みんなにカミングアウトすべきか・・・

相談者名
ゆっき
こんにちは。21歳大学4年生の男です。僕は女の人より男の人に恋愛感情を持っています。それに気づいたのは中学生の時で、ずっと隠し続けてきました。けれど大学に入り、初めてゲイの人と会い、親友にカミングアウトしたのをきっかけに、親、家族、友達数人にも告白しました。
今までだったら、例えばゲイの人と会う時に、嘘をついて出かけなければなりませんでしたが、告白した友達の前では、楽にふるまえます。
僕はもう嘘をつきたくありません。嘘をつくたび心が痛くて仕方ありません。もちろん、社会的にも完全には認められてないし、理解できないという人もいるでしょう。
今、本当に迷っています。公にカミングアウトして生きるか。今まで通り生きるか・・・なにかアドバイスありましたら是非ともよろしくお願いします。
カウンセラー
中原謙一
ゆっきさん、はじめまして。
私は中原謙一と申します。
よろしくお願い致します。

ゆっきさんは、今いろんな苦しさでいっぱいなのでしょうね。
一つは、自分の心にウソをつかなくてはいけない苦しさや怒り。
一つは、誰からも認められないのではないか?という孤独感や罪悪感の苦しさ。
そして、もう一つは自分が社会から受け入れてもらえないのではないか?とい
う恐れ。

ゆっきさんから頂いたメールには、いろんな苦しみがいっぱい詰まっていて、
本当にゆっきさんがずっと悩まれて苦しまれている様子が目に見えるように伝
わってきました。
これまで、中学校の頃からずっと一人で悩んで苦しんで、時には『自分はおか
しいんじゃないか?』と自分を責めて、どんどん孤独感でいっぱいになった事
もあったでしょう。

メールの中でも、特にこの部分が、とてもゆっきさんの苦しさの原因を表して
いるように感じたんですよね。

> 僕はもう嘘をつきたくありません。嘘をつくたび心が痛くて仕方ありません。

ゆっきさんが、お友達にゆっきさんの本当の気持ちをお話した時やお友達は分
かってくれた時、多分ゆっきさんはこれまで自分ひとりきりで苦しんでいた孤
独感のようなものから、とても開放されて『人とつながれる自信』を感じられ
たのではないでしょうか。

でも、まだ今でも誰か心をオープンにできない人に出会った時に、これまで
抱えてきた苦しみを思い出して、ゆっきさんの心を痛めつけてしまうのかも
しれませんね。

人が嘘をつく時に、感じる感情の一つに『罪悪感』と言う感情があります。
この『罪悪感』は、どんな嘘をつく時が一番苦しいと感じると思いますか?
それは、誰にでもない『自分自身に嘘をつく時』なんですよね。

自分以外の誰かに対して、必ずしもいつもいつも『本当の事』を話す必要がな
い事は、性の問題に限らず、社会生活をしていると、時折ある出来事ですよね。
その時折で『今はこんな風に言っておいたほうが良い』と言動を選択して人と
付き合っていくのは、時によっては人とのつながりを深める事もあるんです。
『嘘も方便』という言葉が古くからあるぐらいですからね。

でも、自分自身の心に対しては、嘘をつき続けるのはとても辛い事なんですね。
それは、嘘をつく事によって自分で自分を痛めつけてしまうような事でもあり
ますからね。
なので、今でも時折心を痛めてしまうゆっきさんは、もしかしたらまだ自分自
身に対して100%カミングアウトできていないのではないでしょうか?
そんな印象をメールから感じました。

今のゆっきさんの痛みは、過去の苦しみや、自分を責め続ける気持ちがゆっき
さんの幸せを阻んで、ご自分の気持ちに100%本音でいさせない苦しさがあ
るように感じます。

それは、のびのびとした感情に、過去の痛みや苦しみの経験が『蓋』をしてし
まっているからかもしれませんね。
ですから、この『蓋』を取る事で、ゆっきさんはとても楽になれると感じるん
ですよね。

そして、ゆっきさんの本当の気持ちを公表するにせよ、しないにせよ、まずは
ゆっきさんが自分の心の中で

『自分には心から好きになれる人がいる』

と言う事に対して、『感情の蓋』を取り外し、自信と誇りを持てるようになっ
ていないと、どんな小さな事でも気になってしまって、自分の心がどんどん心
配事や恐れでいっぱいになってしまって、もっともっと苦しくなってしまう事
もあるかもしれませんよね。

人の幸せって、実は条件ではないんですよね。
幸せ、楽しさ、嬉しさ、愛しいと思う気持ち…これらは、全て『感情のお仕事』
なんです。
ですから、いくら条件が整っても、そこに幸せな感情を感じられなかったら、
自分が幸せであるとは、誰も思えないんですよね。

そこで私は、まずゆっきさん自身の『感情』が全力で『幸せだ!ああ、楽だ!』
と感じられるようになる事。これを、まず一番に提案したいと思います。

今ゆっきさんが一番大好きな人と一緒にいる時間は幸せですよね?
そして、一番大好きな人と出会えた事に感謝の気持ちを感じる事もありますよ
ね?

そこに焦点をしっかりと持って、自分の恋愛に対してまずはゆっきさんが堂々
とYES!と答えられるようになって見ることが、カミングアウトへの第一歩では
ないかと思うんです。

時には、ゆっきさんの恋愛を受け入れられない人もいるかもしれません。
でも、その人はその人なりの『恋愛観』を話しているだけなんですよね。
ゆっきさんが自分自身の恋愛に自信を持っていたら、そんな人もいるんだな、
って、自分も相手も傷つけることなく、全てを受け入れて、晴れ晴れとした気
持ちで歩いていけると思うんですよね。

世間や周囲の人と言うのは『認めてもらうもの』ではないのです。
自らのまっすぐな心と人を思う気持ちの真摯さが、周囲の人の心をも動かし、
『認めていくようになる』のです。
ゆっきさんのお友達たちがそうであったようにね。

ゆっきさん、どうぞ苦しみや罪悪感に目を向けるのではなく、大好きな人に出
会えた幸せに目を向けて、堂々と歩いていってくださいね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
ゆっきさんの人生が幸せであるための参考に、少しでもなれば幸いです。
ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

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