話すということ

先日友達と電話で話をしていた時のことです。
その友達(以下彼女と書きます)が「実は、聞いてほしいことがあるんだけど今話しても大丈夫?」と言ってきました。
彼女の話を聞いていくと、人間関係でとても疲れてしまっているとのこと。
職場の人間関係で気持ちが落ち込んでいるらしいのです。
時間に余裕もあったので、私はただただ詳しい話を聞いていきました。
彼女は話に出てくる人たちに気を遣いながらも「でも私はこう感じた」と自分のその時の気持ちをいろいろしゃべってくれました。
すると、ある程度話した時点で
「あ~なんだか楽になった!ありがとう。」と彼女が言いました。
そして続けて「・・・でも私、・・・職場のことではもう悩みたくない!
このことでエネルギーを使うなら、もっと他のことにエネルギーを使いたい!」と明るく言い放ち、くすくす笑い出しました。
その瞬間私も笑って「ははは、そうよね。」と、気分が入れ替わる感じの楽しい気持ちになりました。
そうなんですよね。「ま、いっか」と思えたら気持ちは楽になります。
話す前の彼女は、かなり多忙な生活の中で心身共に疲れていて気持ちに余裕がなくなっていたようです。
本来の彼女らしさである自由さや無邪気さがどこかへ消えてしまい、「こうしなければ」「こうであらねば」という考えにとらわれているようにも見えました。
「こうしなければ」と考えるのは、彼女が真面目で他人を思いやっているからに他ならないのですが、苦しくなるほど我慢する必要もないように感じました。
そして、「他のことにエネルギーを使いたい!」と言った彼女からは本来の彼女らしいお茶目なエネルギーが感じられました。
東日本での地震があり、彼女は被災地在住ではないものの、普段の生活がずいぶん変わってしまい、それに仕事の忙しさが加わり疲労困憊しているようでした。
それは彼女だけではなく、一緒に働く人たちも同じだったのかもしれません。いま日本中の人たちが何らかの痛みをもち、それでもなおかつ頑張っているような気がします。
新聞に載っている専門家の意見や、様々なところで見聞きするのが、
「こんなときこそ、人とつながりましょう。コミュニケーションをとりましょう」という言葉です。
人に自分の悩みを話す時、一見自分が相手にお世話になるかのような印象がありますが、本当は聞いているほうも助けられていることが多いのかもしれませんよ。今回の彼女との会話で、「そうよね。私も悩むことにエネルギーを使うより、もっと周りも自分も元気になれることにエネルギーを使おう。」と思えたんです。
こちらこそ、ありがとうね、なのです。
(友だち本人の了承を得て書かせて頂きました。

うえの道子のプロフィールへ>>>

この記事を書いたカウンセラー

About Author

退会しました。