夫婦における怒りの心理学(4)~許せない自分を許し、怒りから二人の新しい道を学ぶ~

自分への怒りに気づいた時。それをどうしたらいいのでしょう。
その答えは「そんな自分を許してあげる」こと。

怒っている自分が許せないのです。でも、怒るには必ず理由があります。そんな自分の気持ちを理解して、怒ってもしかたなかったよね、と許してあげる。

それだけで、気持ちはとても楽になります。
そして、怒りは二人のテーマを気づかせ、新しい道を歩くきっかけになることもあるのです。

自分への怒りに気づいたら。
その次にやるステップは「そんな自分を許してあげる」こと。
自分を理解して、自分を許してあげる、ということなんですね。

夫を許せない!と怒っている時。
あるいは、誰かを許せない!と怒っている時。
どちらも、実は、一番怒っているのは「自分自身」。

だから、自分を許せると、夫や誰かを許すことができるようになります。
けれど、その自分を許すのが、難しい。
その許しを進めるためにはどうしたらいいのでしょう。

「許しは準備ができた時にやればいい」

「許し」を考える時。大切なポイントは、できる時にすればいい、ということ。

こんなお話をすると

「でも、カウンセリングサービスのHPには、許せ、許せ、って書いてあるじゃないですか!」と言われる方が、たくさんおられます。

そんな時に、私はこんなお話をさせていただきます。

「許し」を学ぶ上で、本当に大切なことは
「許さなければならないわけではない」ということ。

「許し」とは、「誰かに言われて許す」ことができるものでありません。
自分に許す準備ができた時に、許せばいいのです。

人が問題を抱えている時、悩んでいる時。
最優先に考えなければならないのは「自己攻撃を止めること」です。

せっかく「相手を許したい」と思っているのに、許せないからといって自分を責めるのは、「自分を許していない」ことになります。
それでは、許す意味がなくなってしまうのです。

夫や妻を許せない時。
あるいは、誰かを許せない時。
そして、あなた自身を許せない時。

まずは、許せない自分を認めてあげましょう。
あなたには、必ず、許せない理由があるのです。

「今は許せなくていい。だってしょうがないじゃない。
いつか準備ができた時に、許せばいいんだから」

そう、あなた自身に言ってあげてください。
そして「今、許そうと思っている自分を褒めて、認めてあげよう」と思ってください。

「許せない自分が許せない」ということは「許そうという強い思いがある」証拠です。

あなたは、許せない自分が許せないと、こんなにも自分を責めるほど、優しくて健気な愛情を持っているということなのです。

そんな風に自分を認めてあげていくと、怒りが少しずつ減っていきます。
その時、初めて実感できるのですね。

怒っていたのは、夫や妻や誰かではなく、本当に自分に怒っていたということに。
怒りが出てきたり、自己嫌悪や自己攻撃が出てきた時には、このことを思い出してあげてください。
あなたは、怒りや自分を責める大きさの度合いだけ、優しさと愛が大きい人なのです。

不思議なことに、これは「自分への怒り」なんだ、だけどそんな風に「自分を責めなくていい」ということが心に響けば響くほど、怒りは収まっていきます。

不思議なことに、というのは、あくまで怒っている自分の感覚ですが、実は不思議なことではありません。
一番の苦しみは自己攻撃なのですから、それは自然なことなのです。

怒りの意味~二人が新しく進んでいくチャンス~

もし、怒りに意味があるとしたらどうでしょう。

この視点で見た時、怒りをきっかけに本当の自分の思いに気がつき、そのことを分かち合うことで、二人が新しく進んでいくチャンスになる学びだった、と思うことができます。

それは、怒りから気がつくことができる、二人のテーマがわかる、ということ。

そして、そのテーマを解決していく方法を探し、行動し、二人がよりよい関係を築いていくことができる、大きなきっかけしていくことができる、ということなのです。

怒りは苦しいものですが、そこに学びがあり、次のステージへのきっかけがあると考えることができれば、それは自分を、二人の関係性を変えていくモチベーションにしていくこともできるのです。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

池尾 昌紀

名古屋を軸に東京・大阪・福岡でカウンセリング・講座講師を担当。男女関係の修復を中心に、仕事、自己価値UP等幅広いジャンルを扱う。 「親しみやすさ・安心感」と「心理分析の鋭さ・問題解決の提案力」を兼ね備えると評され、年間300件以上、10年以上で5千件超のカウンセリング実績持つ実践派。