働きたいと思えない

相談者名
そら
子供のころから大人になりたくないと思っていました。大人は大変なことばかりだと感じていました。

何よりも働くのが怖くて嫌でした。
私は何も取り柄がなく、やりたいこともなく、働いている自分を全く想像できませんでした。
大人になるといいこともあるなんて言われたりしましたが、その良いところがなんなのか全く理解できませんでした。
なぜそう感じるようになったのかわかりません。ただ、大人になるのが嫌で、働くのが怖かったんです。
私の母からいつも仕事の愚痴を聞かされていたからそう感じるようになったのかも知れませんが、母のせいではなく私の性格の問題のように思います。

でも勝手に年はとっていき、学校を卒業し、社会人となり早数年が経ちます。
やっぱり私は取り柄がなくて、仕事もできず周りに迷惑をかけてばかりです。
今までに3回転職をしましたが、仕事が楽しいと思ったことはなく、4月から働いている今の職場も辞めたくて仕方がありません。

出来るならば何もせずに家でのんびりしたいです。でも、それは出来ません。なにもしたくない反面、実際に何もしなかったら周りにどう思われるのか怖くてたまりません。

これから生きていく上で働いていくしかないのに、毎日辞めたいと思いながら働くしかないの
かと思うと、すごく悲しくなります。

どうしたら働くことに対して意欲的になれるのでしょうか?

周りから「~したほうがいい」とか言われますが、私にはできないなと思ってしまいます。
どうしたらいいのかわかりません。いつまでも大人になれていないようです。

もっと働くことを楽しめるようになりたいです。
何でもいいので何かアドバイスいただけたら嬉しいです。
めちゃくちゃな文章ですみません。

カウンセラー
大谷常緑
そらさん、初めまして。
ご相談を担当させていただく大谷です。
よろしくお願いします。さて、仕事は毎日の事ですし、1日のうちとても長い時間仕事を仕事の時間に充
てているのですから、そらさんは毎日毎日、とても辛い時間を過ごしておられる
のですね。
心が痛みます。

さて、私たちが何らかの問題を抱えるにはどんな事柄でもそれなりの理由があり
ます。
そういう意味では、お母さんの仕事の愚痴を聞かされた事で、「仕事って辛いん
だなぁ」とか「大人になると、そんな辛い思いをしなければならないんだなぁ」
などと思われたことも影響しているのではないかと推察します。
しかし、誰しもが親から仕事の愚痴を聞かされたからと言って、「仕事は辛い」
とか「大人になると大変な思いをする」と思うわけではありませんね。
そこには、その人がそう思うって達せられる”目的”があるのです。
大人になることや仕事をすることが辛いと思う事で問題を抱え、そらさんが達せ
られる目的とは一体何なのでしょうか?
ここは、人それぞれですのでご自分で「私はこの状態でどんな目的を達成しよう
としているのだろうか?」と考えてみてください。
そして「このためにこのような状況を作り出しているのだ」とその目的が見つか
ったら、その目的は自分のためになっているのかという事を考えていただき、自
分のためになっていないのであれば(苦しんでおられるという事は、おそらく役
に立っていない目的だと思います)、その目的を「私はこのために生まれてきた
のではありません」と手放してください。
そらさんは、ご相談の中で”性格”という表現をされていますが、今の状況は決し
て”性格”からそうなっているのではありません。
寧ろ、そらさんは何か大きな情熱をお持ちであり、その情熱の向け場所が無い状
態だと思います。その情熱の向け先が見つかったときには、大きな力を発揮され
ると僕は確信しています。

さて、そらさんはとても考え、自分を責めるタイプだとお見受けしました。
また、「取り柄が無くて」と書かれている点から、ご自身の価値も相当に低く感
じておられる様です。
この自分自身の見方を変えると、随分と状況が変わってくると思います。

私たちは自分以外の外の世界で起こっている事柄(対人関係であるとか、業績で
あるとか、人からの評価であるとか)を自分の心の中で認識し、それを評価しま
す。そして、それに応じて自分がとる行動を決めて外の世界と関わります。
そして、自分の行動の結果がまた外の世界から自分自身にフィードバック(還流)
されて、返ってきます。今の状況はこれが悪い循環になっているようです。
このまま、同じ事を繰り返していたとすれば、今の状況がこのまま続くか、もし
くは更に悪い状況になるかも知れません。
この循環をどこかで少し変えると、また違った状況が生まれてくるのです。
その為には、私たちが自分で変えられる部分を変えようと決めることです。
『周りから「~したほうがいい」とか言われますが、私にはできないなと思って
しまいます。』との事ですが、少し厳しい言い方になりますが、それは、そらさ
んが「変わりたくない・このままでいい」と言っていることと同じ事ではないで
しょうか?
人生を変えるのに一番必要な事は、「人生を変える」という決意と、それを決断
するための勇気です。
少し時間がかかってもいいので、ぜひ、人生を変える決意をしてみてください。
不思議なことに、本当にその決意ができた途端に、人生は変わり始めます。

さて、先にお話ししました循環を変える方法ですが、外の世界は自分自身では変
えることが出来ませんから、そらさんが変えられるのは、自分の心の中の認識と
評価、そしてそれにもとづく行動のいずれかもしくは全てという事になります。
今回、私がお薦めする方法は、
①考える癖を止める
②自分の価値を正当に評価する癖をつける
事です。
全て”癖”と表記しましたが、”癖”は練習すれば直したり、付けたりすることが出
来ます。
少し時間がかかるかも知れませんが、チャレンジしてみてください。
①の考える癖は、結論が出ないこと、例えば「明日晴れるかなぁ」から始まり、
「あの人はどう思っているんだろう?」などを考えない、という事です。もちろ
ん、考えなければならないこと、例えば計算とかは普通に考えてください。
この考える癖は、自己防衛の一種です。最悪の事を考えておいて、いざという時
にそれに対処しなければならない、もしくはそうなったときに衝撃を少なくした
いと思うので、悪い想定しかしなくなります。怖れから身を守る方法なのですね。
しかし、そんな最悪の状況は滅多に起こりえませんし、その怖れをコントロール
しようとして行動をとり、その想定を呼び込んでしまうような逆効果になること
もよくあります。
そうならないためにも、この考える癖を手放して欲しいのです。
具体的には、何か考え始めたら「~と思った。(マル)」「~と考えたま。(マ
ル)」と考えに終止符を打つ練習をしてみてください。
②の自分の価値を正当に評価するというのは、「自分を責めない」、「自分を褒
めてあげる」事です。
私たちは、自分に厳しく人に優しいものです。
例えば、自分が何か失敗したときには、とても酷い言葉を自分自身に浴びせかけ
ますが、別の人が同じ失敗をしても「そういうこともあるよね」とか「またやり
直せばいいじゃない」というように優しい言葉を掛けますね・
また、私たちは人の出来ているところを評価し、自分の出来ていない部分と比較
してしまいます。これでは、勝ち目なんてありませんね。
このような癖を直し、自分の価値を正当に評価する癖をつければ、自信が持てる
ようになってきます。
具体的には、自分を責め始めたら癖だと思って止めること、人が同じ失敗をした
ときにどんな言葉を掛けてあげるかを考え、それと同じ言葉を自分にも掛けてあ
げることです。
また、今日1日、朝から晩までの間で、自分を褒めるネタを探し、その言葉を口
に出して毎晩自分に掛けてあげることです。その褒めるネタは、どんな小さな事
でも構いません。例えば、「嫌だったけど会社に行った。自分はよく頑張ったな
ぁ」とか「片づけられていなかったあの場所の片付けに手を付けた。自分はとて
も偉いなぁ」といった感じです。

以上の事柄を始めてみられると、少し気持ちや行動に変化が現れ、状況が変わっ
てくるのではないかと思います。

以上、回答がお役に立てれば幸甚です。
ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

恋愛や夫婦間の問題、家族関係、対人関係、自己変革、ビジネスや転職、お金に関する問題などあらゆるジャンルを得意とする。 どんなご相談にも全力投球で臨み、理論的側面と感覚的側面を駆使し、また豊富な社会経験をベースとして分かりやすく優しい語り口で問題解決へと導く。日本心理学会認定心理士。