共に生きるということ ~あるレスキュー隊員の奥さんの言葉を聞いて~

以前、息子とテレビを見ていたときのことです。

「レスキュー隊員の奥さんへのインタビュー」という場面がありました。

レスキュー隊の仕事は人命救助。当然、仕事自体が危険と隣あわせのような仕事です。

インタビューの中でも、奥さんの口から
「結婚前は、とても不安だった時期があります。」
「仕事に行っている日は、メールの返事も全くないこともあるから、そのたびに『もしかして・・・』と不安になりました。」
「この人とやっていけるかな?とも思いました。」
という言葉も出てきていました。

その奥さんの話を聞きながら、「そうよね、そうよね・・」と思わずうなずいている私がいました。

「おつきあいしている人と連絡がつかない・・」それだけで不安になるものだと思うのです。
まして、仕事が危険と隣あわせだとしたら、不安は余計に大きくなるでしょうし、心配のあまり、イライラしてしまうことだってあるかもしれません。
イライラしすぎて、彼に八つ当たりしたくなることだって、あっても不思議じゃありません。

不安な自分。
イライラしてる自分。
八つ当たりしちゃう自分。

こんな自分を「好き」にはなりにくいですよね。

自己嫌悪が大きくなりすぎて、自分をそんなイヤな気分にさせる「彼」を嫌いになる。
そんな場合もあるかもしれません。

テレビに出てきた奥さんも何度も、「わたしじゃムリ!!」と感じたそうです。

でも、ある日、
レスキュー隊員の彼が、落ち込みながら仕事の話をした時に、奥さんは、「この人と生きていこう」と思ったのだそうです。

レスキュー隊員の彼は、命を救うことが仕事。
でも、その日の出動では、「すでに命は失われている状態」だったそうです。

彼は
「できるだけ遺体に傷がつかないように・・と思いながら運び出したんだ。」
「一人でも多くの命を救いたいんだ。」

そんなことを彼女に話したのだそうです。

「一人でも多くの命を救いたい」と心から思っている彼だからこそ、「救えなかった」という事実は重く、彼女の前で吐いてしまった弱音。

そんな彼を目にしたとき、奥さんの心の中にあった迷いが消えたのだそうです。
自分の不安な気持ちより、彼の「命を助けたい」という思いを大事にしたい。彼を支えたい。その思いのほうが強くなり、この人と一緒に生きていきたいと心の底から思ったと笑顔で話していました。

インタビュアーに「結婚して何が変わりましたか?」と質問されたとき、奥さんはうれしそうに「彼のためにしてあげられることが増えました。」と答えました。
その言葉と表情を見た私は「すごいなぁ・・・・。この奥さん」と思わずつぶやいていました。。

勝手な想像かもしれませんが、わたしは、この夫婦の話を聞きながら「パートナーシップ」ってこういうことだよなぁ・・って思いました。

彼の心の奥底から湧き上がってくる「一人でも多くの人を救いたい」という思い・・。
その心意気を含めて、彼女は夫となる人を愛したのではないかと思います。

「彼の思いを実現させてあげたい・支えたい」それが彼女のモチベーションとなっているような気がしました。

二人は同じ世界を見ているんだなぁ・・そんな気もしました。

この奥さんにとって、彼の喜びは自分の喜びなのです。
だからこそ「彼のためにしてあげられることが増える」ことがうれしいのです。

そう思いながら自分が結婚したときのことを思い出しました。

わたしは彼女のように「彼のためにしてあげられることが増えてうれしい」と思っていただろうか?と・・・・

・・・・・答えは、残念ながら NO。

若かった頃のわたしには、「彼に何をしてあげよう。」「どう彼を喜ばせてあげよう。」という発想はなかったんですよね

奥さんなんだから
ちゃんと料理を作らなきゃ!!
洗濯しなきゃ!!
片付けもきちんとしなくっちゃ!!
そんな感じだったと思います

まるで「奥さん」という仕事を始めたみたい・・・

「しなくっちゃ!!」という気持ちの時は周りがどんなに「ありがとう」って言ってくれても「一応、奥さんですから・・」みたいな答え方をしてしまって受け取りにくいんですよね。

だって、仕事(役割)ですから・・・

そして、仕事だと感じている分、ちっとも楽しくないし、なんでわたしばっかり・・という不満も出てきちゃうんですね。

もし、あの頃
「この人の思いを一緒に感じたい!」「実現させたい!」と思っていたら、もっとワクワクしながら家事も仕事もできていたのかもしれないなぁと、ふと思いました。

パートナーシップは「この人と共に生きる」と決めるところから始まります。

そのときに「彼(彼女)を自分の喜びとし、自分が彼(彼女)の喜びとなる」そんなふうに決められたらいいですね。

我が家でも、思い出したときが吉日とばかりに、「お互いをお互いの喜びとし、お互いの喜びであり続けよう」と、再確認。

私たち夫婦は、こうやって、どちらかが気づくたびに、「自分はパートナーの喜び」であることを思い出し、自分を愛してくれるパートナーに感謝しあってきました。

「気がついたら、また、そこから始めればいい・・。」
その繰り返しが二人の絆を深めていくのだと私は思っています。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

那賀 まき

夫婦関係や子育て、対人関係、仕事、障害児の家族の問題など幅広いジャンルを扱う。特に「ずっと一人で頑張ってきた人が『より楽によりよい人生を選択できるようになるサポート』が好評である。
お客様から「無理のない提案で確実に変化できた」「会うと元気になる」等の感想が多く寄せられている。