惚れられる側と惚れる側

こんなに彼が素敵になってしまったとしたら・・・

こんにちは 平です。

男女関係では心理的に必ず「惚れられる側と惚れる側」が出てきます。そして、一般的に惚れた側は立場が弱いんです。

俗に言う「惚れた弱み」というやつです。すると、ここでよくこんなことが起きます。

彼がますます魅力的になると思ってください。例えば、彼が会社で出世をする、みんなの憧れの的になる、チームリーダーになるなど、彼がどんどん魅力的になるわけです。

男性というのは、本当に愛する女性ができたとき、彼女のためにもっとがんばろう、もっとお金を稼ごうと思います。

そして、彼が輝けば輝くほど、女性はどんどん彼に魅力を感じます。そんな時に、ふと辺りを見渡すと、そこにはたくさんの女性がいるわけです。

するとどう思うでしょうか?「この女性たちが彼のことを好きになったらどうしよう・・・」

すると、私たちは危機感を覚えるわけですね。「こんなに彼が素敵になってしまったとしたら・・・」「だめよ。あなたたち、これは”私の彼”なんだから」「彼を見ないで、さっさとあっちに行きなさい!」としたいわけです。

独身の間は、怖くて仕方がないので、彼のほっぺにぐるぐる巻きを書いたり、服装をダサくしたり、髪型を変にしたり、太らせたり、パートナーの魅力が下がるようなことを色々して、他の女性からねらわれないようにするわけです。

でも、そんな相手をあなたは好きになるでしょうか?

答えは”No”ですよね。

でも、私たちは、「誰かにとられちゃう」のが怖いのでこういうことをしてしまいます。

こういう方を私は”谷底の女”と呼んでいます。

パートナーがあまりにも魅力的になるのが怖すぎるので、パートナーの足を引っ張ってしまうわけです。こういうマインドは多かれ少なかれ誰にでもあります。
具体的には、夜中に突然彼に電話をして「今すぐ会いたい。でなきゃ別れる」とか「仕事を休んで私に付き合って」などと無理難題を言ってしまいます。

何が起こっているのかというと、彼女は不安で仕方がないんです。

「本当に私を好きなのかしら・・・」「本当に私を愛してくれているのかしら・」

そして、彼女はどんどん”嫌味な女”になってしまいます。

彼からすると、「なんか、嫌な女だな」「本当に最低な女だな」「こんな奴とはもう一緒に居たくないな~」と思うようになってしまうこともあります。

でも、彼女が本当に言いたいことは、「本当はこんな私なんて嫌いなんでしょう?」「私はあなたにとって不十分じゃないの?」「本当に私のことを愛しているんだったら、こんなにひどい私でも受け入れてくれるわよね」ということなんです。

実は、彼女は、彼との深い心のつながりを求めているのです。愛情の確認をしたい時に悪い子ちゃんになってしまうのです。これは女性だけではなく、もちろん男性にもあります。

でも、自立側にいる人にはこれがまったくわかりません。「君は僕のことを”愛してる”って言うけど、だったらどうしてそんなにひどい女になるわけ?」
「僕を愛しているんだったら、もっと優しくしてくれてもいいじゃないか」「なんで、そんな僕を困らせるようなことや嫌がらせることばかりするんだよ!」というモードになります。

このような状況で、自立側の人が気づかなければいけないことは「彼女は僕の愛情が欲しいんだな」ということです。

そうでないと、大ゲンカになってしまいます。具体的には、あなたのパートナーの魅力や価値、どれくらい愛しているのかということを伝えて、安心させてあげてください。

そうすればするほど、あなたのパートナーは安心して、魅力がアップし、自信がついてきます。

ところが、パートナーの成長や魅力のアップはあなたの望んでいるところでぴったりと止まるわけではありません。

あなたがパートナーを引っ張りあげてあげると「あれ? 最近、彼女どんどん魅力的になってきて、この前まで僕がリードしていたのに、何か最近は違うな」ということになったりします。

すると、今度は自立と依存の逆転現象が起こってくるわけです。そして「いいよ。どうせ、僕は係長止まりだから・・・」「何か用?こんな最低の俺に・・・」「あんまり構わないでくれる? 同情は欲しくないんだよ」などと、本当はうれしいんだけれども、ひどい態度を取ってしまいがちです。

なぜなら、自分がパートナーに追い越された感覚があるからです。惨めな感じや自分に対する自信、価値を見失ってしまうからです。

でも、依存と自立が逆転したとき、追い越された側にとって大切なことは、どれだけひどい態度を取られたとしてもあなたのパートナーに近づくことです。

パートナーが表面的に、あなたに見せる態度はひどいものかもしれませんが、内心とても喜んでいる部分があるんです。そしてあなたのポイントは必ず上がっています。

でも、依存の人にも準備がいるのです。パートナーに悪態をついた後で「俺ってひどいことをしたな~」「本当にひどいことをした。もうダメだろうな」と自己嫌悪が襲ってきます。

谷底の泥沼で「来るなよ。俺はお前に迷惑をかけるだけだ」「来るなっていっているだろう」と言われ、追い返されたりするかもしれません。

でも、彼(彼女)があなたにとって真実のパートナーであると感じるのであれば、寛容であってください。人によっては「ごめん」と言って泣いて謝る人もいるでしょう。

人によっては強がってろくに謝らないかもしれません。でも、あなたが心を開いて待っている度合いだけ、パートナーは帰って来やすいのです。

でも、自信がないので、愛情を受け取れません。あなたを嫌うかもしれません。でも、本当はずっとあなたを見ています。

だから、ここのレベルであなたが最悪になった時にも、パートナーは同じことをするでしょう。

あなたが愛情深く寛容であれば、パートナーはあなたにも同じことをします。

あなたがそんなパートナーを蹴飛ばしたら、待ってましたとばかりに蹴飛ばされるでしょう。でも、このときのお返しは平等ではありませんよ。30倍くらいにして返されます。

「経験者は語る」です(^^;)

パートナー対して与えたものがそのまま返って来るのです。だとしたらあなたはパートナーに何を与えるでしょうか?

※これは男性が自立で、女性が依存の例をお話していますが、女性が自立で男性が依存の場合は立場が入れ替わります。

では、来週の『恋愛心理学』もお楽しみに!!

この記事を書いたカウンセラー

About Author

神戸メンタルサービス/カウンセリングサービス代表。 恋愛、ビジネス、家族、人生で起こるありとあらゆる問題に心理学を応用し問題を解決に導く。年間60回以上のグループ・セラピーと、約4万件の個人カウンセリングを行う実践派。 100名規模のグループワークをリードできる数少ない日本人のセラピストの1人。