よくなりたくない

相談者名
なつみ
24歳女性、ニートです。ACを自認しています。
ここ2年ほど、本やサイトを利用して認知療法やマインドフルネスなどのセルフヘルプワークに取り組んできました。徐々に自分の気持ちが把握できるようになったり、一呼吸置いてから物事を考えられるようになって喜んでいたのですが、最近行き詰っています。
どうも私は、本当はよくなりたくないようなんです。
「もしよくなってしまえば、普通の人と同じように働いて、社会に適応しなければならなくなる」と考え、「そんな事は無理だ、嫌だ、耐えられない」と感じています。

ニートになる前の私は、休みがちながらも学校に通い、アルバイトもして、休日に友人と出かけるような、普通の生活をしていました。しかしそれは、リストカットやアームカット、オーバードーズ、首を絞めてみたり壁に頭をぶつけてみたりという自傷行為とセットでした。
「そこまでして社会に適応しようとした結果がこの有様なのに、今更どうすればいいというんだ」と心の奥のほうで思っているみたいなんです。

当時の私が適応するためにとった方法や力の傾けかたが間違っていたのは分かります。また、数人の私を気遣ってくれた人たちには本当に感謝しています。多分この社会はそんなに悪いところではなくて、優しい人もたくさんいるんでしょう。

そう思っているのに、セルフヘルプワークの最中には社会に対して不信感を抱いてしまいます。
改善点を見つけて対策を立てて、新しいやり方に挑戦してみて自己評価をして。よくなろうと何かをすればするほど、自分だけが悪く、間違っていて、変わることを強いられているように感じてしまうんです。
「本当に私が悪いんだろうか。間違っているんだろうか。こんなに色々やってまで、私を追い詰めたあの社会に戻るのが、本当に幸せなんだろうか」
そんな考えが頭から離れなくなり、よくなりたいという気持ちが薄れていきます。

自分の気持ちをうまく扱えるようになる、自分の面倒を見るという意味の「よくなりたい」という気持ちは今もあります。
社会に適応すると言う意味の「よくなりたい」という気持ちをもう一度持つには、どうしたらいいでしょうか。

カウンセラー
中村季代乃
なつみさん、こんにちは。
今回担当させていただきます中村季代乃です。
よろしくお願いいたします。

なつみさんの相談内容を拝読し、とてもなつみさんがご自身と向き合い、も
っと良くなりたい、という気持ちがとても伝わってきました。
今まで本当に試行錯誤しながらもお一人でがんばってこられてきたそのがん
ばりが伝わってきました。

しかし、セルフワーク等を通してなつみさんご自身が良くなる方向へ進もう
とがんばられているのに、社会への不信感というのが拭えない。
今、その状況にとても苦しんでいらっしゃるように感じました。
まるで、なつみさんご自身が、自主的に良くなろうと思ってがんばっている
事が、社会に『そうなってよ』と強要されている感覚が少なからずあるのか
もしれないな、と感じました。
社会に強要されているような感覚を持ちながら、セルフワークを行うとやは
りどこかで、社会に対する不信感を感じてしまうかもしれません。
まるで、社会にコントロールされているような感覚に陥るかもしれません。
が、しかし、なつみさんのご相談内容を拝読しているなかで、本当になつみ
さんが楽にそして、笑顔でいつもいたいという気持ちが強く感じられてきま
した。
そして、その気持ちに応援させていただきたいな、という気持ちを強く持ち
ました。

なつみさんが、今回ご相談いただいた気持ちのなかで、一人でやる事の限界
のようなものを感じられたのかもしれません。
一生懸命がんばっても、この社会の不信感が拭えないという手詰まりのよう
な感覚をもたれたのかもしれませんね。
なので、対自分での対処ではなく、対人(カウンセラー)を通しての対応を
模索し始められたのかもしれませんね。
それは、とてもなつみさんにとって勇気がいった事かもしれません。
対自分というのは、ご自身一人でがんばる事。
そして、対人(カウンセラー)というのは対社会という意味合いが出てきま
す。

1対1という環境でありますが、なつみさんは社会という環境は本当に安全
であるかどうか、という事を確認するために、今回のご相談をされたのかも
しれませんね。
これは、なつみさんにとってとても勇気が行った事だと思います。
そして、その勇気を持って行動に移されたなつみさんは本当にすごいな、と
感じました。

そこで、なつみさんに提案です。
もしよろしければ、今感じていらっしゃる気持ちや思いを私たちカウンセラ
ーに伝えていただけませんか?という事です。
カウンセリングという場所は、社会というカテゴリの中に入れてもとても安
全な場所です。
そのなかで、私たちカウンセラーとの会話を通して、なつみさんご自身がど
うやって社会と関わっていこうかという事を、一緒に考えてみませんか?
人それぞれ、社会との関わり方というのは違うと思うんですよね。
なつみさんはなつみさんのオリジナルの社会の関わり方というのがあるんで
すよね。
そのオリジナルの社会との関わり方を通して、生活をしてみると、今までよ
りもとても気持ちが楽になる事だと思います。
そして、日々のびのびと生活ができるんですよね。

なつみさんは、今までも一生懸命良くなりたいという気持ちを持ち続けがん
ばっていらっしゃったからこそ、そののびのびとした生活、楽な気持ち、ほ
っとした気持ちというのを、なつみさんオリジナルの見方、考え方でとらえ
日々を過ごされる事ができる方だと私は確信しております。

もしよかったら、なつみさんオリジナルの、そののびのびとした生活、楽な
気持ち、ほっとした気持ちを見つけ出すお手伝いをさせてさせてくださいね。

なつみさんがこれからのびのびとした生活、楽な気持ち、ほっとした気持ち
を持って日々を過ごされる一つのきっかけになれば幸いです。

ご相談いただきまして、ありがとうございました。

中村季代乃

この記事を書いたカウンセラー

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