父親からの性的虐待

相談者名
ラム

40代女性、離婚歴有り。病気で子宮を全摘したので子供はいません。
家族構成は兄。母は5年前に他界。父親は子供の頃離婚し遠方に住んでいる70歳。
相談内容が内容なので、ホームページ掲載の際は伏字にしていただいて構いません。

遠方にすむ父親から、いきなりこのような電話がかかってきました。
以下、原文ママです。

『もしもし?ママは騎乗位が好きだったよ。あとフェラも好きだった。けっこうエッチな女性だったよ。
ラム(仮)はオナニーしてる?なんでしないの?あっ子宮取ったから?!』

あまりの唐突さと嫌悪感で殺してやりたくなりました。
また、父親はこのような下ネタを言うような人間ではなかったため、ボケたのか精神的病気が発露したのかとも思いました。
私が悪いからこんなことを言われたのかとも。
もちろん私はこのような電話をうけるいわれも何もありませんが、とにかく嫌悪感と殺意でおかしくなりそうです。

今も朝から電話がかかってきます。
※電話がかかってくるのはしょっちゅうのことではあります。
ただ、いきなりこのような内容は前例がありません。

着信拒否にしたいのですが、兄(幼い頃から私を虐めていたヤクザです)から『俺に迷惑をかけるなよ(父親からの連絡はおまえが引き受けろ)』と脅されているため、連絡を絶つこともできません。
兄には子供の頃から成人するまで暴力をふるわれていたため、父親のこともを私が我慢しなければまた暴力沙汰になることでしょう。

警察に電話しようかと思うほど、鈍器で殴られたみたいにショックでじわじわと心を蝕まれるような内容の電話でした。
心を凍らせて感覚を閉ざしてしまえば対処もできましょうが、それをするとあとで反動がきて、自分がダメージを負ったり生活がよからぬことになるのは目に見えています。

話を聞いてくださるだけでもありがたいです。
父親の対処法をおしえていただけるともっとありがたいです。
この気持ち(嫌悪感)との向き合い方も。

すみません、こんな気持ちの悪い相談で申し訳ないですが、よろしくお願いいたします。

カウンセラー
帆南尚美

ラムさん、はじめまして。
カウンセリングサービスで心理カウンセラーをしております帆南尚美と申します。
この度はご相談ありがとうございます。
どうぞよろしくお願いいたします。

ラムさん、ご相談を拝読しました。
お父さんからいきなりこのような電話がかかってきて、ひどい嫌悪を感じられたとのこと、どんなに驚き、傷つき、苦しまれていらっしゃることかと思います。
性に関すること、しかも家族によるものは人に相談しにくいものですが、勇気を出してよく相談してくださいましたね。

とにかく嫌悪感と殺意でおかしくなりそうだと書いてくださいましたが、その通りだろうと思います。

お父さんは、これまで下ネタを言う方ではなかったとのことなので、心の準備もないところで、ラムさんがおっしゃるような、鈍器で殴られたようなショックは、どれほどお辛いものを感じたことでしょう。

また、お母さんが他界され、本来なら相談相手になってくれてもいいようなお兄さんとの関係も、子どもの頃からいじめられ、暴力を受け、俺に迷惑をかけるなと脅されているのですね。
ラムさんが八方塞がりな状況なんだなと拝察いたします。

「心を凍らせて感覚を閉ざしてしまえば対処もできましょうが、それをするとあとで反動がきて、自分がダメージを負ったり生活がよからぬことになるのは目に見えています。」と書いて下さいましたね。

これは、そのような「心を凍らせた」ご経験がなければなかなか表現できることではありませんから、ここには書かれていない、これまでのラムさんの人生の、壮絶さをうかがい知れるような気もしております。

成人するまでお兄さんの暴力を受け、離婚歴があり、病気で子宮を全摘したなどと書いてくださいましたが、どれだけ傷つき、苦しんでこられたでしょうか。
本当に大変でしたね。

今もまた大変な状況において、お父さんは「ボケたのか精神的病気が発露したか」とか、「着信拒否したい」「警察に電話しようか」など、様々な可能性を検討されていらっしゃるのを知り、ラムさんが物事を色んな角度から冷静沈着に見られる、とても優秀な方なんだろうと感じます。

ただ、物事を多角的にかつ論理的に捉えられるラムさんですが、思い浮かんだ対処の可能性を、どれもひとつずつ、ご自身で却下されているように私には思えるのですね。
そのために八方塞がりになっているようにも思うのです。

ラムさんほどの方であれば、問題を認識し、解決策を考え、良い案を思いついたとしたら、【どうやったらそれを実行できるか、そのために誰のサポートを得るか等を検討する】ものではないかと思うのですが、
現実は、何かしらの案を思いついたとしても、【様々な理由により実行できないとあきらめてしまっている】ように見受けられるのです。

もちろんラムさんに非があるという意味ではありません。

そうなるには理由があるはずなのですね。

たとえば、
ラムさんは「兄には子供の頃から成人するまで暴力をふるわれていたため、父親のことも私が我慢しなければ、また暴力沙汰になることでしょう。」と書いてくださっています。

お兄さんからの暴力で苦しまれた時間は本当に長くお辛かったことと思います。
私たちは、あまりにも辛い状況において、自分にできることが何もないと感じる状態が続いてしまうと、無力感に苛まれ、絶望し、自分が楽になる道を選択しようとさえ思えなくなることがあります。

これまでのラムさんとお兄さんとの関係を考えれば、今は「我慢するしかない」と感じてしまうのも、ごもっともだと思うのです。

また、私たちの心には「投影」といって、自分の感情や経験、過去に出会った人などを、目に見える世界に映し出すというしくみがあると言われています。

もしラムさんが「我慢するしかない」と感じているとしたら、ラムさんが見ていらっしゃる世界は、自分には状況を変化させることのできないことばかりが起きるように見えてしまっても、おかしくないのです。

すると、お父さんのことについて、たとえどのような素晴らしい対処法が頭に浮かんだとしても、うまくいかない結果ばかりを想像してしまい、やはり「きっとうまくいかない」「我慢するしかない」と感じてしまうことがあるのですね。

ここで、ラムさんにひとつ思い出していただきたいことがあります。

それは、かつてと違い、今のラムさんは立派な大人に成長されたということです。
物事を冷静に考えられ、知恵も多く身につけられたことでしょう。
それは今回のご相談を読むだけでも十分に伝わってきますよ。

そんな素晴らしい大人になったラムさんが、子供の頃のように、本当に今も我慢するしかないのかなと私は疑問に思うのですが、ラムさんはどう思われますか?

また、我慢することを前提にした対処法は、ラムさんを幸せにはしないだろうと私は思うのです。

今回のご相談について、私からのご提案は、より根本的なものになろうかと思います。

それは、たとえばラムさんが「私は自分の人生の舵を自分でにぎるんだ(自分の人生は自分で決められるんだ)」とか、「私は幸せになっていいんだ」などの思いを心から強く感じられるようになることです。(心理学では、このようなことを「幸せになることをコミットする/決める」といいます。)

つまり、もう我慢しなくていいよと、ご自分に優しく言ってあげて、それをご自身で受け入れることとも言えると思うんですね。

もちろん、これまでのことを鑑みれば、そう簡単にできることではないかもしれません。
そんなの無理だと感じるかもしれません。

こういうものは、多くの場合ひとりでやっていくのは難しいものですので、ぜひ信頼できる人に相談しつつ、サポートを受けながら、進めてくださいね。

そして、幸せになることをコミットするためには、まずはラムさんの心の声を聴いてあげることが大切でしょう。

周りがなんと言おうと、ラムさんが、本当はどうしたいと思っているのか、その心の声は大切に尊重されるべきものだと思うんですね。

すぐには出てこないこともあると思うのですが、まずは、「こうしたい」という思いが浮かんできたときに、「そんなの無理だ」などと【打ち消さないようにしよう、大切にしよう】と思っておいてくださいね。

最後にラムさんが「こんなに気持ち悪い相談で申し訳ない」と書かれていますが、そんなことまで気遣われるラムさんの優しさを、しみじみ感じます。

一方で、ラムさんが苦しんでいることを、気持ち悪い相談だなんて、私はこれっぽっちも思いませんし、なんとかその苦しさからラムさんが解放されるように願っています。

ラムさんが、ご自身の人生の舵をご自身でにぎり、誰にも遠慮せず、ラムさんの優秀さや優しさを十分に発揮しながら、笑顔になれる方向へその舵を切れるようになったとしたら、

ラムさん、あなたはどんな気分で、毎日を過ごせそうでしょうか。
お父さんやお兄さんに、どのような態度を取れそうでしょうか。

そんなこともイメージしながら、ご自分の幸せをつかんでいただきたいと心から願っております。

ご参考になりましたら幸いです。
お読みいただき、ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

職場の人間関係、夫婦・家族の問題を主に扱う。 「解決したい問題がある時に、悪いところを探して正そうとするのではなく、自分の魅力や才能を受け取れば物事を全く別の見方で捉えることができ、自分の枠から自由になり、のびのびと楽に毎日を送れるようになる」というスタンスでカウンセリングを行っている。