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侮辱に負けてしまう

ご相談事例集

三島桃子 2012年7月15日

相談者名	牛若丸
初めまして。高1女です。高3の兄が大嫌いです。凄惨な事件で殺されれば嬉しいと思う程憎いです。散々侮辱され続けたのでそう思うようになりました。今までに下等生物、クズ、ゴミ、ボケ、馬鹿、阿呆、カス、幼稚園児・小学生以下、幼稚園児・小学生の方がまだお前よりマシな事が言える、メンタル弱すぎ、無能、低能、ヘタレ、忍耐力も根性もなく努力もできないと言われました。6年以上言われ続けています。反論すれば「下等生物の意見を聞くのは面白い。愚かな答えが次々と出てくる」と笑いながら侮辱し返されます。言い返さなくても同様です。兄の考え方や言動も癪に障ります。「俺はガキじゃねぇんだ」と言い張っておきながら自分で稼いでいないし、自分の事を自分でできていないし、遊ぶときは大量の金を親から貰うし(私はお小遣い無しなのに兄は1万円程貰っています)、手伝いも少ない量の食器を1日1回洗うだけです。全然経済的にも精神的にも自立していません。私でも毎日帰宅後に朝昼の分の食器洗いと風呂掃除、毎週トイレ掃除、時々洗濯くらいはしています。しかも兄の方が私の通う高校より偏差値が8位低い所に通っています(この事を言うと「今はお前よりは頭いい」と返されます)。また兄の目指す大学は私の高校の付属大学よりも低レベルの所です(この事を言うと「評判だけで見下す奴はアホだ」と返してきます。人を侮辱するのが好きな人間なので、反対に自分が世間から見下される(＝低レベルの大学に行く)という立場に置かれようとなると、周りの人間を馬鹿にすることで自分が侮辱される事を回避しているのだと思います) それに私は高校受験の時に必死で毎日8時間以上は自宅学習していました。塾も通っていました。でも兄は今年度は大学受験なのに今も塾に行っているだけで家では怠けています。高校受験時も同様です。また人の物をゴミ扱いします(母の携帯電話をゴミ呼ばわりし、「お母さんにとっては大切なものだ」と言ったら「知るか」「他人の物はゴミだ」と返されました) 侮辱された事を思い出してしまい、嫌な気分になる日が続いています。周りには「趣味に没頭すれば」「紙に書き出してみな」と普遍的な事を言われますが、全部無意味でした。でも弱すぎる自分も大嫌いです。自分が強い人だったら、といつも感じます。
カウンセラー	三島桃子
牛若丸さん、はじめまして。今回担当させていただく三島桃子と申します。どうぞよろしくお願いいたします。お兄さんの侮辱的な言動、牛若丸さんにとってはとてもきついものですね。どうすればいいのか一緒に考えてみたいと思います。 ○どうしてお兄さんはそんな言動をするのか？お兄さんとは２つ違いですね。侮辱的な言動が始まったのが６年ほど前のようです。その頃のお兄さんは１２～１３歳、牛若丸さんが１０～１１歳ぐらいだったと思います。女の子は精神的に男の子より大人なところがありますから、この頃には牛若丸さんの方がしっかりしているようなことも増えてきていたのではないかと思います。そうするとお兄さんとしては、「あ、オレはこれから先、こいつにかなわないかもしれない」と感じたのかも知れないですね。上のきょうだいというのは、弟や妹に負けることがものすごく悔しいと感じることが多いようです。その悔しさは弟や妹が想像するよりずっと強いものです。また、お兄さんは子どもの頃から、何か自信のなさを抱えていたのかもしれません。そして、「妹に負けたくない気持ち」と「自信のなさ」がくっついたとき、「とにかく絶対に妹にだけは負けたくない、妹にバカにされたくない、そうなったらオレはもう生きていけない！」というぐらいの焦燥感を感じたのかもしれません。そして、徹底的に牛若丸さんを侮辱するような言葉をぶつけることで、「オレはこいつに負けてない！」と自分に言い聞かせているような状況なのかもしれません。本当はお兄さんにはお兄さんの良さが、牛若丸さんには牛若丸さんの良さがあるわけで、どちらが上とか下とかいうことはありません。人としての価値は同じです。でも私たち人間はついついこういった「競争のワナ」にはまってしまうことがあります。 ○両親の存在お兄さんの牛若丸さんに対する侮辱的な言動はお父さんやお母さんの見ているところでもありますか？もしあるとしたら、ご両親はどのような対応をされているのでしょうか。気持ちの余裕がある親御さんであれば、お兄さんのこのような言動をそのままにすることはないかな、と思うのですが、どうでしょう。また、牛若丸さんはお父さんやお母さんに、お兄さんの言動に苦しんでいることを訴えることができていますか？何か訴えることができない感じなどがあるでしょうか？訴えても何もしてくれない、などでしょうか。今牛若丸さんが置かれている状況には、ご両親の気持ちの状態なども関わっているのではないかと思います。詳しく伺ってみないとはっきりしたことはわかりませんが、もしかしたらご両親がとても忙しかったり、気持ちに余裕のない状態かもしれないですね。 ○牛若丸さんがどうしたらいいのか家族の問題というのは、家族間のいろいろなバランスの中で起きることです。お兄さんの抱える事情、ご両親の事情、そして牛若丸さん自身の事情。そういったバランスを子どもの立場の牛若丸さんが変えることは難しいかもしれません。ですから、たとえ状況が変わらなくても牛若丸さんの心がラクになることを第一に考えたいと思います。牛若丸さんには、甘えられる人はいますか？お母さんでも、お父さんでも、親戚の誰かでも、学校の先生などでもいいのですが。はっきりはわかりませんが、牛若丸さんは誰にも甘えず、頼らず、がんばっているのではないかな、と思うのです。弱音も吐かず、やるべきことをしっかりこなして、お兄さんの言動にも耐えて。「甘えてはいけない、頼ってはいけない」「甘えたり頼るのは弱いこと、弱いことはよくないこと」って思っていないでしょうか？甘えるのは弱いことではないんですよ。牛若丸さんのお友だちも、けっこう親に甘えていたりします。そうやって誰かに甘えて頼って、支えてもらいながら子どもは成長していくものです。大人もお互いに甘えたり頼ったりしますが、１８歳以下の子どもたちは特に、親などにしっかり甘え、その上で学校などでがんばればいいのです。ですから、牛若丸さんがもし誰にも甘えていない感覚があるようでしたら、甘えられる人、頼れる人を見つけることが大切だと思います。まずはお母さんやお父さんはどうでしょうか？お兄さんのことでかなりつらい思いをしていることを伝えられるようでしたら伝えてください。それができないようでしたら、または話してもちゃんと受け止めてもらえないようでしたら、スクールカウンセラーや保健室の先生に話してみてはどうでしょう。また、１８歳以下の子どもが無料で利用できる電話相談がいくつかあります。代表的なものをあげると「子どもの人権１１０番」「チャイルドライン」「子ども１１０番」などです。これらはホームページもありますから、パソコンで調べてみてください。他にも、いじめ相談ダイヤルなども利用してみたらいいかと思います。お兄さんの言動はいじめと言っていい類のものですから。ご両親やカウンセラーなど、牛若丸さんが思い切って話した大人がうまく受け止めてくれなくてもあきらめないでください。１０人ぐらい話せば、おそらく気持ちをわかってくれる人に出会えると思います。まとめて言えば、「甘え上手」になることが牛若丸さんの課題かな、と思います。おこづかい、牛若丸さんもお兄さんのようにもらってみてはどうでしょう？（何かそうできない事情があるのかもしれませんが。）ご両親に気持ちの面では受け止めてもらえなかったとしても、おこづかいをもらうとか、何かの形で甘てみてはどうでしょう？甘え上手になるといっても、相手は選んでくださいね。誰かに助けを求めている人を狙う人（大人や、同じ高校生含め）も世の中にはいますから、そのあたりは気をつけてください。そして、甘えたり頼ったりしようとしても受け止めてくれない人がいても気にしないでください。その人にはその人の事情があるだけのことですから。牛若丸さんは＞でも弱すぎる自分も大嫌いです。自分が強い人だったら、といつも感じます。と書いてくれていますが、人は誰でも弱さを持っています。それでいいんです。そして、今の牛若丸さんはむしろ弱さを抑えてすごく強くがんばっている状態なんだと思います。甘え上手になることは自分の弱さを嫌わず、受け入れることです。弱くていいんです。人はみんな、同じだけの弱さを持っているんですよ。もしご質問などありましたら、初回無料の電話相談もよかったら利用してみてください。初回無料だけ利用するのも全然オッケーですよ！！仮名でも利用できます。私も子どもを持つお母さんです。母としての気持ちも込めて回答を書かせていただきました。牛若丸さんのこと、応援していますね！三島桃子

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