失恋後、「一人反省会」を続けてしまう理由

失恋の後「何が間違ってたんだろう?」と考えてしまうのは・・・・

失恋からの回復のプロセスで、ある程度痛みや辛さが和らいでくると、今度は自分を責めたくなるような気分に駆られることがあります。まさに「一人反省会」と呼べるような「あのときこうしておけばよかった」「どうして素直になれなかったのだろう」「自分があんなことをしなければ」といった後悔の念にかられて、自分を責めるようにもなるのです。

○ある程度感情が整理できると登場する「一人反省会」

失恋からの回復のプロセスで、ある程度痛みや辛さが和らいでくると、今度は自分を責めたくなるような気分に駆られることがあります。

強い感情を感じなくなりつつあるのですが、その分だけ「あのときこうしておけばよかった」「どうして素直になれなかったのだろう」「自分があんなことをしなければ」「自分の何が間違っていたのだろう」といった後悔の念にかられやすくなるようになります。

まさに「一人反省会」と呼べるような状態になると言えるでしょう。

人によっては、失恋からしばらく時間が経過していても、ずっと「一人反省会」を続けてしまう場合もあるのです。

この反省会の時間が長くなればなるほど、次の恋愛や幸せな未来から遠ざかってしまう(正確には、自分から遠ざかりたくなっている)ものなのですね。

この状態にある方ほど

「私、そろそろ年齢的にも恋愛や結婚を考えなければいけないと思うのですけど、なかなかその気になれなくて」

「もうあの失恋から時間も経過したし、昔のパートナーに対する気持ちはあまり感じないんです。でも、なかなか新しい恋人を作る気になれないんです。」

「最近、マッチングアプリに登録したんです。でも気乗りしないというか。アプリ経由で相手と会っても喜べないし、会う直前でドタキャンしちゃうことも少なくなくて」

といった状態になることがあるわけです。

そうなる理由こそが、失恋がもたらした痛み、その本質が未だ作用し続けているからなのです。

○失恋によって罰し続けているのは「上手に愛せなかった自分」

多く、失恋直後に僕たちが責め続けているのは「最愛の人(パートナー)」であることが多いものです。

例えば「どうして私にこんな思いをさせるのよ」「どうしてあなたは私の前からいなくなったのよ」「私がこんなに愛していたのに、どうして・・・」と、僕たちは辛いときほど「自分以外のなにか」を責めるものなんです。

それぐらい自分自信が苦しいので、自分以外のものを責めるしかない状態になるのです。

もちろん本心からそう望んでいるわけではなく、そうせざるを得ない状態になるという感じですよ。

つまり、愛していた人を恨んだり、責めたりすることを望んでいたわけではなく、あまりに今が辛いから責めたり恨むしかなかったということです。

ただ、実際に責めているのが「最愛の人」だという部分がものすごい苦しみをもたらすのですね。

(※だから、この4回シリーズの「第2回目の原稿」でご紹介したように、自分自身の感情を整えていくプロセスが重要になってくるのです。)

そこから自分の感情を整えていくと、ある程度気持ちが落ち着いてくる時期がやってきます。

すると、最愛の人を責めるという気持ちも薄らいでいくようになりやすいのです。

が、同時に「自分を責める気持ち」を感じるようになるのです。

実はこの「自分を責める気持ち」こそ、「失恋がもたらした痛み、その本質だ」といえます。

○一人反省会が止められない理由

これはなかなかイメージしがたいことかもしれませんが

僕たちは大切な人を失ったとき「大切な人を大切にできなかった(別れることになった)自分」を罰しているのです。

言い方を変えれば、そんな自分が大嫌いで、最悪だと感じているともいえます。

この「大切な人を大切にできなかった(別れることになった)自分」を許せない分だけ、新しい恋愛や幸せな関係性から自ら距離を起くようにもなります。

どこかで「今の自分(あの失恋を経験した自分)では、到底幸せになることは難しいだろう」という判断が自分の中で生じるからです。

そう考えると、失恋で辛い思いを抱えても最愛の人を責めない人もいるのです。

このような人は普段からあまり「自分を責めない・悪く扱わないようにしている人」といえます。

が、どこか普段から自分自身をあまり肯定的に見れない人にとって、失恋は「今までにない最悪で救いようのない自分との出会い」となってしまうことがあるのです。

それはどこか「最愛の人に愛されない自分」と認識されることもありますが、本当のところは「最愛の人を大切にできなかった自分」を最悪だと感じているのです。

だから、失恋後しばらくすると、「あのときこうしておけばよかった」「どうして素直になれなかったのだろう」「私の何が間違っていたのだろう」といった、一人反省会が続くようになるのです。

この「一人反省会」の効果は(長い目で見ると)「大切な人を愛する自分になりたいと思いながら、同時に自分が大切な人を愛せるという信頼を失い続けている」ともなるのですよ。

自分の課題点を探して訂正しようとする意識は良いとしても、自分をネガティブに見続けてしまうなら、この反省会を続けていくことが幸せな恋愛を得るための障害となっていくわけですね。

ということで、一人反省会がなかなかやめられない方ほど

「もう一度自分の価値や、好意、愛を取り戻す」

というプロセスに入っていっていただくことをおすすめさせてもらっています。

次回、4回シリーズ最終回は、この「「もう一度自分の価値や、好意、愛を取り戻すプロセス」についてご紹介したいと思います。

(続)

心理学講座4回シリーズ/同シリーズ記事はこちら
  1. 失恋を乗り越える 〜失恋を乗り越えた私とは〜
  2. 失恋で抱えた気持ちは放っておかない・我慢しない
  3. 失恋後、「一人反省会」を続けてしまう理由(わけ)
  4. もう一度、臆さず愛する私を取り戻す方法
この記事を書いたカウンセラー

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年間400件以上の面談カウンセリングを行う実践派。「男女関係向上・男性心理分析」「自信・自己価値向上」に独特の強みをもち、ビジネス・ライフワーク発見なども対応。明快・明晰かつ、ユーモアと温かさを忘れない屈託のないカウンセリングは「一度利用するとクセになる」と評され、お客様の笑顔が絶えない。