トラウマ・男性恐怖

相談者名
ローリ
33歳の女性です。
よろしくお願いします。
わたしは、小学校6年生の時、父親から性的虐待を受けました。
胸を何度も触られ、さらに「服を着替えろ!」とどなられました。
(どうして父親の前で服を着替えなければいけないんだ。
という心の叫びを誰にも聞き入れてもらえなかったつらさはまだ心に大きな傷跡を残しています。)
幸い横に姉がいたので何とか止めてもらえたのですが。
以来、約10年間はそれを口外せず、ひたすら「男に生まれたらどんなに楽だったか。早く死にたい。」とばかり考えて生きていました。
また、髪を短く切り、めがねをかけ、みすぼらしい服装をして、自分が女性であることを隠そうとしていました。
もしあの時横に姉がいなかったらどうなっていたんだろうと思うと、33歳になった今も恐ろしく、一人でいるときに、発作的に生理的嫌悪感がこみあげて、苦しめられます。
3年ほど前、父親と母親そして姉には、そういうことがあって苦しかった、と伝えましたが、父親はすべて忘れているらしく、名誉毀損と怒り出し、母も姉も、わたしの思い違いだったのではないか、と思っているようで、どうも苦しみをわかってはくれません。

今でも父親とはまともに目を合わせることもできず、年末などに家族で集まっても、父がいると30分くらいで気分が悪くなって、すぐ帰って来てしまいます。
事情を知らない年下の兄弟たちが、そんなわたしを見てさびしそうな顔をするのを見るのが、何よりとてもつらいです。

幸い23歳の時、旅先で本当に愛せる外国人の男性に出会って、女性に生まれたことを少しは認められるようになりました。
日本人の男性の多くが、女性に向けるまなざしは非常に性的でぶしつけであると感じてしまいます。
学生時代には、ボーイフレンドがほしいと思ったことはなく、ミニスカートなんてとんでもない、という感じでした。
日本人で好きになったのは、ずっと年上の先生くらいです。
その先生が最近、「おしゃれをしている女性が好きだ。
」と言うのを聞いて、それまでは自分を必要以上に飾ることに「ブレーキ」を強くかけていましたが、少しおしゃれもはじめてみました。
でも、すきでもない男性に顔を見られるのはやはり嫌で、横髪で顔を隠したり、嫌そうな表情を作って男性の視線をそらそうとしているのに気づき、そんな一瞬一瞬がつらいです。
どんなふうに乗り越えたらいいでしょうか。

カウンセラー
池尾昌紀
ローリさん、こんにちは。
池尾昌紀と申します。
ご相談、ありがとうございます。

ご相談をくださった勇気に感謝の気持ちで一杯です。
この相談コーナーに送ってくださるには、とてもとても、勇気が
必要だったのではないでしょうか。
最初に、そうした勇気あるご自身について、誉めてあげて欲しいと
思います。

23歳の時に、本当に愛せる方と出会われたことは、ローリさんの中で
とても素晴らしい出会いだったと思います。
それがきっかけで、あなたはずっと苦しんでこられた自分の中の女
性というものを
受け取れるようになったのですね。
そうした幸運は、今のあなたにもつながってきていると思います。
今回、おしゃれを少しははじめた、と言われるのも、きっと23歳
の時の出会いによる、あなた自身の回復が影響しているのでしょう。
今、改めてその外国人の男性に、心の中で感謝の気持ちを伝えてあ
げてください。

さて、今、日本人で好きになられた方が「おしゃれをしている女性
が好き」という発言をされたのを受けて、ご自身を女性として飾る
ことを止めていたブレーキが少し外れて、おしゃれを始められたの
は、とても素晴らしいことです。

先の外国人の方についても、そして今回の日本人の方についても、
ローリさんは、今までの自分から、新しい自分へ変化をされている
ように感じます。
その理由はなんだと思われますか?

それは、「誰かを愛する気持ち」なのだと思います。

ローリさんは、もともと、とても持っておられる「愛の力」が強い
方なのです。
その愛が大きさが、あなたを前に進めておられるのです。

子ども時代の出来事は、本当に、本当に辛いものだったと思います。
けれど、あなたの「愛の力」は隠すことはできないほど素晴らし
く、そして
強いものです。
今までの素晴らしい人との出会いがそれを後押しして、今、溢れ出
ようとしているのだと感じます。
是非、そのことを感じてみていただきたいと思います。

まだまだ現実では辛い事もあるでしょう。
けれど、あなたは、今、次のステージに進もうとしています。
こうしてこの場所に自分の思いを送ってくださったことが、その証
拠です。
それは、大きな決意なくてはできないことです。
そして、その決意こそが、人が変わる事ができる原動力なのです。

ローリさんの今まで生きてこられた人生には、今回お話いただいた
ことの他にもたくさんの書ききれない思いがあると思います。
さらにこの流れを進めるために、是非、その思いをお話ください。
自分の思いを誰かに話をすることでも、とても整理がつくし、楽に
なることができます。
カウンセリングサービスのカウンセラーは誰でも初回は無料です
し、ボランティアカウンセラーもおります。

最後に、あなたが勇気を持ってお話くださったことが、
同じように悩んでいる方に勇気を与えてくれたということに感謝し
たいと思います。
あなたの「愛の力」は他の人にも愛を与えてくれる力なのです。

僕自身も、自分の体験を思い、あなたの勇気から力をいただきました。
ご相談いただけたこと、心から感謝いたします。

ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

名古屋を軸に東京・大阪・福岡でカウンセリング・講座講師を担当。男女関係の修復を中心に、仕事、自己価値UP等幅広いジャンルを扱う。 「親しみやすさ・安心感」と「心理分析の鋭さ・問題解決の提案力」を兼ね備えると評され、年間300件以上、10年以上で5千件超のカウンセリング実績持つ実践派。