優しくできない時の心理

優しくしたくない、という人って本当はあんまりいないと思うんです。どんなときに人は優しく出来ないのか?を解説します。

攻撃的になってしまう時は余裕がない時

お子さんを殴ってしまうというご相談をいただいた時カウンセリング現場でよくこんな話をします。

クライアント:
「私って最低なんです。」

カウンセラー:
「なんで最低と思われるんですか?」

クライアント:
「自分の子供をついつい殴ってしまうんです。子供には悪気がないっていうのも分かっているんですが、服を汚したり、食べ物をこぼしたり、ちょっとしたことでイライラしてしまって、殴ってしまうんです。」

カウンセラー:
「イライラしてしまった時に殴ってしまうんですね。殴ってしまった時、どんなお気持ちになられるんですか?」

クライアント:
「私って最低だって思います。母親失格だとも思います。子供が嫌いなわけじゃないんです、でも殴ってしまうんです。このあいだは、ただ甘えにきた子供を殴ってしまって・・・・」

カウンセラー:
「なるほど、自分って最低だと思ってしまうわけですね。そして自分をいっぱい責めてしまう。自分を責めてしまった時には、どんな感じがしますか?」

クライアント:
「とても嫌な感じがします。しんどい気分になります。 ・・・・なんで私は子供を殴ってしまうのでしょう?もっと頑張ってちゃんとした母親になろうと思っているんですが上手くできないんです。」

カウンセラー:
「とても、しんどそうですね。頑張っているだけに殴ってしまうことや、上手くできない自分を責められるんでしょうね。」

クライアント:
「そうなんです。」

カウンセラー:
「ちょっと質問してもいいでしょうか?あなたがとても気分が良かったとしますよね・・ん~そうだなぁ~例えば、あなたがこう思ったとします。『あ~今日はいい天気だな~暖かいし、お日様は輝いているしホントすがすがしい気分だ、ホント気分がいいから今日は子供を5発くらい殴ってみよう』って思うでしょうか?」

クライアント:
「いいえ、思わないと思います。・・・たぶん気分がよければ可愛がってあげられると思います。」

カウンセラー:
「そうですよね、気分がいい時は思いませんよね。子供を殴ってしまう時、それは余裕がなかったり、気分が落ち込んでいたり、自分をせめていたり、自分が嫌いな時じゃないでしょうか?」

クライアント:
「はい、その通りだと思います。」

カウンセラー:
「だとすると、今余裕がないんでしょうか?」

クライアント:
「はい、主人と上手くいってなくて・・・そのことを誰にもいえなくてすごくつらいんです。そのつらさを子供にぶつけていた気がします。」

カウンセラー:
「そのつらさを無くしていったり、ご主人との関係を上手くいけるようにしていくことが大切そうですね。」

クライアント:
「はい、そうできたら、子供に優しくできるような気がします。それから、自分を好きになっていきたいです。」

カウンセラー:
「そうなれるように、これから取り組んでいきましょうね。問題点を取りはぶいていくことで、僕はそうなれると思いますよ。」

クライアント:
「それを聞くと少し希望というか・・・余裕が出てきた気がします。」

これは、カウンセリング現場の一コマです。
今回子供を殴ってしまうお母さんを例えに出させてもらったんですが、今回の子供を殴ってしま時というのは、それは余裕がない時にしてしまったという話だったんですが、こんな感じのことって僕たちの周りにいっぱいあると思うんですね。

例えば、
・パートナーにやさしくできない。
・会社でいつも怒ってばかりの上司がいる。
・親がすぐ怒る。
・親にあたってしまう。
・嫌味ばかりいう友達がいる。
etc・・・・・・・・
こんな感じでいっぱいあると思うんですね。

こんな時に『なんて、ひどい奴だ』と見るのは簡単なんですね。
でも『なんて、ひどい奴だ』と責めてしまってもこの状況は変わりませんし、
ますますこの状況が悪くなる可能性は高くなっていきます。
ストレスも山のようにたまります。

だけど、この”子供を殴ってしまうお母さん”のように、人を攻撃してしまう時それは余裕がない時、自分が大嫌いな時、なにか問題を抱えて不安がある時
痛みがある時、そんな時じゃないかなぁという見方ができたとしたら。
あなたは、その人に対して優しく接してあげることもできるのではないでしょうか?
この見方は、その人に対して腹を立てたり、その人を責めることよりもストレスを貯めないですむ方法の一つになると思います。

攻撃は助けを呼ぶ声、愛を求める声

人を攻撃してしまう時ってどんな時でしょうか?
気分がいい時にするでしょうか?

その可能性は考えにくいですね、どちらかというと気分がいい時は優しくなったり、寛大になったりします。
人を攻撃してしまう時、それは余裕がなかったり、傷ついていたり、自分が嫌いだったり、愛されていないって感じる時に人は攻撃的な気分になってしまいます。

例えば、
「彼が優しくない」って怒ってしまう時、
それは、彼に優しくしてほしい、愛して欲しいというメッセージが含まれていると考えられます。
「少しは仕事をしたら、私にばっかり押し付けないで」と嫌味を言ってくる会社の人がいたらもしかすると助けて欲しい、手伝ってほしいということが言えないのかもしれません。

このことから攻撃は助けを呼ぶ声、愛を求める声だと考えることができます。

助けてあげることであなたの周りの状況や関係性を変えていく

あなたの周りに攻撃的な人がいたとしたら、それは助けを求めているのかもしれません。
だとしたら、今その人に必要なのは援助や、愛情ですね。
その人を援助すること、近づくこと、愛してあげる等をすることでこの人との関係性は変わってくる可能性が大きくなります。

もしかすると攻撃的な自分にそんなことをしてくれる人はいないと思っていて人を信用できなくなっているかもしれません、意固地になっていたりして、すぐに関係性は変わらないかもしれません。
でも、優しくされて嫌な人はいませんから、続けることで徐々に徐々に関係性は変わってくるでしょう。

もし、攻撃的な人にも優しくできるそんな自分になることができたら自分ことが誇らしく思えるかもしれませんね。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

原 裕輝

若年層から熟年層まで、幅広い層に支持されている、人気カウンセラー。 家族関係、恋愛、結婚、離婚、職場関係の問題などの対人関係の分野に高い支持を得る。 東京・名古屋・大阪・福岡の各地でカウンセリングや心理学ワークショップを開催。また、カウンセラー育成のトレーナーもしている。