コントロールされないコミュニケーション

相談者名
みつはち
世の中には、他人に意地悪な人や傷つける人もやっぱりいると思います。

あからさまな嫌がらせや暴力を行う人は中々いませんが、陰口悪口をいう・嫌味をいう・
暴言を吐く・罪悪感を煽る・素っ気無い態度をする・怒る怒鳴る・八つ当たり・人のせい悪者にする、
というように、相手を言葉や態度で無意識にコントロールしようとする人は、大人でもけっこう多いように感じます。

いじめやモラハラも他人をコントロールしようとすることに似ていると思います。

そんな時、相手の思うとおりの反応をせずに、自分の意思をしっかりもって振舞えるようになるにはどうしたらいいのでしょう。

相手の言葉をさらりとかわして、なおかつその相手に過剰に攻撃的になったり、防衛的な態度にならず、自分らしくいられるコミュニケーションをとるには。相手の言葉の影響を受けずに、自分は自分と思えるようになるには。

相手の怒り・恨み・嫉妬・恐れなどの感情を軽やかにかわして収めるには。

具体的な対処法・対応法・心理エクササイズなどあればお願いします。

カウンセラー
三島桃子
みつはちさん、初めまして。今回担当させていただく三島桃子と申します。どうぞよ
ろしくお願いいたします。“相手をコントロールしようとする”相手をどう扱えばいいのか。

おっしゃるように、さらりとかわして、影響を受けずにいられたらいいですよね。

心理学では、「出来事は、自分と相手、両方の相互関係から起こる」と考えます。

相手には相手の課題があります。でも、こちらにもそういう相手を引き寄せ、そうい
う言動を引き出してしまう要因があるとしたら、自分にはどんな課題があるのか?そ
してその課題を解消するためにはどうしたらいいのか?というふうに見ていくわけで
すね。

相手をコントロールしようとする人を引き寄せてしまうとしたら、自分の方にはどう
いう課題があるのでしょうか?

相手を鏡だとすると、自分も相手と同じことをしているところがあるのかもしれませ
ん。行動には移していないかもしれませんが、もしかしたら、自分もいろんな場面で
相手をコントロールしたいという気持ちがないだろうか?と振り返ってみると、どう
でしょう?

すぐにはピンとこないかもしれません。

例えば、「自分は正しい」って思っていないでしょうか?

「私は人が嫌な気持ちになるようなことはしない。悪口や嫌味を言ったりしない、八
つ当たりもしない。人を恨んだり、怒ったり、妬んだりもしない」、そんなふうに
思ってないでしょうか?

もしそう思っているとしたら、「自分は正しい」なんですよね。そして、それは、相
手を上から目線で見ることにつながります。上から目線で見られるのは、誰でも嫌な
感じがするので、結果的に相手からの攻撃を引き出してしまいます。

もしこういう状況があるとしたら、おそらく、家族の誰かに対して、あるいは自分以
外の家族全員に対して、「私の方が正しい」というのがあるのだと思います。

例えば、子どもの頃、お父さんがお酒を飲んでは家族に八つ当たりしていた、としま
す。そんな父親はバカだ、間違っている、と思うのは、子どもの立場としては当然だ
と思います。そして、お父さんに対して「私の方が正しい人間だ」という思いがあっ
たとしても、不思議ではありません。ただこれは子どもの目線なんです。

そして、「自分が正しい」という気持ちがあると、どうしても「コントロールした
い」という気持ちも出てきます。無意識であっても「私ならこうする、その方が正し
いのに」という感覚になり、それは雰囲気として相手に伝わります。「あなたは間
違っている、○○しなさいよ」というような空気として。

さらに、最初はお父さんに対して、であった気持ちが、知らないうちに他の人にも向
けられる、ということが心理の上では起こります。また、無自覚であっても相手に伝
わってしまう(相手も無自覚のまま感知する)ところが、心理の不思議なところです
ね。

ともかく、それが相手を刺激して、場合によっては攻撃されてしまいます。もちろん
それは、相手の課題もあってのことですが。

一方、大人の目線で考えた時、「でも、じゃあお父さんはどうしてあんなにお酒を飲
んで荒れていたのかな?」という視点も出てくるわけです。そこで見えてくること
は、子ども目線とは違うはずです。単純に「私の方が正しい人間だ」と言い切れない
ものが出てくるかもしれません。

こういう大人目線のものの見方ができるようになると、家族や周りの人に対して知ら
ず知らずやっていた「上から目線」がなくなってきます。雰囲気としては、以前に比
べて「味のある大人な人」になってきます。

そして、自分自身の気持ちにも余裕が出てきます。相手をコントロールしようとする
人は、気持ちに余裕のない人を狙います。余裕のない人の方がコントロールしやすい
ですからね。余裕がある人は、ターゲットにされにくくなります。

また、もしターゲットにされそうになっても、それこそ大人の余裕で、巻き込まれる
ことがないようにふるまえます。

ですから、一番の対処法は、自分自身が本当の意味で「余裕ある大人」になることで
す。それには、一見関係ないように見えても、自分の家族関係を振り返ってみるとヒ
ントが見つかるかと思います。

「本当の大人」になるためのエクササイズはありますが、文章で伝えるのは誤解が生
じやすいので、興味があるようでしたら初回無料のカウンセリングもご利用してみて
ください。

当面の対応としては、相手にもよりますが、距離をとることで多少状況が改善される
こともあります。

ご相談いただきありがとうございました。

三島桃子

この記事を書いたカウンセラー

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