年寄りの父が心配です。

相談者名
チョッパー
うちには74の父と、64の母と27の私がいます。(男)

父は、仕事を定年になり、3年になります。

手の震えもでてきて、病院でも病気と診断されました。

そこで、体のことを考えて、母親が父に運動をするようにと

すすめました。

でも最初の一週間くらいは言うとおりにするんですが、

また怠けて、また母親が注意するという繰り返しです。

父は、「何かおきても家族が助けてくれるだろう」

という考えで、母や僕がどれだけいっても何度いっても

ききません。

母とはよくケンカになります。

他にもたとえばテレビをつけっぱなしにすることを注意して

3年、全然聞かない。

というくらいにいうことをまったくききません。

母はもう限界にきています。

これは夫婦のことだからお前はかんけいない!

と母に言われ、僕は何かしたくてもなにもできません。

このまま父親が病気が悪化したら介護とかもしなくてはいけないし

大変です。

僕は病院で先生を交えて話し合いしたほうがいいと考えてはいるんですが、

母親は「病院では大げさにいうから無理!」とききません。

解決に向けてどうしていけばいいんでしょうか?…

カウンセラー
三島桃子
チョッパーさん、はじめまして。今回担当させていただく三島桃子と申します。どう
ぞよろしくお願いいたします。

両親が年老いてくると、何かと心配なことが出てきますよね。私の父母も70歳にな
り、体の強かった父もこのごろはすっかり老いてしまって、先々が心配です。チョッ
パーさんのご両親と同じような感じで、私の父も「運動しなさい、せめて散歩しなさ
い」と母にしつこく言われていますが、一向に体を動かそうとしないので、母はその
ことでよく不機嫌になっています。

また、友だちの両親の話を聞くと、退職後何もせず家にばかりいて、奥さんにやいや
い言われているお父さんってけっこう多いようです。あまり遊ばずに真面目に仕事ば
かりしてきた人はそういう傾向が強いようですね。時間ができても、仕事以外での時
間の使い方がわからなかったり、趣味を通じて遊ぶ友だちがいなかったりするんで
しょうね。

それでも本人が元気ならまだいいのですが、チョッパーさんのお父さんは病気だと診
断が出ているとのこと、先々の介護のことなど考えるといろんな意味で不安が出てき
ますよね。
(いろいろ心配してくれる優しい息子さんがいて、ご両親はお幸せだと思います!)

ただ、お母さんやチョッパーさんが一生懸命あれこれ注意しても、またチョッパーさ
んがお母さんにアドバイスしても状態が変わらないようですので、他の方法を考えた
方がいいかもしれませんね。

以下、
○介護の心配について、
○コントロールの手放しについて
○ご自分のことについて
の3点を挙げてお話を進めたいと思います。

○介護の心配について
介護については、両親が年をとってくればいつかは考えなければならない問題です
ね。お父さんのみならず、お母さんについても、いずれは介護する日がくる可能性は
あります。その時、息子のチョッパーさんとしては何もしないというわけにもいかな
いでしょうから、介護のことが心配であれば予備知識を持っておくといいのではない
でしょうか。

大きい本屋さんには、様々な介護についての本が並んでいます。今は「介護まんが」
なるものも登場していますので、読んでみるといろいろと知らなかった知識を得るこ
とができると思います。

人間、ちょっとしたことでも、「知らない、わからない」状態だと、必要以上に心配
したり不安になってしまいます。介護状態になるとこんな感じなのか、利用できる公
的サービスにはこんなものがあるんだ、などということを知っていると、それだけで
も気持ちが落ち着きますので、チョッパーさん自身の気持ちが少しラクになると思い
ます。

○コントロールの手放しについて
心理学でよく使う用語のひとつに「コントロール」という言葉があります。これは、
「誰かのことを自分にとって都合のいいように変えようとすること、操作しようとす
ること」という意味です。

例えば、押し売り的に、欲しがっていないものを無理やり買わせようとする、などと
いうのも「コントロール」です。あれこれと言葉を並べ立てて、相手が断れないよう
に操作しようとするわけです。
こういう「コントロール」は、やる側ははなから「操作してやる」という意図がはっ
きりあります。振り込め詐欺や様々なマルチ商法などもそうですね。

こういうコントロールについては、誰でも「あまり良くないもの」と認識できます。
ところが、実は私たちが自分でも自覚せずうっかりやってしまうのが、善意からの
「コントロール」です。

相手のことが心配だから、こうなってほしい、こうあるべきだ、と相手に変化を迫っ
てしまうことは、家族などの親しい間柄ではよく起こります。心配している人の方が
理屈の上では正しいことを言っているという面はあるのですが、実は、「私を安心さ
せてよ」という要求の部分もあるんですね。つまりは、私の都合に合わせてよ、とい
う「コントロール」になっているわけです。

そして、私たちは誰でも、たとえ善意から出たものであっても、「コントロールされ
ること」は嫌いです。私たちが本当に変化できるのは、自分自身が「変化したい」と
思った時だけだといわれています。
自分は本当は望んでいないのに、誰かの要求に従って無理に変化しようとしても、す
ぐにもとに戻るのが普通です。

ですから、チョッパーさんをがっかりさせてしまうかもしれませんが、お父さんを今
のようなやり方で「変化させる」ことはあきらめた方がいいでしょう。

では、どうしたらいいのか、ということですが、ポイントは、コントロールを手放す
ことです。
お父さんに「こうすべきだ」と、変化することを求めるのをやめるということです
ね。

お母さんに対しても同じことが言えます。お父さんのことで、お母さんに「こうした
ら?こうすべきだよ」と要求するのをやめることが、「コントロールの手放し」で
す。

それでどうなるの?と思われるかもしれませんね。
コントロールを手放すと、何より自分の気持ちがラクになります。また、不思議なこ
とに、「手放すと欲しかったものが手に入る」と心理学では言われています。

お父さんやお母さんへのコントロールをやめるということは、そのコントロールのた
めに使われていたチョッパーさんの心のエネルギーの流れが変わるということで、そ
のことが家族間のバランスにいい変化を及ぼすと考えていただいてもいいでしょう。

お母さんも「夫婦のことだから」とおっしゃっているようですし、思い切って手放し
てみてはいかがでしょうか?

○チョッパーさん自身のことについて
さて、コントロールをやめると、コントロールに使っていたエネルギーが余るわけで
すが、このエネルギーをご自分の人生のために使うことを考えてみるのはどうでしょ
う。
今チョッパーさんは27歳とのこと。おつきあいしている女性はいますか?今後の結
婚のことや、また仕事のことなどどう考えてらっしゃるでしょうか。

もしあまり考えていない、ということでしたら、この機会に考えてみるのもいいので
はないでしょうか。また、今までもそこそこ考えてきた、ということでしたら、さら
に積極的にご自分の人生のためにできることを行動に移していくのはどうでしょう。

チョッパーさんがご自分の人生にがっつりと向かい合うようになると、27歳らしい
生き生きとした雰囲気が強くなってきます。そんな息子を見ることは、お父さんやお
母さんにとってとても嬉しいことでしょうし、ご両親は自然に元気が出ると思います
よ。

もしご自分の人生に向かい合うことに抵抗感などがあるようでしたら、カウンセリン
グはお役に立てると思いますので、いつでもご相談くださいね。

参考になりましたら幸いです。
チョッパーさんのことを応援していますね!
ご相談ありがとうございました。

三島桃子

この記事を書いたカウンセラー

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