人に気を使う心理(1)〜自分のことを受け入れると人に気を使うのが消える?〜

自分のことを受け入れると人に気を使うのが消える?

人に気を使ってしまうというお話をカウンセリングでお聞きすることがあります。人に気を使って話す内容に気を回しすぎたり、自分の要望が言えなかったり、疲れてしまいますね。自分のことを受け入れることで人に気を使う心理を緩めていけるタイプの方がいらっしゃいます。それはなぜなのか?を解説します。

***

●人に気を使い疲れる人たち

カウンセリングで人に気を使うというお話を聞くことがあります。

人に気を使うので疲れる
気を使うので一人で過ごすほうがいい
気を使つかって何を話していいか分からなくなる

等々の話をお聞きすることがあります。

人に気を使うで一人でいるほうがいいとおっしゃられるクライアントさんの中には、「実は人が好きなんです」とおっしゃられる方もいらっしゃいます。

実は人が好きなんだけど気を使って心が疲れてしまうので、人と一緒にいたいけど一人でいるほうを選ぶということをお話しくださいます。
でも、心のどこかで実は人が好きなので一緒にいたいという気持ちも働いているので、ヤマアラシのジレンマのような気持ちになられているというお話も聞きします。

(※ヤマアラシのジレンマ:鋭いトゲを持つヤマアラシは、寒い日にお互いに身体を温めようくっつこうとすると、そのトゲでお互いを傷つけあってしまう。だからといって離れると今度は冷えてしまい、いずれ凍えてしまう。そこでヤマアラシたちは近づいたり、離れたりを繰り返し、傷つけ合わずに、でも温かい、ちょうどいい位置を発見したというお話)

この人に気を使うという心理について今回から4回シリーズで扱ってみたいと思います。
気を使うことが少しでも減るのにお役に立てれば幸いです。

●人に受け入れられない恐れ

なぜ人に気をつかってしまうのでしょうか?

その理由は人様々なのですが、今回はその一つを紹介したいと思います。

受け入れられない不安(受け入れられない恐れ)から人に気を使うという心の動きを作ってしまっていることがあります。

相手に受け入れられないんじゃないか?という不安から、「この話をしても大丈夫なんだろうか?」などと話す内容に気を回しすぎたり、「買いたいものがあるからお店に寄ってもらってもいい?」など自分の要望を言うことを躊躇するなど、気を使ってしまうということがあるようです。

では、なぜ受け入れられない不安ができてしまうのか?

過去のいじめという経験が受け入れられない不安を作ってしまう人や、家族との関係でありのままの自分を受け入れてもらえなかった経験がその不安を作ってしまっている人など、これも人様々違っています。

人様々なのですが、人に受け入れらない不安を作る一つのケースとして、自分が自分のことを受け入れられていない心理が、「人に受け入れられないのでは?」という不安を作るケースがあります。

自分が自分のことを受け入れられていないというのはどういうことかというと・・・

例えば、
すぐに落ち込む自分ってダメだやつだ。
人に嫉妬してしまう自分って嫌い

というようなもの。
自分の一部を嫌っていたり、否定していたりして受け入れられていない状態です。

違う言い方をすると、
人間だから落ち込む時があってもいいじゃないかとか、人に嫉妬してしまう自分がいてもいいじゃないか、などのように、そういう自分があっても良いというのを許しているのではない状態とも言えます。

●投影が働く

この自分で自分のことを受け入れてない心理があると、人にその心理を投影をしてしまい、「人に受け入れられないのでは?」という不安を作ってしまうのです。

(※投影の心理について知りたい方はよろしければこちらの記事もご覧くださいね。)
↓↓↓
投影(1)~投影とは?~:https://www.counselingservice.jp/lecture/3328/
投影(2)~誤解を解く~:https://www.counselingservice.jp/lecture/3331/
投影(3)~完了していない感情~:https://www.counselingservice.jp/lecture/17522/
投影(4)~良い投影を起こす~:https://www.counselingservice.jp/lecture/17524/

つまり、自分で自分のことが受け入れられないように、人もそんな自分を受け入れられないんじゃないかという投影を心の中でしているのです。

●自分を受け入れていくことへのチャレンジ

「私は人に気をつかうタイプだし、自分のことを受け入れてないタイプ!これかも?」
と思った方は、人に気を使うことを減らすために、自分のことを受け入れていくことにチャレンジしてみてはいかがでしょう?

自分のことを受け入れていく鍵は“許し”です。

例えば、
「すぐに落ち込む自分ってダメだやつだ」と、そんな自分の一面を受け入れてなかったとしたら、「人間だから落ち込む時があってもいいじゃないか」などのようにそんな自分を許してみようと思ってみるんです。

完璧な人なんて世の中にはいません。
うまくできないことや、ネガティブな一面があったとしても、そんな自分を許して、受け入れてあげてくださいね。

自分を許し、受け入れて、人に気をつかうことが減り言いたいことが言いやすくなったり、気を使って疲れることなどが減っていくといいですね。

>>>『人に気を使う心理(2)〜自分は人に害を与える存在って思っていませんか?〜』へ続く

この記事を書いたカウンセラー

About Author

若年層から熟年層まで、幅広い層に支持されている、人気カウンセラー。 家族関係、恋愛、結婚、離婚、職場関係の問題などの対人関係の分野に高い支持を得る。 東京・名古屋・大阪の各地でカウンセリングや心理学ワークショップを開催。また、カウンセラー育成のトレーナーもしている。