人の話が聞くことが難しい。

相談者名
菊子
こんにちは、私は菊子といいます。
今学生なのですが、特に目上の人からよく「人の話を最後まで聞きなさい。」と注意をうけます。自分の行動を振り返ってみると、人の話を聞いているときに違う事を考えてしまうことがあるので、少し自覚はしているつもりなのですが、どうしたら直るのか分かりません。人の話を聞いている時に別のことを考えるのをやめたいのですが、なかなかやめられません。今までずっと人の話を適当に聞いていたツケがまわってきたのかもしれません。しかし、これから社会に適応していくために、少しでもいいので、人の話したことやその人がその言葉を発した理由が分かるようにしたいです。くだらない小さな悩みかもしれませんが、自分と同年代だけでなく、それ以外の人とも良い関係を作れたら、これから先も楽しく過ごせる気がするので、ぜひカウンセラーさんの意見を聞かせていただきたいです。
よろしくお願いします。
カウンセラー
寺島やすこ
初めまして、菊子さん。
カウンセラーの寺島と申します。
ご相談ありがとうございます。メールを読んでいて、菊子さんの一生懸命な気持ちがよく伝わってきました。
人からのアドバイスを素直に聞いて、自分の未熟なところは補強していこう、
という考えは、お若いのに立派な姿勢だと感心しました。
その素直でまっすぐなところにぜひ自信をもってくださいね。

さて、今回の”人の話を最後まで聞くにはどうしたらいいですか?”
というお悩みについてですが、これは集中力という言葉がキーになると思います。
要は”人の話を終わるまで集中して聞きたいけれど、集中力が最後まで続かない”
ということなのだと思います。
まだ菊子さんはお若いので、うまくできなくても、無理もないところもあると
思いますが、こちらは訓練しだいで変えていくことが充分できます。
変化していくスピードは、クセを矯正するとか、初めてのことを習得するのと
同じくらいのイメージで考えていただくとわかりやすいのではないでしょうか。
例えば、髪の毛をいじってしまう、親指のツメを噛んでしまうクセを治す、
または、ダイエットをする、英会話を習得する、車の運転を習うというのに近いで
す。
これらにかかる手間や、時間くらいは最低かかることが多いのです。
もちろん、心の受けとめ方しだいなので、自分にできると思えれば、
その期間はいくらでも短くもでき、できないと思い込んでしまいますと長くなりま
す。

ちなみに菊子さんは、アドバイスを目上の方からよく言われるんですね。
ということは、同世代、年下の方からは言われことはないか、少ないのでしょうか?
だとしたら、特に年上の方のペースにあわせるのが当面の目標になりますね。
同世代と年上の方を比較した場合、あくまでも単純な一般論ですけれども、
年上の方の方がより話が長い、また、話の内容がより複雑ということが考えられま
す。
例えば、読み物にたとえると漫画とかアニメってわかりやすくて、短いものが多いで
すよね。
そして、古典文学、純文学などは、長くて、難しく感じられませんか?
また、例えば小学校から高校3年までの教科書の内容を順々に思い出してみてくださ
い。
最初はさし絵が多く、文字が少なめだったのが、だんだん文字が多くなって、
内容も複雑になってきてましたよね?
それはどうしてでしょう?
つまり、成長していくにつれて、複雑なことも理解できるよう、時間の経過にあわせ
て、
少しずつ内容を変化させていっているのです。簡単なものから、複雑なものにです。

会話についても、集中力についてもこれと同じです。
菊子さんは同世代の方とはマッチしているのであれば基本OKですが、
感心なことに、更に飛び級レベルもチャレンジしていきたいということなので、
確かにおっしゃるとおり、上達すれば上達するだけ、
日本語以外の外国語を習得したようなメリットがありますので、ぜひ頑張ってくださ
いね!!

では、ここから具体的な集中力を高めるトレーニングを提案していきたいと思いま
す。

前置きとして、完璧は目指さないようにすることがコツです。
大事なのは、必要な時に集中することであり、いつもいつも集中する必要はないので
す。
集中するということは、緊張もともないますから、365日、24時間、ずっと緊張して
いますと
疲れてしまいます。疲れすぎると、過剰なストレスの原因になって体を壊してしまい
かねません。
なので、長距離マラソンを走るのと同じく、ペース配分と、無理のない基礎体力の増
強が
大事なんですね。

【毎日少しずつチャレンジできる簡単エクササイズ!!】

1. 通学電車で、周囲の人をウォッチングし、
「この人はどんな状態なんだろう?
この人は何をしてあげたら喜んでくれるだろうか?」
という視点で、その人にあげたいものを考える。
本当にあげる必要はありませんが、
疲れていそうなら、肩もみしてあげたいな~とか、
コーヒーを一杯入れてあげたいとか、
かつらをプレゼントしてあげたいとか、
なんでも良いのです。
あなたの自由な発想で楽しんでイメージしましょう。
そして、そのウォッチングしている時間を、
1日5人、10人、10分、15分、30分と・・・少しずつ増やしていきます。

2. 傾聴練習を身近な人とチャレンジしてみる
傾聴、言葉のとおりじっと話を聞く練習ですが、簡単にルールがあります。
お互いに練習しあう仲間とやります。友達とか、家族の方と一緒に
チャレンジされてみてはいかかでしょうか?
ちょうどいいお相手が見つからない時は、カウンセラーもぜひ利用してくださ
いね。
最低2名いればできます。

1)まず、最初に話す人役、聞く人役を決めます。

2)話すテーマを決めます。
テーマは、「お母さんについて」「恋愛について」
「昨日見たテレビの内容について」「平和について」
「いままで一番びっくりしたこと」
「最近一番悲しく思ったこと」
「将来の夢」「小学校の頃の思い出」・・・などなど。
なんでもOKです。

3)話す人決めたテーマについて10分間話します。
この10分間聞く人は一切言葉を差し挟んではいけません。
あいづち、うなずくくらいに留めて、聞くことに徹します。
話す人の方も短めに終わらせず、間が長くとぎれても良いので、
10分間は話すことにチャレンジしてください。

4)話が終わったら、今度は聞く人役が、先ほど聞いた内容を要約して、
3~5分で「あなたの言いたかったのはこういう内容でしたか?」と確認しま
す。
もし、話す役の人は違う、誤解していると思った分は、
フィードバックして、内容の訂正、説明をします。

ここで大事なのはあくまでも、相手の話した内容を確認するだけで、
聞く人役は自分の意見や感想、考えは言わないことです。

5)次に役割を交換して、同じ作業をします。

6)全部終わってから、この傾聴練習の感想を話し合います。

この傾聴練習はとても実践的です。
人は相手の話を聞いている時にさえぎってしゃべりたくなったり、
また、上の空になってしまうことがあります。
けれども、この10分ずつの練習によって、
話すタイミングと聞くタイミングの切り替えを訓練できるのです。
ひたすら聞くというルールがありますから、
じっと聞くというスタイルを身につけたり、
あとで要約して確認する作業があるので、真剣に聞くようになります。
また、話すのも相手にわかりやすく話すという視点で、
いい練習になるのです。

あとは、気持ちの上での心構えのコツですが、何でも好奇心をもつことでしょうか。
例えば、私が人と会話する時に思うことなのですが、参考までにご紹介しておきま
す。
「この人はどうしてこういうことを言いたいと思ったんだろう?」
「この人との会話を通して私は何を学べるだろうか?」
「この人と私の違うところ、同じところはなんだろう?」
こう考えると、人間研究の一環して面白く感じられるんですね。

ぜひ、菊子さんのペースで無理のない範囲で少しずつチャレンジしてみてください
ね~。
ご相談、ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

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