夜の夫婦生活がなくて・・・

相談者名
ゆっきん
 私は27歳、主人は35歳の結婚2年目の夫婦です。子供が欲しくて病院に行って排卵日を見てもらって、そのときだけ(月1,2回)みたいな感じになっています。私は子作りだけのSEXはいやで、私から誘うと毎回というほど断られ、ひどいときは怒られます。断られるのは付き合っている時からで、すごくせつない思いもしています。
排卵日を狙っているときもしてくれない時があり、私はイライラするばかりで、ストレスがたまってしまいます。
でも、アダルトビデオは借りてみているようです。
主人も子供は欲しいと言っているのですが、言葉と行動が伴っていないというか・・・
普段は優しくて、仲が良いのですがなんでかなーと悩んでいます。
カウンセラー
高橋 大
ゆっきんさんはじめまして。高橋と申します。ご相談ありがとうございます。

セックスの本質的な意味合いはコミュニケーションです。お互いがお互いを理解し合い、
深くつながりを持つという意味においても、夫婦にとって大切なことですよね。
ましてやゆっきんさんはお若くいらしてますから、イライラすることも無理からぬこと
だと思います。なぜご主人は拒絶するのか、ゆっきんさんはどうすればいいのか、一緒に
考えてみましょう。

あくまで一般論ですが、男性は社会的な生き物です。父親が会社へ行き、母親は家庭を
守る。時代の変遷はありますが、少なくとも私たちの親の世代はそういう価値観を社会
に対して持っていたことでしょう。社会の中で自分を保ち、生き抜いていく。そこには
衝突や不満が出てくることはままあります。でもそれを感じていたらやっていられない。

「残業は嫌だ~。」「帰りたーい。」「この人嫌いー。」

そういうネガティブな感情を感じ続けたら潰れてしまいます。そこを受け流し、我慢し、
そしてなお生活するために社会へ出るのです。
そういった社会での生活を通して、男性は一般的に感情を感じるのが苦手になって
いきます。

男性にとってのセックスという点で、ゆっきんさんの耳にいれておきたいことが2つ
あります。1つは、男性はセックスの時に初めて、感情を感じることを自分に許可
できる、ということです。普段は「感情を感じてはいけない」と抑圧し、禁止して
いる分、愛する人の前で禁止を解くために、自分が安らぎ、楽しむために、何かしら
の口実がいるわけです。それが男性にとってのセックスです。そしてそこにはものすごい
怖れが出ます。簡単に言うと、

「それをしてもいいの?」

という感覚です。そしてそこで否定されると、それこそ男性は奈落の底に突き落とされる
かのごときショックを受けます。ゆっきんさんのご主人は、そこにある怖れが怖れの先に
ある喜びより勝っているのかもしれませんね。怖い分、逆にゆっきんさんを拒絶してしまう
のかもしれません。

>  でも、アダルトビデオは借りてみているようです。

これは、ご主人のコミュニケーションに対する怖れが根底にあると思います。

2つめは、男性にとってのセックスは劣等感、自己嫌悪につながりやすいということです。
例えば、男性は女性から見ると必要以上に自分の性器に関わる事を気にします。それは
男性性のシンボルでもあるからです。男性性は与えるというエネルギーを持っています。
セックスにおいて与えるということが、男性にとってそれをする意味であり、大げさに
言うとアイデンティティでもあるわけです。だからそこでうまくいかないと自分自身を
否定されたかのようなショックを受けるわけです、女性にとっては「何でそんなに落ち込む
んだろう?」と不思議でしょうが。
そして性器は自己嫌悪のシンボルにもなりやすいです。親の前で子供は「いつまでも子供で
いたい」と無意識に思います。でも中学生ぐらいになると成長期を迎え、体が大人になって
いくわけです。そこで「体は大人だけど心は子供」というアンバランスさが生まれると、
性器に対して自己嫌悪を持ちます。
自己嫌悪の部分をさらけ出すという行為は、男性にとってとても怖い行為です。怖いから、
セックス中に目を大きく見開いていたり、行為後すぐに寝てしまったりするわけです、
怖れから開放されたから。また、怖すぎて無意識に早く果ててしまう人もいます。

ゆっきんさんにできることは、これらのことを理解すること、ご主人がいい、ご主人じゃ
ないといけない、ということをコミュニケーションすること、そしてご主人のセックスに
関わる部分を褒めることだと思います。

ゆっきんさんに豊かな夫婦生活が実ることを願います。
ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

自己イメージの変革・男女関係・人生の目的 を探す、などの分野を得意とする。 心の力学をわかりやすく説明する理性的な側面と、多くの臨床経験を通して培った直感的な把握能力をもってするカウンセリングに定評がある。 長期的な支持を受けることも多く、長い目で見守るスタンスを重視している。