戦争と平和 ~あなたの幸せは、あなただけの幸せですか?~

 この初夏、海外の心理学セミナーに参加した時に、人と人との争いを再現して癒
していくという試みを体験する機会があった。
 戦争の源を探り、それを癒すというのだ。
 正確にはこんな簡単に説明できないものだったのだが、すべてを書ききることが
できないので、僕なりの視点で思い切って簡単に説明させていただきたい。
 そのセミナーには、世界の様々な国から様々な人種の人たちが100名ほど参加
していた。
 その中から、各国にいるトレーナー、つまり、心理学を教える側に立っている人
たちが代表で、20名ほど前に出て、「被害者」と「加害者」に分かれて立った。
 同じ国の人でも、「被害者」側に立つ人もいれば、「加害者」側に立つ人もいた。
 それぞれの国が持つ歴史があり、それぞれの人が持つ過去がある。
 同じ国、同じ人種でも、それはその人で、どちらに立つと感じるのかが変わって
くるのだと、わかりやすい形で目に飛び込んできた。
 「被害者」と「加害者」に分かれた人たちは、お互いが見つめ合って立つ。
 そのちょうど真ん中に線があり、平和を感じることができたら、この真ん中まで
進む。
 それが実際に始まると、「被害者」と「加害者」に分かれて立った人たちは、様
々な思いを表に出し始めた。
 泣く人、怒りをあらわにする人、無表情の人。
 悲しみにくれる人、申し訳なさに苦しんでいるようにみえる人。
 憤りの顔、目を剥く顔、能面のような顔。
 僕は、それを見ながら、今、世界で起こっていることを、そのまま見せられてい
るような気持ちになり、あまりの悲しみから知らないうちに涙を流していた。
 しかし、その状態がしばらく続いた後、一人、二人、また一人と、少しずつ中心
に向かって歩みより始めた。
 一人、二人、また一人。
 中心で向かい合った人たちは、お互い抱きしめ合って、泣いた。
 そして、最後には全員がひとつになって、笑いあったのだった。
 このセミナーは、確かに、いろんな国々の人たちがいたが、世界中のすべての国
の人々が、すべての人種が集まっていたわけではない。
 また、ある程度の経済的余裕がある人達が集まっていたのかもしれない。
 そう、一定の条件の元で行われたことなのだ。
 けれども、僕は、深く感動した。
 確かに、感動したのだ。
 それは、僕の中の「平和への敷居」を下げてくれた気がした。
 そしてまた、自分が信じて積み重ねてきた、この心理学の学びの中で培ってきた
ことが間違いではなかったことを感じたことでもあった。
 それは、「まず、自分が幸せを感じ、それを周りの人と分かち合うこと」。
 今、このセミナー会場にいる人、全員が感じていると思った。
 僕が感じているように。
 「まず、自分が幸せを感じ、それを周りの人と分かち合うこと」が平和の源だと
改めて思ったのだ。
 僕は、昔から、戦争が起こるのは、人が幸せになりたいと思うからだと考えてい
た。
 そのことをずっと悩み続けていたような気がする。
 その考え方が180度変わったのは、心理学を学んだ時だ。
 例えば、「笑顔」。
 「笑顔」がどれだけ人を幸せにできるか、という話がある。
 あなたが、今日から、入る様々なお店の店員さんに、心から笑顔で会話しようと
決めたとしよう。
 すると、店員さんはどんな気持ちになるだろうか。
 いらっしゃいませ、の言葉に笑顔で応える。
 ありがとうございました、の言葉に笑顔で応える。
 店員さんは、きっと、気分がいいに違いない。
すると、次にやってくるお客さんを、気分のいい笑顔で迎えることができる。
 「笑顔」は本気でやったら伝染する。
 だったら、それを自分の家族にやれたら。
 家族はどんな気持ちになるだろうか。
 自分の周りの人にやれたら。
 周りの人はどんな気持ちになれるだろうか。
 そして、その気持ちは、その人からその周りの人に広がっていくかもしれない。
 そして、その気持ちは、日本中に、世界中に広がっていくかもしれない。
 かもしれない。
 いつも笑顔でいるのは大変な時もあるだろう。
 かっこつけてると思ってしまうかもしれない。
 笑顔を向けても、見てくれないかもしれない。
 逆に不機嫌になる人もいるかもしれない。
 そもそも、広がっていかないかもしれない。
 かもしれない。
 でも、それは「不可能」とはイコールではないはずだ。
 誰かのことを心配するなら
 誰かに手を差し伸べたいと思うなら
 まず、自分が幸せになること。そして、それを周りの人に分かち合うこと。
 大きな視野で世界を見渡すことは、必要不可欠なことだ。
 けれど、今、目の前の幸せをおろそかにして、世界を見ることができるだろうか。
 今、ここでできること。
 そして、自分にしかできないこと。
 それは、自分を幸せにすることだ。
 そして、それは、自分だけを幸せにすることではない。
 周りの人を幸せにすることだ。
 それは、いつか、たくさんの人を幸せにすることにつながるのだと思うのだ。
 あなたの幸せは、あなただけの幸せですか?
 まずは、思ってみてください。そこからはじめていけばいいと思うのです。
 あなたの幸せが、あなただけの幸せではないということを。
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この記事を書いたカウンセラー

About Author

名古屋を軸に東京・大阪・福岡でカウンセリング・講座講師を担当。男女関係の修復を中心に、仕事、自己価値UP等幅広いジャンルを扱う。 「親しみやすさ・安心感」と「心理分析の鋭さ・問題解決の提案力」を兼ね備えると評され、年間300件以上、10年以上で5千件超のカウンセリング実績持つ実践派。

2件のコメント

  1. 終戦記念日にあらためて平和って?と
    考えていたので、このコラムを読めてよかったです。
    幸せを感じるって大切ですよね。
    日々の何気ない風景や瞬間に、たくさん在る幸せ。
    いつも感じられる私でありたいなと思いました。

  2. 終戦記念日にあらためて平和って?と
    考えていたので、このコラムを読めてよかったです。
    幸せを感じるって大切ですよね。
    日々の何気ない風景や瞬間に、たくさん在る幸せ。
    いつも感じられる私でありたいなと思いました。