産後、他人を思いやれない

相談者名
夏恋
去年、出産をしてから、ひどく自己中心的になってしまいました。
産前は、接客業をしており、相手の気持ちを想像し、先回りした気遣いも時々はでき、お客さんや友人知人に感謝されることも少しはありました。
しかし、子を産んで、意見を聞いて欲しい気持ちが強くなり、義理の母と衝突し、夫にもイライラするようになりました。子育てのことで気が立っているのだ、よくある話だと思い、自分を落ち着かせるために、なるべくストレスのかからない生活を心がけました。幸い、以前ほど感情が先走り、自分をコントロール出来ないと思うことは無くなり、ホッとしていたのですが、今度は、悪気なく他人を怒らせるような言動をするようになってしまいました。
相手が不機嫌になり、後々思い返せば、言わなくても良い余計な一言を言ってしまったな、言い方に思いやりが無かったな、タイミングが悪かったな、自分の意見を通そうとしてしまったな、などと反省出来るのですが、その場では自分の話を聞いて欲しいあまり(だとおもうのですが)、相手の気持ちを慮ることが出来ず、同じような失敗を繰り返してしまいます。先日など、ガスの業者さんまで怒らせてしまいました。
今、対人関係に酷く自信がなく、こんなに色々な人から反感を買って子供に不利益があったらどうしよう、性格の悪い母親でごめんねと子の前で泣く始末です。せめて相手を尊重し、不必要に不快な思いをさせずに過ごせるようになりたく、相談させていただきました。どうぞよろしくお願いします。
カウンセラー
三枝みき
夏恋さん、こんにちは。初めまして。
今回、夏恋さんのご相談を担当させていただきます、三枝みきと申します。
どうぞよろしくお願い致します(*^-^*)

さて、夏恋さんは出産後、ご自身が「ひどく自己中心的になってしまった」と感じていらっしゃるのですね。
もちろん、ご自身でも書いて下さっているように、子育てのストレスもたくさんおありだと思いますし、どうしていいかわからずに不安になったり、ご自分を責めてしまったりなど、とても辛いお気持ちでいらっしゃることと思います。

でも、対人関係でこれだけ悩んでいらっしゃるということは、夏恋さんには「人に優しくしたい」、「人と仲良くしたい」という強い想いがあるからだと私は思います。
夏恋さんは元々、人が好きで、人を大切にしたいと思っている、とってもお優しい方なんですね。
だからこそ今、そう出来ない現状でとても傷ついていらっしゃるのではないでしょうか。

ですから、これからぜひ一緒に、どうしたら夏恋さんが望むような対人関係を作っていけるかを、じっくり考えていきましょうね。

でもその前に、私から夏恋さんに伝えたいことがひとつあるんです。
とってもとっても大切なことですので、ぜひぜひ、何度もご自分に言ってあげて欲しい言葉です。

それは、「あなたは何も悪くない」ということです。
文章を読ませていただいてもわかる通り、夏恋さんはご自身をとても強く責めていらっしゃいますが、それは間違いなんですよ。

心理学の考え方から言うと、実は、人が誰か他人の心を故意に傷つけることは、本当なら不可能なんです。
夏恋さんの言動で傷ついてしまったり、不快感を感じる人がいたとしても、厳密にいうなら、それはその人個人の問題なんですね。

ちょっと分かりづらいので、ここで例を挙げて説明しますね。

例えば、私はものすごく字が下手で、気にしています。
だから、誰かに「すごく個性的な字だね」と言われると、結構凹みます(笑)。
「きっと、ヘタクソって言えないから、そんな風にごまかしてるんだ」って思ってしまうからです。
でももしも私が、自分の字を「個性的でカッコイイ」と本気で思っていたなら、「個性的な字だね」と言われたとき、素直にそれを受け取れて「わーい、褒められた!」って嬉しくなっちゃいます。

この場合、言われた言葉は全く同じでも、本人の受け取り方が全く違いますよね。
それはどうしてなのでしょうか?

実はこの違いは、言われた人が「自分で自分を責めている」かどうか、にかかっているんですね。
夏恋さんとお話していて、怒ってしまった方たちはたぶん、会話の中でふだんすごく気にしているところを刺激されたんだと思います。
つまり、もしもこの方たちが自分のことを全く責めていなかったり、嫌っていなかったとしたら、夏恋さんが何をどう言ったとしても傷ついたり、怒ったりはしないはずなんですね。

なので、先ほども書きましたが、「私は悪くない」って何度もご自身に言ってあげて欲しいんです。
そうすることで、少し夏恋さんの心の中に、余裕が生まれます。
この余裕ってとっても大事なんですよ。

自分を責めすぎている状態だと、どんな人でも心が疲弊して、いっぱいいっぱいになってしまいます。
だからこそ、自分を責めるのをやめること――、「私が悪いんだ」って自分を責めることをやめることが必要なんですね。
「私が悪いんだ」を「私は悪くない」に変えることで、心のダメージは少しずつ減っていきます。
そうすると少しずつ、心に余裕が生まれます。

心に余裕が出来ると、目の前の人をちゃんと見てあげることが出来るようになります。
つまり、「空気を読む」ことが前よりもやりやすくなるんですね。

先ほど、人が傷つくのは自分で自分を責めているからだ、とお伝えしましたが、その人が自分のどういう部分を嫌って責めているかが分かれば、そこを刺激せずに会話ができるようになります。
また、目の前の人が不機嫌か、ご機嫌かどうかも、心がいっぱいいっぱいの時は得てして見えていなかったりするものです。
でも、私たちが自分を責めるのをやめて、自分の心に余裕を作ることが出来れば、目の前にいる人の表情や様子を見ながら、会話を調整できるんですね。

自分を責めることでいっぱいいっぱいになっているときって、コンピューターがフリーズしているようなものです。
コンピューターのハードディスクに沢山の作業が溜まってしまって、メモリがいっぱいになってしまっていて、作業領域が少なくなってしまっている状態に似ているんです。
または、心の中が心配事がいっぱいのとき、何も手につかないってことがあったりしませんか?
あんな感じだと思っていただければわかりやすいかと思います。

ですから夏恋さんが自分を責めるのをやめて、お心に余裕が出来さえすれば、きっと相手の様子を見ることも出来て「余計なひとことを言わずに済んだり」「言い方を工夫出来て、相手が気を悪くしないように言葉を選んだり」「タイミングを見計らったり」出来るようになるはずです。

そうは言っても、夏恋さんには今はそんなこと、信じられないかもしれませんね。
それはわかります、私もそうでしたからね。
でも、これらはすべて、私自身がかつて経験してきたことなんです。

そうです、私も昔は自分が「空気が読めない」こと、人に嫌な思いをさせたりしてしまうことをすごく気にしていました。
でも、心理学やカウンセリングを学び、また自分自身を癒すことに取り組んだ結果、自分を責める気持ちが少しずつ減っていき、心にゆとりが出来てきて、対人関係が苦にならなくなりました。
今ではたくさんの友達がいて、楽しくお付き合いが出来るようになりました。

そして私の経験上、こういったことでいちばん大切なことは、「自分を責めるのをやめる」ということなんですね。

ですので、私は夏恋さんも「自分を責めるのをやめる」ことで、絶対にそうなれるはずと思っています。
逆説的ではありますが、少しずつ、ゆっくりでいいので、「自分を責めるのをやめる」ことに取り組んでいただければ、夏恋さんの求めているような対人関係を作ることが出来るんです。

それと、今回はあまり触れられませんでしたが、夏恋さんのように子育てでストレスを抱えてしまわれる方はとっても多いです。
赤ちゃんがいるとお母さんて24時間営業になってしまって、本当に心身ともに大変ですよね。
特に心の負担は相当なものがあると思います。

ご自身でも書いて下さっていた通り、そのストレスのために、辛い気持ちを吐き出したくてつい喋り過ぎてしまったり、「話を聴いて欲しい」気持ちや「辛さをわかって欲しい」気持ちが強すぎて、分かってくれていないように見えるご主人にイライラしてしまったり、なんていうこともあると思います。

ですから、それらの辛さ、ストレスをぜひ、ちゃんと受け止めてもらえる場所で、受け止めてくれる人にたくさん聴いてもらって欲しいんですね。
そうしていくことでストレスも減り、もっと楽に、もっと楽しく、子育てをしていけるようになると思います。

でももしも、聴いてくれる人がいない、分かってくれそうな人が身近にいない、と感じられるようでしたら、私たちカウンセラーにお話を聴かせていただけませんか?
初回は無料でお話を伺うことが出来ますので、お気軽にご利用頂ければ嬉しいです。

以上、長くなってしまいましたが、最後までお読みいただきましてありがとうございました。
この回答が、少しでも夏恋さんのお役に立てれば幸いです。

本日はご相談、ありがとうございました。

三枝 みき

この記事を書いたカウンセラー

About Author

三枝 みき

家族や親子の問題、子育て、友人との関係など対人関係の問題や、罪悪感、自己否定など心や性格についての問題を得意とする。 長女の自傷と強迫性障害がきっかけでカウンセラーとなる。特に母子関係については、自身が母との問題、娘との問題の両方を経験しており、ライフワークとして取り組んでいる。