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Lecture.327 コントロールについて
講師:中原謙一
コントロールが出来ないというお話は、カウンセリングでもよく出てきます。
そもそも「コントロールする」というのはどういう意味があるのでしょう。
この講座では、「コントロール」について、今までとは少し違った観点からアプローチして、本当の意味での「コントロール」について興味を持っていただければと思います。
Keywords
コントロール ブレーキ 運転 発散 自然体

◎リクエストを頂きました◎
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私が最近、自分の感情をうまくコントロールできないからです。
小さい頃から、怒らない性格で、嫌がらせをされても、怒るよりも悲しいという気持ちが出てきて腹を立てるという感情をあまり経験してきませんでした。

しかし、最近、自分の心に余裕がないせいか、すこし気にしていることを言われただけで(俗に言う「地雷を踏まれる」というやつでしょうか)
物を投げたり壁を思い切り蹴ったりしてしまいます。
しかも必ず涙が出てきて、収まるまで泣きつくさないと気持ちがすっきりしません。

物に当たってはいけないと思いつつも、どうしたら
この感情を処理できるのかと途方に暮れています。
これがエスカレートすると、DVやカッとなって殺したという事件と一緒になってしまうのでしょうか。

物に当たってしまう自分はおかしいのでしょうか。
また、どうしたらうまくこの感情を処理できるのでしょう。
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今回は「コントロール」のお話になります。

コントロールという言葉には、2つの意味があります。
一つは「調節すること」もうひとつは「抑制すること」です。

これを乗り物にたとえると、わかりやすいんですよね。
たとえば車に置き換えてみますと、「調節する」とはアクセルを踏んだり弱めたり、ハンドルを操作して車の速度や方向を決めたりすることを表していて、「抑制する」とはブレーキを踏むことと考えればいいわけです。

さて、ここで皆さんに質問ですが車や自転車に乗るとき、ブレーキをかけたまま動かそうとするでしょうか?
まあ余りそんな人はいませんよね。
しかし、感情を扱う場合、殆どの人が、ブレーキをかけたまま感情を扱おうとするんですよね。
リクエストに「私が最近、自分の感情をうまくコントロールできないからです。」と書いてありますが、これは今までブレーキをかけたまま感情を扱ってきた結果、「抑制」というブレーキが壊れそうになっているからではないかと感じます。

これは皆さんの心のどこかに「感情はコントロールするものだ」という大前提があったり、「感情をコントロールすることが大人である」という概念を持っていたりすることが、自然と「感情をコントロールする」=「ブレーキを踏む」という構図になっているわけです。

リクエストにあるように「小さい頃から、怒らない性格で、嫌がらせをされても、怒るよりも悲しいという気持ちが出てきて腹を立てるという感情をあまり経験してきませんでした。」とありますが、この段階ではコントロールはできていたわけですよね。
ただし、「抑制」というブレーキを使ってですよね。

さて、さらに皆さんに質問です。
サイドブレーキをかけたまま車を走らせたら、一体どうなるでしょう?
はじめのうちはそれでも車は動きますが、いざ本当にブレーキが必要なときに、ブレーキの効きが悪くなって、結果事故を起こす可能性が高くなってしまうわけですよね。
たとえば、昔悲しかったという感情があることそのものは間違っているわけではありませんが、余りにも悲しみが強くなりすぎると、その悲しさから自分を守るために「自己防衛」という機能が自動的に働くわけです。
この自己防衛機能が、悲しいとか、つらい、痛いなどというネガティブな感情をコントロールしようとするわけです。
ところが、感情というものはそれほど器用な存在ではないので、どれか一つをコントロールしようとすると、「うれしい」や「楽しい」といったポジティブな感情も含めて、すべての感情をコントロール=抑圧してしまうわけです。
そして、このときに感情の抑制に使う感情が「怒り」の感情なんです。
つまり、感情は感情によってコントロールしているということになりますね。

ですので、感情がコントロールできないとうのは、感情がコントロールできなくなってしまうくらい、感情そのものがあふれ出しているということになるわけです。
つまり、コントロールしすぎてコントロール不能になった、という感じですかね。
それを人にぶつければけんかや暴力になりますし、物にぶつければ破壊行動になります。
そして、自分にぶつければ「引きこもり」や「自傷行為」にもなりえるわけです。

だとしたら、実際にはどうすればいいのでしょうか?
もう一度車でたとえますと、普通に運転しているときに、ブレーキは余り使いませんよね。
安全のためとか、車を止めるためにはブレーキを使いますよね。
つまり、普段は感情をコントロールしなくていい状態が、人間にとっての「自然」な状態といえるでしょう。
そうすれば、「必要なとき」にちゃんとブレーキが機能するわけです。

普段は感情をコントロールしなくていい状態、いわゆる「自然体」が、感情をコントロールしやすくするための「鍵」なんですよね。
自分にとって自然体とはどのような状態を表すのか。
自然体だった頃の自分はどんな自分だったのか。
なぜ自然体でいることができなくなってしまったのか。
これらのことを考えつつ、上手に感情を「運転」していってください。
誰かや何かを傷つけるやり方ではなく、上手に「発散」することで自然体に近づいていくこともできます。

本当の意味での「コントロール」を意識してみましょう。

最後まで読んでいただいて、有難うございました。

関連する講座へのリンク集

44.人を操りたい心理〜コントロールの心理学〜
163.不信感の目的と信頼の力〜役に立たなくなった防衛機能は、もういらない〜
167.感情のコントロール〜自分の感情に責任を持つ〜


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