仕事で人の意見に振り回される苦しみから抜け出すために~自己価値を取り戻す~

自分の価値に気づいていけると、誰かの意見も受け入れられるようになっていきます

仕事で人の意見に振り回される苦しみは、自己価値を感じられていない時に起こりやすいのです。誰かに対してではなく、自分に価値がないから自分の意見が持てない苦しみなのです。まずは自分の気持ちに寄り添うところから始めていくことで、段々と自己価値に気づき、振り回されていると感じにくくなります。

カウンセリングの中で伺う、仕事に関するご相談のひとつに

「人の意見に振り回されて苦しくなる」

というテーマがあります。

この悩みは、仕事だけにとどまらず、パートナーシップや友人との関わり等の中でも起こりうる話ですが、その理由は自己価値を感じられていない時に起こることが多いのです。

自分に自信がない時、人の意見に目が向く

例えば、仕事で新商品のアイディアを考えていたとします。

そこで、自分以外のいろいろな意見を取り入れよう、と周りの人の話を聴いていたとしますよね。

この時、自分に新商品のアイディアを作り出すことに全然自信がなかったとしたら、周りからの意見のどれを取り入れたらいいか、選ぶことが難しくなってしまうので、これが「人の意見に振り回される苦しみ」になるのですね。

人の意見に振り回されてしまう時というのは、自分に自信がない時に起こりやすいのです。

なぜなら、答えが自分の中に見つけられないから。

そのため、自分の外に答えを見つけようとしてしまいます。

別の言い方をすれば、自分以外の人に依存してしまう、ということになります。

しかし、明確に誰かが答えを教えてくれたらいいのですが、アイディアがいくつも周りから出てきた時には、自分の中に答えがないから、どれを選べばいいかわからなくなってしまいます。

その中からようやく一つのアイディアにまとめることができたとしても、誰かの意見によって作られた新商品のアイディアである、という思いがずっと自分の中に残ってしまうため、自分が作り出したものとは思えず、喜びも充実感も感じにくくなってしまいます。

もしかしたら、この「アイディアをまとめる」作業に自分の才能が発揮されているのかもしれず、そのことは周りの人はみんな認めているのに、自分だけがそれを認めてないと、

「また人の意見に振り回されて苦しむことになってしまった」

と、最終的にはそんな自分のことを責めることになる場合も少なくありません。

逆の場合を考えてみましょう。

例えば、自分の中に新商品のコンセプトや世に送り出したい商品のイメージ等のように目指す方向性があるとか、過去の経験等から「いろいろな意見を取り入れていく中で良いアイディアがきっと閃くはずだ」みたいな感覚があるとか。

こうした思いがあれば、周りの意見に迷うことはあっても「振り回されて苦しい」という感情は出てこないはずなんですね。

では、こうしたことができる人が自信満々なタイプかというと、そうでもないのです。

そんなに自信があるわけではないし、しんどいところも沢山あるけれど、みんなの力を借りたらなんとかなるとか、なんとかいいアイディアに辿り着けるはずだ、と思いながらやっている方も多くみえます。

ポイントは、自己価値を正しく認識できているか、つまり、自分に価値を感じられているかどうか、ということなんですね。

人の意見に振り回されて苦しい時とは、自己価値を感じられない時に起こりやすいということなんです。

実は「周りの意見に振り回されて苦しい」時というのは、表面的には、自分を振り回してくる周りの誰かに対しての怒りだったり、振り回されている状態が苦しいと感じているのですが、深層心理では、自分には価値がないという感情に直面することが苦しいのです。

あなたの中には自分で気づいていない才能・魅力・良いところがある

人の意見に振り回されるタイプの方にお伝えしたいのは、

「調整能力が高い」

「人を思いやる、労わる気持ちがある」

「気配りができる」

こうした素晴らしさを持っている人が多いということです。

しかし、せっかくの素晴らしさも、自分に価値を感じていない=自分にダメ出しばかりしていては、使うことができません。

自分の価値に気づいて、使えるようになっていくために、まずは、自分へのダメ出しを減らすことから始めていきましょう。

その方法は、一つ目が、あなたのことをよく知っている人に自分の良いところを教えてもらうこと。

先の例で言えば、人の意見に頼ってようやく新商品のアイディアができたけど自分の意見は何もない、と責めている時に、周りの人は意見をまとめられる才能を見ている、みたいな感じです。

もう一つが、自分に寄り添ってあげること。

これは、良いところも悪いところも、どちらも自分なんだと思って、自分を受け入れてあげることを意味します。

このやり方を使う時のポイントは、うまくやれる時も、やれない時もあっていい、と思いながら行うこと。

そうでないと、できない自分をまたダメ出ししてしまいます。

人の意見に振り回されて苦しいと思ったら、そんな自分にも寄り添ってあげましょう。

そして、よくがんばってるよ、と自分に言える時や、誰かに価値を教えてもらえた時は、そんな自分に寄り添ってあげましょう。

これを積み重ねていくことで、段々と自分の価値を感じられるようになっていき、そのことで人の意見に振り回されると感じにくくなっていきます。

そもそも、周りの人が意見を言ってくれるのは、あなたのことを応援してくれたり、才能を見てくれたり、慕ってくれているからかもしれないのです。

自分に価値を感じられない時は、自分を責めている度合いだけ、人も同じように自分の価値を低く見て責めているはずだ、と感じてしまうもの。

すると、あなたの応援者の存在に気づくことができなくなります。

自分の価値に気づけば、周りの人も同じように価値を見てくれているはずだ、と感じられるようになり、いろいろな意見をもらった時にも、振り回されているとは感じにくくなるのです。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

名古屋を軸に東京・大阪・福岡でカウンセリング・講座講師を担当。男女関係の修復を中心に、仕事、自己価値UP等幅広いジャンルを扱う。 「親しみやすさ・安心感」と「心理分析の鋭さ・問題解決の提案力」を兼ね備えると評され、年間300件以上、10年以上で5千件超のカウンセリング実績持つ実践派。