息子の将来について

相談者名
N・M
16歳の息子のことで悩んでいます。
中学2年生の頃から、素行が悪くなり、高校の進路決定の時期も、強い進学の意思はなく、働いてもいいと言っていました。
当然勉強もやらず、素行が悪いので、どうにかレベルを落として何とか行ける高校に合格しました。
親としては公立に行って欲しかったのですが、やりたい部活があったので私立の高校を選びました。そこだけは本人の意思で決めさせました。

しかしながら、入部後、朝練やスポーツ推薦の同級生のレベルについて行けないのか(私の憶測ですが・・・)練習や学校を休みがちになり、夏休みの直前に部活を辞めました。

夏休みは特に出歩くこともせず、バイトも少しやっていましたが、すぐに辞めて新学期が始まりました。

10月になってから、部活を一緒に辞めた友達とつるむようになり、そこから色々と問題を立て続けに起こし、11月に退学となりました。

最初の頃は息子の担任もかばってくれて何とか謹慎処分で済んでいましたが、
度重なるにつれ、担任も私達親ですら、呆れてかばってやることが嫌になりました。
そんな息子に腹が立ち、今までの口惜しさ、腹立たしさ、後悔、悲しみ全ての感情をぶちまけてしまいました。
親として言ってはいけない暴言 「お前が信じられない、裏切られた、顔を見たくない、家から出て働きなさい」も言いました。

退学になり2週間余り担任や私は通信制高校なども勧めましたが、息子が自ら行かせて欲しいと言うまでは、行かせなくて良いと主人は言います。

主人の言い分も正しいと思います。高校が自らどうしても行きたい高校でないから簡単に退学してしまったので。
現在やっとコンビニのバイトを夕方週2くらいで始めましたが、バイトのない日は昼近くまで寝て、毎日ゲームやビデオなど好き勝手に過ごしています。

そんな息子を見ていると私はイライラしてストレスが溜まり、つい嫌味の一言でも息子に言ってしまいます。
主人は干渉せず、自分が決めて動くまで我慢して放っておけと言いますが、とてもしんどいし辛いです。

これから先、息子とどのように関わっていけば良いのでしょうか?
私としてはやはり高校卒業の道をあきらめて欲しくないです。

カウンセラー
大谷常緑
N・Mさんこんにちは。
初めまして。
ご相談を担当させていやだく大谷です。よろしくお願いします。

息子さんの状況に対するご心配はもとより、M・Nさんがやイライラを感じたり辛くなったりするお気持ち拝察いたします。

さて、先ずは息子さんの心の中で何が起きているのかから先ずはお話ししましょう。
息子さんは、今、失敗感が一杯で、自分は駄目な人間なんだと心のどこかで責め苦しんでおられる状態です。
本当は誰にも認めてもらえる自分になりたい、もっと頑張って取り組みたいという思いがあるのですが、一方で思う通りに行動できない自分に無力感や無価値な自分を感じ、結果的に今のような行動になっているのです。

人は誰でもその言動で自己表現をします。
息子さんが取られた行動、様々な問題を起こして退学になるような状況になったのも「ほら、俺ってこんなにダメな人間でしょ」という自己表現の一つなのです。
そう思ってしまったのは、誰のせいでもありません。
息子さんが勝手にそう思い込んだだけなのです。

さて、そのように息子さんは自分の事を認められない状態ですので、代わりに誰かが息子さんの事を認めてあげる必要があります。
息子さんのようなケースの場合、誰かが自分の事を認めてくれて初めて、ご自身で自分の事を認める事ができるようになります。
自分を認める・・・そうなると自分に対する信頼、すなわち自信が甦ってきます。それと同時に人を信頼することもできるようになります。
ここはぜひ、少し長い目で息子さんの事を見てあげて、息子さんの良い部分を認め、褒めてあげて欲しいのです。
よく誤解されるのですが、これは、甘やかすという事とは異なります。
息子さんの中にある物事の捉え方や感じ方を変えていく、特にご自分や人間そのものに対する厳しい見方を変化させていく方法なのです。

では、次にN・Mさんご自身のイライラやストレスに関する問題です。
どうしてN・Mさんはこのような状況でイライラするのでしょうか?
ちょっと考えてみてください。
N・Mさんはイライラするかもしれませんが、人によっては平気な人もいます。
という事は、N・Mさんの外に問題があるのではなく、内側に問題が存在しているのですね。
例えて言えば、ジェットコースターに乗ると外側からやってくる状況はみんな同じはずですが、それを楽しいと感じるか、怖いと感じるか人により異なるような感じです。

N・Mさんは、息子さんを信頼できずにいます。
ご心配なのは理解できますが、息子さんとの心の距離が近すぎるので、「わが身のこと」のように感じてしまうのです。
ここは、人間としての息子さんを信頼することです。
その信頼感はN・Mさんの言動にも反映されるので、息子さんに伝わるはずです。
さて、ではN・Mさんがどうすれば息子さんを信頼できるかですが、N・Mさんが自分を否定せず、肯定することです。
「こうしなければならない」「こうでなければならない」というルールや観念を手放し、「いい」「悪い」と判断する(裁く)事を止め、ご自身を全面的に認めてあげて欲しいのです。
そして「人がそうするには訳がある」事を理解しようとし、ご自身にもそれを適用していただきたいのです。
そうすると、物事の見方や考え方が変わってきます。
怖れから自分や人をコントロールしようとしていた事が実感できると思います。
そうして自己肯定していくと、ご自身を信頼する事ができ、また息子さんも信頼する事ができるようになります。

回答がお役にたてば幸甚です。
ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

恋愛や夫婦間の問題、家族関係、対人関係、自己変革、ビジネスや転職、お金に関する問題などあらゆるジャンルを得意とする。 どんなご相談にも全力投球で臨み、理論的側面と感覚的側面を駆使し、また豊富な社会経験をベースとして分かりやすく優しい語り口で問題解決へと導く。日本心理学会認定心理士。