感情を抑圧するとどうなるんだろう?

僕たちは感情の動物とよく言われますね。でも、そんな感情を抑えてしまいがちなのが現代人の特徴かもしれません。

クライアント:
「最近自分のことがよくわからなくてねー、毎日つまらなくてねー」

カウンセラー:
「なぜ、つまらないんですか?」

クライアント:
「う~ん、なんでかわからないんだけどねー。楽しいこともないし、特に落ち込むことや、会社が嫌いとか、妻と喧嘩しているとかでもないんです。なぜかは、わかんないけど毎日つまんないし、虚しかったり、つかれていたりするんです。」

カウンセラー:
「なぜという理由はわからないんですね。」

クライアント:
「はい、だからよけいに気になるんですよね。上司に怒られたから会社がつまんないとか、家に帰っても妻が口を利いてくれないから家に帰ってもつまらないとか理由があれば納得できるんだけど、理由が見当たらないから気になってしまってね。」

カウンセラー:
「そうですか・・・いくつか質問してもいいですか?」

クライアント:
「あ、どうぞ、どうぞ遠慮無しに聞いてください。」

カウンセラー:
「あなたは、もしかしたら結構頑張りやさんなタイプですか?」

クライアント:
「自分ではぜんぜんそう思わないけど、周りからは、頑張りやといわれますね。」

カウンセラー:
「なるほど、自分ではそう思わないけど、周りからいわれるタイプなんですね。周りからみると頑張って見えるということは、働きもんだったり、一生懸命したりすることが多いんでしょうか?」

クライアント:
「あ、それは多いですね。仕事はハードワークですから働きものといえると思いますし、嫌な仕事でも我慢して、嫌な気分を断ち切って一生懸命にしますね。そこは頑張りやと言えると思います。」

カウンセラー:
「我慢したり、感情を断ち切ったりすることは多いんでしょうか?」

クライアント:
「ええ、結構昔からですね。嫌な気持ちを感じていたら仕事なんてやってられないから感情を断ち切って仕事をしていますね。(笑)小さい頃から我慢するタイプの子でしたから癖みたいなもんですね。」

カウンセラー:
「小さい頃はなにを我慢したり、どんな感情を切っていたと思います?」

クライアント:
「私は鍵っ子だったから、甘えたいという気持ちを断ち切っていたかな。両親は共働きだったので、なるべく両親の負担にならないように甘えたい気持ちをぐっと抑えて何でもないふうに振舞っていました。」

カウンセラー:
「もう一つ質問なんですが、会社で嫌な気持ちを切ると嫌な気持ちを感じなくていいんですが、こんな感じはないでしょうか?嫌な感じは感じないんだけど、同時に楽しいとか、嬉しいとか、悲しい、とか、寂しいとかその他の感情も感じない、もしくは感情を感じることが鈍くなっていることはないですか?」

クライアント:
「そういえばそうです。そのとおりです。妻にも あなたは最近表情が変わらないから喜怒哀楽がよくわからないと言われました。」

カウンセラー:
「それでは、自分の欲求に関してはどうですか?あれしたい、これしたい、あれ食べたい、これ食べたい、こんな生き方したい、こんな仕事してみたい、という欲求もわかりにくいことはないですか?」

クライアント:
「そうです、そのとおりです。今、気づいたんですが、だから最近つまらないのかもしれません。あまり何がしたいと感じられないし、楽しいとか嬉しいとかも感じないので全然活き活きできないんだと思います。」

これは、感情の抑圧というものなのですが、ある気持ち(ある感情)例えば寂しいという気持ちを抑えたとしましょうね。

それを余りにも抑えこむと、寂しいという感情はあまり感じないようになれるのですが、同じ感情である、嬉しいや、楽しい、などの感情も感じにくくなってくるんですね。
そうすると、あれしたい、これしたい、こんな仕事をしたい、こんな生きかたしてみたい、という自分の欲求に関しても鈍くなってくることがあります。

自分の気持ちがよくわからないというケースも感情の抑圧からきていると考えられます。
自分の気持ちがわからないというのは、自分の感情に関してよくわからないということですから、感情を抑圧して感じることに関して鈍くなっているということが考えられます。

(自分の気持ちがわからないは、葛藤や混乱などの場合もありますから、一概に感情の抑圧だとはいえないので”考えられます”という表現にしています。)

“感情をあまり感じない”これで日常生活が便利になっている、都合が良い、幸せというのであればこれは全然問題がないと思います。

しかし、感情をあまり感じないので楽しいや、嬉しいという感じがあまり感じられなくてつまらない、感情の表現が上手くできなくて恋人と上手くいかない、自分が何をしたいかがわからない、ドキドキワクワクしない、人生がつまらないというのであれば、抑圧して感じにくくなった感情をまた敏感に感じられる自分になることをお勧めします。

●感情の解放●

嬉しい、楽しいをもっと敏感に感じる自分になる為に、感情を感じる練習が有効になります。
例えば、咽が乾いたから冷蔵庫をあけてみたらコーラがあった。そのとき自分は何を感じているのだろう・・・・嬉しいを感じている。
等、日々なにを感じているかを敏感に感じる練習をされてみるといいと思います。

それをやってみたが、上手くできない、あまり感じられない、今どんな気持ちがあるかよくわからないという場合は心理的なブロックがあるのかもしれません。
抑圧された感情がブロックになってしまって、上手くだせないのかもしれません。
この場合は抑圧された感情の解放が必要です。

セラピー(心理療法)でもこの感情の解放はよく行ないます。
感情の解放を行なうと、すっきりした気持ちになったり、わだかまりが消えたり、常に心のどっかにあった気持ちがなくなって楽になれたり(例えば寂しいという感情が解放されて寂しさに振り回されないようになったり)します。
この自分の気持ちを抑えしまっている抑圧された感情を解放してあげることが大事になってきます。

●感情の爆発●

感情を抑えすぎると爆発してしまうことがあります。
例えば、甘えたいという気持ちを小学校の頃から抑圧しているとしますね。
そして、両親や、友人に甘えたいという気持ちをもたずに生きてきたとしましょう。
大人になってパートナー等、甘えられる人ができた時、今までの甘えられなかった想い
が爆発したかのように、甘えたい自分がでてきます。
しかも、他の人には今までどおり甘えたいという気持ちはでてこずに、パートナー等
特定の人に集中して今までの甘えたい想いがでてきます。
他の人に甘えたいという気持ちをだせない分、パートナー等に集中してしまうわけですね。

こうなると、とっても依存してしまう自分や、欲求いっぱいの自分ができてしまい
相手も疲れてしまいますし、対人関係もくずれてきますね。

この場合も爆発してしまわないように、適度な甘え方や、適度な要求ができるように
なる為に感情を解放してすっきりすることをお勧めします。
そして、適度な距離で相手と接せられ自分になられるといいですね。

感情を溜め込まない自分になっていくことも大事です。
自分の気持ちを言葉でだす練習をすることで、感情を表現していき心に溜めこまないようにするのもいい方法だと思います。
「感情を溜め込まないようにしよう」
と頭で解っていてもどうしても、溜め込んでしまう場合は心理的なブロックがあるかも
しれませんのでこの場合は心理的ブロックをとっていくことが大事になります。

活き活きしたり、楽だったり、楽しかったりする為に感情は溜め込まない、抑えすぎないということはとても大事だと思います。
もし溜め込んでいたり、抑えすぎていたりしていたら、解放してあげましょうね。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

原 裕輝

若年層から熟年層まで、幅広い層に支持されている、人気カウンセラー。 家族関係、恋愛、結婚、離婚、職場関係の問題などの対人関係の分野に高い支持を得る。 東京・名古屋・大阪・福岡の各地でカウンセリングや心理学ワークショップを開催。また、カウンセラー育成のトレーナーもしている。