色々見失ってしまいました…

 

相談者名
御神輿
大学5年生の22歳男子です。就職活動を1年半続けるも結果を出せず、留年してもう一度挑戦中です。今は実家暮らしなのですが、両親は留年をむしろ勧めてくれたくらいなので助かっています。

ただ問題は、私自身の心の中というか…。色々な業界・規模の会社を100社近く受けて結果を出せないというのを引きずっているのか、今、『ここ目指して頑張りたい』とか『こんなこと好きだからやってみたい』といった、こう、湧きあがるような感情が無くなってしまっているんです。このご時世、そんなヌルイことを言っている場合じゃないとは思うのですが。

最近は、そんな自分がほとほと嫌になってしまって、家で一日鬱で過ごす日も増えています。元々友人も多くないので、人に悩みを打ち明ける、というのもしづらい状況です。親は厳しく問い詰めてくるわけではないのですが、余計に『心配掛けちゃいけない!』と私の心が空回りしている気がします。

元々、大学の専攻(国際政治)とは別に心理学やカウンセリングに関心があって、色々無料相談のコンテンツも拝見したりしていくなかで、(昔からそんなところがあったと思いますが)自己嫌悪や自己否定が強いときがあって、それが自分の感情を抑圧しているんだな、って思ってます。そんな症状への正攻法としては、「じっくり自分と向き合う時間を取って…」というのが答えだというのもなんとなくわかるんです。無料電話相談でも、思っていることを言葉にしたら?って言われました。でも、「みんな内定を取っていくのに、何をチンタラしているんだ!(怒)」というような気分になったりすることもあって、焦りや不安でおかしくなりそうです。本当は、就活は内定を取るための短距離走じゃない、って頭では分かっているのに。

もとから、面接みたいな『瞬間的に自分を出す』場が苦手でした。友人と会話したり、悩みを聴くとか、そういった『じっくり時間をかけて関係を作る』のは好きで、むしろ『頼りになる』と有難がられるくらいのですが、面接の場だと、ある種『キチンとしなくてはいけない』と思ってしまって緊張が…。
それに加えて、そもそも働きたいのかどうかすら怪しくなってきた自分に困っています。

ビジョンの欠落、みたいなことなんだな、って思います。心が立ち上がれるヒントを、何か頂けると幸いです。

カウンセラー
大谷常緑
御神輿さん、こんにちは。
初めまして。ご相談を担当させていただく大谷です。
よろしくお願いします。さて、御神輿さんは凄い!と思いました。
100社近く受けられて結果を出せていないと言われますが、僕にはとてもそん
な真似は出来ないなぁとビックリしました。
とても強い精神力をお持ちなのですね。
僕なら、せいぜい5社ぐらいで激しく落ち込み、へこんで立ち直れないかもしれ
ません。

今、一日鬱として家で過ごす日が増えているとの事ですが、当たり前の事だと思
います。
このような状態では、殆どの人がへこんで立ちあがれないのではないかと思いま
す。

このような状態ではいけないと御神輿さんは思われている様ですが、先ずは今、
自分が感じている感情を「感じてはいけない」と否定せずに、「ああ、そう感じ
ているんだ」と受け容れてみませんか?
感じることに、いいとか悪いとかは関係ありません。
そう感じるのだから、仕方ないのです。
感じることを否定して抑圧してしまうと、心の痛みをそのまま抱えた状態になる
ので、寧ろその方が状況の進展(換言すれば、御神輿さんが前に進むためのプロ
セスの進展)に悪影響を及ぼしてしまうのです。
泣きたければ泣き、「バカやロー」と叫びたければ叫んでください。
その方がいいと思います。

ただ、お分かりになっていることを敢えて書くのは恐縮ですが、感情を感じるこ
とと、感情を人にぶつけることはまた別の事です。そこはご自身を大切にする気
持ちをもって注意していただければと思います。

さて、問題を抱えたときには誰しも無力感を感じたり、絶望して未来が見えなく
なってしまうものです。
そうすると、ご相談に書かれているように、”湧きあがるような感情が無くなっ
てしまっている”というような状態になったり、”そもそも働きたいのかどうかす
ら怪しくなってきた”という様な気持ちが出てきます。
まるでゴールが見えないマラソンを一人で走っているような感じだと思います。
とても辛い状態ですね。

さて、この状態を打開するための方法を書きますので、もしよろしければ実践し
てみてください。

先ず第一番目の方法は、その日1日の出来事で、自分がよくやったこと、良くで
きたことなど良かった点を褒めてあげてください。どんな事でも構いません。
例えば、「今日は誰かに道を訊かれて教えてあげた」「誰かの相談に乗ってあげ
た」「インターネットで調べ物をした」などです。
人が問題を抱えるときには、必ず心のどこかで(顕在意識や無意識)自分のこと
を責めています。そして、自分の出来ていないところや悪いところ、迷惑を掛け
ていると思うところばかりに着目して、自分が持っている良い部分を見えなくし
てしまっているのです。
これでは、まるで自ら暗闇の中に入り込んでいくようなものですね。
このエクササイズは地味に感じられるかも知れませんが、本気で行えば確実にそ
の暗闇から自分自身を引っ張り上げる事が出来ます。

二番目の方法は、就職活動のことを一旦横に置いて(考えないようにして)、自
分が好きなことや自分に優しいことをやってみることです。
例えば、時間を忘れてのんびりと旅をしてみるのもいいと思います。
今、御神輿さんの気持ちは就職活動にのみ囚われ、焦っています。そして深刻に
なっています。
焦りというのは「早くやれ」と自分をいじめている行為ですし、深刻さは心の緊
張(怖れ)です。
諺でも「急がば回れ」と言いますが、この焦ることや深刻になる状態から自分自
身を解放することによって、御神輿さんの心は生き返ってくると思います。
とはいえ・・・そう、就職が気になることはわかります。
でも、今までと同じ事をやっていては、同じ結果の繰り返しになる可能性が非常
に高いのです。だから、敢えて今までのやり方を変えてみる必要があるのです。

さて、次に面接について少しお話しをします。
“もとから、面接みたいな『瞬間的に自分を出す』場が苦手でした。”との事です
が、僕は面接は瞬間的に自分を出すものだとは思っていないのです。それとは逆
の、「ありのままの自分を出す場所」だと思っています。
誰でも多かれ少なかれ、面接になると緊張するものなのですが、御神輿さんが緊
張されるのは、「うまくやらなければいけない」と思われるからなのです。
「うまくやらなければならない」と思われるのは、失敗する自分に信頼を置いて
いる、あるいは本当の自分はどこかで問題があると自己嫌悪の方を見ておられる
からなのです。

面接というのは、僅かな時間でその人を評価しようとしているに過ぎません。
そんな短い時間で本当にその人の事がわかるかと言えば、そんな事はあり得ない
のです。
だから面接者は何を見ているかというと、その人の持っているエネルギーを感じ
るしかないのです。
御神輿さんが持っておられるエネルギーには情熱的な大きな力があると感じます
が、これをそのまま出されればそれでいいのです。
しかし、このエネルギーをしぼませてしまっているのは、「うまくやらなければ
いけない」という御神輿さんの気持ちだと思います。
「まぁ、失敗してもいいか」ぐらいの気持ちで面接を受けられると、逆にうまく
いくのではないかと思います。

御神輿さんが、この暗闇から抜け出られる日が近いことを願っています。
回答がお役に立てれば幸甚です。
ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

恋愛や夫婦間の問題、家族関係、対人関係、自己変革、ビジネスや転職、お金に関する問題などあらゆるジャンルを得意とする。 どんなご相談にも全力投球で臨み、理論的側面と感覚的側面を駆使し、また豊富な社会経験をベースとして分かりやすく優しい語り口で問題解決へと導く。日本心理学会認定心理士。