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Lecture.740-2

補償行為(2)〜悪い物を隠したくなる心理〜

講師:原裕輝

コンプレックスや無価値感があるとそれを隠したくなります、そしてそれを補う何かをしたくなります。
それは何故かというと悪い物を見られたくないから隠したいという心理がそうさせてしまうようです。悪い物を見られたくないから隠したいという心理を例え話を使ってじっくり説明していきます。この心理を知ることで補償行為を行うメカニズムを深く知ることができるでしょう。

Keywords
補償行為 コンプレックス 無価値感 無くならない コストパフォーマンス 

「私の彼氏は東大をトップで卒業をしてキャリア官僚をしているの。いわゆるエリートってやつ。今の彼氏だけではなく今までつきあった人も一流どころばかりだし、私はどうもエリートに好かれるみたいなのよね。この間も私に興味をもった人がいてお茶でもどうですか?と誘われたのだけどその人もエリートぽい人だったのよね。彼氏がいるからごめんなさいとお断りしたのだけれど、なぜか私はエリートに好かれるみたいなのよね」とやたらエリートに好かれると言う話をする人がいたとします。

そのような話をあなたが聞くとします。

そしてそのようなことを言う人がなんと言ってほしいか空気を読んで推測してみると「すごいね」などの褒める言葉を求めていると思いませんか?

「それで?」「それがどうしたの」「自慢話?」という反応がほしいわけではないはずですよね。

このような場合は肯定的な反応が欲しいのだと思います。

しかし、前回の『補償行為〜ミナミの帝王に学ぶ補償行為〜』に書いたように本当に自信のある人は自分で自分のことをすごい、すばらしいと思っているので他人に「すごい」「すばらしい」などの褒めてもらう言葉を過度に求めなくていいわけです。

“私の彼氏はエリート”“エリートに好かれる私はすごい”というのを使って何かを隠し、何かを補おうとしている補償行為が働いていると推測できます。

補償行為という視点で解説すると、“私の彼氏はエリート”というのを使ってコンプレックスだったり、自分には価値がない(本当にその人に価値がないという訳ではなく、自分は価値がない、自分は良くないと自分で思っているという心理という意味です)ということを隠し、エリートに好かれる私はすばらしいということを使ってコンプレックスや自分の価値の無さを補おうとしているという見方ができます。

この隠すという行為は隠すだけでコンプレックスや無価値感が無くなるわけではありません。

この無くならないというポイントが問題なのです!

そして無くならないのでこの隠すということに多大なエネルギーを使い続けてしまいす。

+++

私たちは良くないものは隠したいという心理が働くようです。

例えば、あなたが仕事をしていたとします。

その仕事が忙しく朝は早くから出勤し、夜は終電まで残業。

帰ってご飯を食べたら、あとは寝るだけの時間がない生活。

睡眠時間をなるべく確保したい為にテレビも見る時間もない。

録画したドラマももう50話以上見ていないのが溜まっているような生活をしていたとします。

そんな生活をしているので部屋はちらかしっぱなし、掃除機はもう2ヶ月はかけていない。

わたぼこりが西部劇にでてくる枯れ草のように転がっている。

仕事で疲れきっていて朝もぎりぎりまで寝ているのでゴミ収集車がくるまでにゴミ出しが間に合わず、もう3週間もゴミ出しができていない。

溜まったゴミ袋はベランダに山積み状態で置いている。

洗濯もできておらずあと着替えの下着もあと2枚しか残っていない状態。

洗濯物は山積み状態。

今日こそは掃除と洗濯をしようと思っていた休みの日にピンポンとあなたの家のドアのチャイムがなるのです。

インターフォンを見ると付き合いはじめたばかりの彼氏(彼女)の顔が!

「近くにくる用事があったので、悪いと思ったのだけどいきなりきちゃった」というではありませんか?

あなたならどうしますか?

おそらくドアの前で中にいれぬよう死守するのではないでしょうか?

「近くのファミレスでも行こうか」なんて言って家にはあげないようにしたくなります。

それはなぜかという散らかっている部屋の中を見られたくないからですよね。

そうです。

私たちは悪い物は見られたくないという心理が働くからです。

+++

例えばコンプレックスがあり、そのことを良くないと思っている所があるとします。

するとこれを隠したくなります。

本人が良くない(悪い物)と思っているコンプレックスがあると、それを隠したくなるのです。

アイプチ、厚塗りメーク、寄せてあげる、カツラ、シークレットブーツこれらも何かを隠す行為ですよね。

コンプレックスがあると隠したくなるわけです。

例えば身長が低いことにコンプレックスがあるとシークレットブーツを履きたくなったりするわけです。

身長を低いのを隠そうとするわけです。

だけど、隠しているだけなので身長が低いコンプレックスは消えずに残ったままです。

隠すのに多大なエネルギーを使うのですが、コンプレックスは残ったままなので気になり続けます。

そしてシークレットブーツがバレてはいけないということにまた新たに多大なエネルギーを使います。

そして隠す為の努力をする、隠すのに神経を使う、バレないか気をもむ、知られたら失望をされないかなど不安をいだくなどにエネルギー使うのですが、それを行い得られるものは「良かった今日も隠せた」「今日もバレなかった」などが得られる成果なのでしょう。

隠すだけでコンプレックスが無くなっているわけではないので何年も、何年もこれが続くわけです。

この補償行為に問題点があったとしたら、隠すのにつかったエネルギーの割に得られる物が少ないということです。

言い方を変えるとコスパ(コストパフォーマンス)が悪いとも言えそうですね。

コスパを良くするには隠すという方法と違う方法が良さそうです。

その話はまた来週でお楽しみに。

>>>『補償行為(3)〜不完全さを許し受け入れることにエネルギーを使う〜』へ続く


関連する講座へのリンク集
13.埋め合わせで手に入れられるもの〜補償行為〜
512.弱点を補うより価値をみよう〜行動動機と目的の心理学〜
524.正しさにこだわる心理〜自己概念と補償行為〜
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