誰も体験してないことを私だけ体験しているのです

 

相談者名
さくら
初めてメールします。私は東京在住の40代後半主婦、
主人は4歳年上の54歳、共に再婚同士、個人事業主なのでそれほど裕福というわけではありません。つい先月のこと、私の娘が初めて子どもを出産して里帰りしました。私は過去ベビーシッターで年間180人、年齢は0~11歳の子どもの世話をした実績があるので、そこから得た知識を伝えていたのですが、だんだんと聞き入れなくなりました。そのきっかけになったのは、娘の親友が明日遊びに来たいといったメールを拒否してからです。二十歳過ぎた大人が直前になって「明日遊びに行きたい。あなたに会うために、四国から遙々来た。明日しか会える日はない」と言うのです。娘はまだ出産時のキズ(4度裂傷:出産時直腸まで裂ける)が治っていません。それに普通だったら実家ではなく、床上げが終わり自宅に戻ったときに呼んだらいいのに、そのほうが気兼ねなくおしゃべりできるでしょう、実家に来る理由は何だろう?と、私は考えこんでしまいました。

実は、私がまだ主人と付きあっていたころ、その娘の親友は主人の家(現在私も住んでいる場所)へ遊びに来たことがあります。娘と男友達、親友と彼4人です。親友と彼は土足でうちへ上がり食事の支度を頑なに拒み、料理のダメ出しをし、人前でキスやペッティングを始め、ふたりっきりになる部屋を貸して欲しいと要求し、浴衣がはだけて着られないので着付けて欲しいという。こんな人が親友と呼べる娘の神経が信じられません。その親友がまた無理難題を押し付けてきていると考えたら、怒って「私は親友が嫌いだ」といったことが聞き入れなくなった原因だと考えています。

しかし不思議なことにこの場面にいたにもかかわらず主人は何も覚えてなく、そんなことがあったのか?私の思い違いではないか?娘は私の頭がおかしい、考え方がおかしい、病院で見てもらったほうがいいと言います。主人に話すとカウンセリングをしてくれる病院を探し始めました。ということは私は誇大妄想なのでしょうか。ありもしないことを考えて、それに向かって起こっているだけだと主人も考えているということでしょうか。とてもショックです。まとまりのない文章で申し訳ございません。ぜひともご意見を聞かせてください。

カウンセラー
赤松わこ
さくらさん初めまして、ご相談ありがとうございます。
担当させて頂きます、赤松わこと申します。
どうぞよろしくお願いします。自分自身の記憶の中に、はっきり残っていた出来事が、
その場に一緒にいたはずの家族から、「記憶にない」と
否定されてしまったら、どれだけ驚かれたことでしょう。
さくらさんにとって、ショックと言う言葉では言い表せない、
大きな不安が湧き上がってきたのではないでしょうか?ご相談の中に書かれていた、さくらさんの記憶について
「本当にあったことなのか?自分の思い違いなのか?」
さくらさんご自身も、とても混乱されたと思います。

さくらさんが記憶されている、娘さんの親友の行動が、
本当にあったかどうか?で
、悩まれる前にまず!

【事実の確認】をして頂ければと思います。

人の記憶と言うのは、案外あいまいなものなんですよ。
事実を事実として、覚えているとは限らないんですね。
人はそれぞれ、【自分の思い込みで、事実を自分の都合のいい
ように、書き換えてしまう】ことが、しょっちゅうあるんです。
そのため複数の人間が同じ場所で、一緒に経験したことも、
それそれの人の”思い込み”によって、全く違った出来事に
なってしまう、と言うことが起きうるんです。

ですから当時一緒におられたご主人が、「何も覚えていない」
からといって、「何もなかった」とも言い切れませんし、逆に
何らかの要因でさくらさんの”思い込み”が、とてもお強かった
場合には、
事実とは異なる記憶が残ることも、考えられると
言うことなんですね。このような場合ご本人が、意識的に記憶を
改ざん(違う記憶に書き換える)しているのではありませんから、
「どうしてこうなったんだろう???」と言った、混乱が起きる
こともある訳です。

以上のことを踏まえた上で、【事実の確認】をしてみて下さい。
1)現在さくらさんが住んでおられる家に、さくらさんが再婚される
前に、娘さんと娘さんの親友が実際訪れたかどうか?
2)その時一緒に、娘さんの男友達親友の彼が一緒にいたかどうか?

この2点は、ご主人にも娘さんにも確認できると思います。

<ケースA>
この時点で、ご主人娘さん共に確認して、「そんな事実はなかった」

と言うことなら、別の場所、別の出来事と混同している可能性があり、
覚えておられる記憶自体を、見直す必要があると判断出来ます。

同時に「そんな事実は全くなかった」と言うことになると、
「何かの病気かも知れない」と、さくらさんも不安に思われるかも
知れません。その場合は診察を受けられた方が、安心出来ると思います。
ここではご相談について、カウンセラーの視点でのみお答えします。
カウンセラーは医療行為は出来ませんので、不安に感じられる場合は、
然るべき医療機関で、診察を受けられることをオススメします。

<ケースB>
!)2)の事実は「確かにあった」と確認できれば、起きた出来事に
対して、それぞれが違った立場で見ていたため、起きた事
実がどの様な
ものだったか?は、各人違って記憶されている可能性がありますから、
さくらさんの記憶が正しいのか?ご主人娘さんの記憶が正しいのか?
と言うことではなく、少なくともさくらさんにとっては、非常に不快な
出来事として記憶されている、と言うことが分かるんですね。

この場合事実はどうあれ、さくらさんの娘さんの親友に対する印象が、
「相当良くなかったんだなぁ」と言うことなんですね。
ご相談を読ませて頂いて、「さくらさんは非常に真面目で、常識的な方
なんだろうな」と私は感じました。親として娘さん達の年代に対して、
「○○はこうするべきじゃないの」と、文句もあったかも知れませんし、
「どうしてこんなことが出来るんだろう」と、呆れる
こともあったかも
知れませんね。さくらさんにとっては、娘さんの親友は、”受け入れ難い”
存在だったのかも知れないなと思いました。

>こんな人が親友と呼べる娘の神経が信じられません。

とご相談の中に書かれてありましたが、さくらさんから見て
「常識がない」とか「躾がなっていない」と、思われるようなことが、
それ以前にも再三あったのではないかな?と、私には思えましたが、
どうだったでしょうか?

度重なる”受け入れ難い”思いが、増幅されてはいなかったでしょうか?
私達は無意識で、最初にいい印象を持った人の行動は、好意的に受け入れ
られ、結果どんどん『いい人』のイメージが大きくなっていきますし、
最初に良くない印象を持つと、その人
の行動はどんどん”受け入れ難い”
ものになってしまい、結果『嫌な人』のイメージが大きくなってしまう、
と言う心の働きがあります。これが思い込みを作っていくんですね。

お母さんとしては、娘さんにその親友と「仲良くして欲しくなかった」
のだろうなと感じました。
お孫さんも生まれて娘さんもお母さんになられたのですし、さくらさんと
しては娘さんのことを、とても気にかけておられるんだろうと思います。
娘さんの親友への対応が元で、娘さんとの関係がギクシャクしてしまうのは、
決して望んでおられることではないはずです。

さくらさんの記憶されている出来事が、本当にあったことなのか?
それとも妄想なのか?それを確認することも大事だと思いますが、
唯一
ハッキリしていることは、さくらさんが娘さんの親友を良く思っていない、
むしろ非常に迷惑な存在だと思っていることの方だと思います。
そのことが原因で、娘さんとの関係が上手くいかなくなったら、お互い
淋しいと思いませんか?

娘さんに対して、お母さんとして母親の先輩として、伝えてあげたい事は
沢山おありなんだろうと思います。それだけ娘さんを大切に思っておられ
るんだろうなと私は思います。それなら尚更、同じ女性として母として、
対等に向き合ってあげて下さい。娘さんの年代には、娘さん達の年代の
考え方や物の見方があると思うんですね。

私も娘がいて、4才になる孫がいますが、私達の年代では考えられない、
娘達の年代の考え方を、”受け
入れ難い”と感じることもありますよ。
ただどちらが正しいか?ではなく、お互いどうすればラクだろうか?
時代が変われば、親である私達も変わる必要があると思うんですね。
親子も対等に、同じ女性として向き合っていけると、どちらが正しいとか
「○○するべき」と言った、枠にはまらず楽しくやっていけるのでは?
と思います。

今回のことは、娘さんの親友のことがきっかけで、娘さんとの親子の
コミュニケーションを、見直すチャンスだと考えてみて下さい。
ご主人とも娘さんとも、もっとお互いが思うことを、遠慮なく話せる関係
が作れると、今回の記憶のズレのようなことも、起きにくくなるのでは?
と思いました。
ご相談頂いた内容から、「少しずれてしまったか
も知れないな」(苦笑)と、
思いながら1日も早く、娘さんといいコミュニケーションが取れるといいな
とそう思っています。カウンセリングサービスでは、お電話でもご相談を
承っております。(初回は無料です)
いつでもご遠慮なく私達カウンセラーに、お話を伺わせて頂ければ嬉しいです。
この回答が、少しでもお役に立てば幸いです。ご相談ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

家族関係・対人関係・パートナーシップ・自己肯定自己実現を得意分野とし、がん看護・認知症介護の経験から医療・福祉関係にも精通している。 深層心理への唯一のアプローチである【感覚・感情】を解放する、癒しのスペシャリスト。 「体感で楽になった」「腑に落ちる」「納得がいった」と好評をえている。