人間関係は代理戦争?(3)~連鎖する関係性~

前回紹介したA子さんの事例を更に詳しく掘り下げます。

A子さんはなぜ、そんなに欲しい欲しい病になってしまったのでしょうか?それは、元彼やお母さんが与えてくれなかったことが大きな原因なのですが、でも、更に風呂敷を広げてみると、その元彼やお母さんも誰からも与えてもらったことがなかったことが分かってきます。そんな風に関係性は連鎖しているのです。そして、それは彼氏の側にも起こっていること。だから、代理戦争なのです。

●連鎖する関係性

前回紹介したA子さんの中に、何が起きているのか、今回はそれを詳しく考えて行きたいと思います。

A子さんの彼は、A子さんが子ども時代からずーっと欲しくて欲しくて、でも、手に入らなかったものを、ふんだんに与えてくれたんです。

その時、ダムが決壊してしまったんですね。我慢というダムが。

そして、今までの恋やお母さんとの関係で溜め込んできた「~して欲しい」というニーズがあふれ出てしまったのです。

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しかし、この連鎖。もう少し注意深く見ていくと、こんなことが分かってくることもあるんです。

例えば、お母さんもまた、旦那(すなわち、お父さん)から無関心だったということや、元彼もまた元彼女から冷たく愛情のない恋愛をしてきたとか。

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こういう部分ではかなり連鎖が起きているんです。

ちょっと複雑ですね。

ただ、この流れが分かると、納得感が深まるのでとてもすーっとした気分になってきます。
なるほど!と思いませんか?

私達は、与えてもらえなかったものは与えることができません。

元彼も、お母さんも、それぞれの相手からきちんと愛情をもらえていなかったのかもしれませんね。

 

●つまりは「お互い様」

しかし、また違う角度から見ていくと、「じゃあ、そういう過去を投影しているのは私だけ??」という疑問を感じませんか?

きっと彼にも彼なりの過去があったはずなんですね。

なかなか過去を話したがらない彼もいますが、そんな中で得た情報を総合してみると、彼はいつも好きな人に浮気されてきた過去があったとします。

優しくて、いい人なのになぜ?とあなたは思うかもしれませんが、付き合っていくうちに、なんとなくその理由が体感できるようになりました。

優しくて、気が利く分、男らしさが感じられなくなるんです。つまり、男として彼を見れなくなってしまったんです。

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みたいな感じになります。

そうすると、彼が優しく気が利くのは、私が浮気しないかどうか不安だから生まれる態度(補償行為)もたぶんに含まれることが分かります。

そう言われて見れば、彼の優しさがちょっと重たく感じることもありましたし、優しいんだけど、十分につながれてる感じがしないことも多かったんです。

彼にも過去の傷があり、故に、私との関係に深く踏み込めないところがあるのかもしれません。

すると、彼は私の中に、過去の女性を見ていることが分かります。

つまりはお互い様なんですよね。

だから、二人の恋はある意味では「無関心で冷たい元彼&母」と「浮気した元彼女」の“代理戦争”と言えるんです。

変ですよね・・・ぱっと考えたら。

でも、実際、そういうことってよく起きているんですね。

そして、最大の問題は、それに気付きにくいということ。

じゃあ、どうすればいいのか?

それが次回のテーマになります。

>>>『人間関係は代理戦争?(4)~終結と平和のために必要なこと~』へ続く

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