらないことと割り切れば済むことなのに、本当に学校に行きたくない。あの中に入っていくのが怖い。だけど登校拒否はしたくない、できるはずがない。こんなに自分を認めてくれる人たちがいるのに、こんな私の弱さのせいで裏切っちゃいけない。でも、そうなると居場所が何処にもなくなっちゃうんです。

そうですね。今まで転校するたびに知らず知らずのうちに自分の居場所を確保することに必死になっていた香さんがいらしたのかもしれません。
そして、周りの人に迷惑をかけないようにたくさんたくさん我慢してることもあるんじゃないかな?って思います。

> 本気じゃないけど、こんなことで笑われるかもしれないけど、死ぬこともちょっと考えたこともあります。そんな勇気もないくせに。だけどこんなんじゃいけないと、最近は自分の好きなことで頭を一杯にして、学校のことを考えられないようにしています。そうすれば、何か自由になれる気がするから。

何か疲れてしまった感じもするかもしれませんね。
本当なら少しゆっくり心をお休みさせてあげることをお勧めしたいですね。
今日みたいに自由に話せる場所、相手が欲しいのかもしれません。

もし勇気があるのなら、卒業までに自分の素直な気持ちを大切な家族の皆に手紙で教えてあげませんか?
がんばってきたこと、辛かったこと、家族皆を愛していること、いい家族に生まれてきて私はしあわせだということ、色んな思いを手紙に託してみるといいでしょう。
それを高校の卒業記念として、家族に贈るのも素敵なことじゃないかな?

> 私はもうこれからどうしたらいいかわからないです…。やっぱり我慢すればいいのかもしれない。もっともっと辛い目に合っても頑張ってる人達が大勢いるんだから。今までずっとバカみたいに幸せに生きてきてたから、ちょっと痛い目にあった方がいいのかもしれない。

幸せを感じる分、十分辛い思いも味わっているんじゃないかな?
もっと辛い思いなんて求めなくていいと思いますよ。

> …長くてゴメンなさい。でもなんかすごく楽になりました…。

心の中に溜め込んできたものを吐き出すことはとっても心にとっていいことなんです。
また辛くなったらもう一つの掲示板に思いを書き込んでみるのもいいでしょうし、電話が使えるのならば、ボランティアのカウンセリングを利用してみるのもいいでしょう。
我慢は敵だ!と思ってもいいくらい、香さんは我慢されてますから、少しは自分を楽にしてあげること、自分の自由を求めることを始めて行きましょう。

笑顔で卒業できること、遠くから祈ってます。

ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

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