本当の母娘とは・・?

相談者名
茉莉花
こんにちは。私は30歳の会社員です。母との関係で悩んで今回投稿しました。現在、母と二人暮らしです。父とは15年程別居しており、現在29歳の弟は数年前、知人の家に養子に行きました。もともと父の女性関係で夫婦不和になり、母はキッチンドリンカーになりました。父は家に帰って来ず、母はお酒に逃げる、そんな日々でした。別居してからも、父の傍にいる女性が母の知人で、母とは正反対の人だったことが彼女に大きなショックだったようで、いつもその女性に敵対心を抱いているようでした。私達姉弟も社会に入り、親のことにはなるべく口をはさまないようにしてきたのですが・・・。数年前、弟が仕事関係で知り合った方のところへ養子に行くと言い、父も反対しませんでした。そのことが母はとてもショックだったようです。母は弟がいなくなってから、弟を追い出したのは父親だ。とか私が父の愛人と母の悪口を影で言ってるなどと言うようになりました。
(母は父のことを思っているから、今でも許せないのではと思ってしまいます。だから離婚もしないのでは、と。でも、お互い今更、素直になれないようです。あと、私と母も考え方や価値観が正反対です。私は20代で不倫をし、母を悲しませたことも、母が私に対する見方が変わったひとつかもしれません)
もちろん、根も葉もない話です。どう考えてもそのようなことはないのに、突然一人の時に考えてしまうようですが・・。娘のことも信じられないのかと思うと悲しくなります。
今、そしてこれから母とどうやって接していけばいいのでしょうか。
カウンセラー
中村ともみ
 茉莉花さん、こんにちは。ご相談ありがとうございます。
おうちの状況、大変ですね。孤軍奮闘されているのでしょうね。でもこうして相談しよう、と思ってくださったことを本当にうれしく思います。いくつか、まとめながら考えていきましょうか。
まず、お父さんと15年別居しているということは、茉莉花さん姉弟が思春期にはお父さんがすでにおうちにいなかった、ということになりますね。書かれてはいませんが家族、お母さんもそうですがあなたたちご姉弟にさまざまな分野で少なからぬ影響があったことは否めないと思われます。でも、お二人は無事社会人になられたようです。ここにはそれぞれの方のいろんな努力やつまった年月であることが伺われますね。並々ならぬことだったのではないかとお察しいたします。

そして、次です。
弟さんの養子縁組の件が、お母さんにとってかなりの衝撃だったのは「息子を取られた」というような感覚があったのでしょうか。この「取られた」という感覚は、お母さんにとっては恐らくとても手痛いことだと思います。なぜなら、お父さんもお母さんの知人である女性に「取られた」と感じていることでしょうからね。大事なもの(人)は自分の手から奪い去られる、という感覚ではないでしょうか。

それから、次です。
茉莉花さんご自身の感情がほとんど文章に感じられませんでした。最後のほうに、
「娘のことも信じられないのかと思うと悲しくなります。」
とある部分だけが唯一感情らしいものを感じるくだりだな、と思いました。推測ですが、あまりにも苦しいので茉莉花さんは感情を切る、と言うか感じないようにしてきたのではないか、と思いました。もしそうであれば、もしかしたら茉莉花さんは感情が上がってきたらすごい力で抑える、ということをし続けていたのではないでしょうか。そして、お父さんと同じ方法(つまり三角関係…不倫ですね)で意識的でないにせよお母さんの心に何らかの痛みを感じさせているとお思いのことに気づいておられますか?茉莉花さん自身がもしかしたらこのことで傷ついているのではないかな?というのは私の個人的な感想です。そうですね、この恋愛で茉莉花さんが得ようとしたものはもしかしたら「身をもって体験すること」だったのかもしれません。お父さん(彼氏)の気持ち、お母さん(彼氏の奥さん)への罪の意識、お父さんの相手の方の気持ちを、です。そうだとしたらそれほどまでにして茉莉花さんがしたかったこと、というのはいったいどういうことだったのでしょう。

親子、きょうだいというのは運命共同体のようなものだと思います。もし、あなたのご家族が一見ばらばらに見えるような行動をしていてその下に何か共通のものが流れているとしたら…ということをふと感じました。そういった観点から次は一人ずつについてに考えてみましょう。

まず、お父さんです。
お父さんはすでに15年前にはこの家庭にはいなかった。少なくとも存在感があまりなかったようですね。別の女性がいた、ということもあると思うのですがどう言う形にせよこの家庭からはお父さんはいなかった。茉莉花さんのおうちでは女性が…ということですがこれが仕事になっている家庭は少なくありません。

次にお母さん。
アルコールの力を使って現実の世界からの逃避をしていましたね。キッチンドリンカーということにひとつの象徴を感じるんですね。キッチン…お母さんが専業主婦であるのならここは職場です。そしてお母さんの居場所ですね。でも常に「やらなければいけないこと」のある場所でもあります。ここでおかあさんはアルコールに浸ることで逃避をするのですが、行き場のない悲しみを感じてしまいます。外にも出て行けない、というような…。そして、お父さんを「取った」人にたいして大変な劣等感を抱いておられることと察します。自分ではだめなのだ…という。

それから弟さん。仕事先で知り合ったところへの養子縁組ということ。お母さんにとっては絶縁状を受けたように感じておられるかもしれません。詳しいことがわかりませんが仕事上のお付き合いということから考えて何らかのメリットが社会的な面などから見たらあるのかもしれませんが、あなたのおうちでは出ていかれたのはお父さんと弟さん、どちらも男性ですね。自由な男性、縛られる女性、のような図式があるように感じてしまいました。

そして茉莉花さんご自身について。
先にも少しお伝えしましたが、ごく普通に考えると痛みや悲しみ憎しみ、といったさまざまな感情があなたの中に渦巻いていても不思議はない状況です。にもかかわらず少なくとも文面からは感じることができません。このことが意味していることは、あたかもブレーカーを落とすようなやり方で感情を切っているように私には思えます。非常に苦しんだであろうことを淡々と書かれているんですね、でも苦しみつづけてきたことは間違いないと思うんです。あまりにも当たり前にあるものには、良くも悪くもなれてしまうからかもしれません。

さて、茉莉花さん。
あなたにできることはいくつかあるように思いました。
家族の中であなたは強い存在だと思われていたのではないかと思われますが、本当にそうでしょうか。お母さんとの人間関係にずっと苦しんでこられましたね。おそらく、誰一人助けてくれないのだ、という心境の元でまさに孤軍奮闘された(今もですね)のではないかと思います。でも、誰かの力を借りることや、そんな人が存在するとは夢にも思えないのではないですか?
周りをもう一度見てみてくださいね、必ずそういう人がいるはずです。あなたを助けたいと思っている人や、もしも助けを求めたら来てくれるという人が。ただ、あなた自身が誰かの助けを心から望んでいないかもしれない、ということに気づいて下さい。

それと、ご両親がお互い素直になれない、ということを感じておられます。これはご両親の素直な思いがあなたには感じられている、ということですね。それぞれの思いを素直に表現したらご両親はどうなるとお思いですか?そしてそうなるには、誰の助けが必要でしょうか。あなたの中にはもう、答えがあるかもしれません。

親や兄弟といえども、人格はまったく異なるといってもきっと過言ではないでしょう。これは私自身が体験した中からも、自分自身のことを振り返ってもそう思います。でも、物事の見方が反対である、とわかっているということはとりもなおさず相手の考え方がわかっているということでもあります。お母さんが、いろんな手を使って自分の周りを敵だらけにしているような感覚があなたにとってはきっとたまらないのかもしれません。
ここには理解や信頼が必要になります。このことは、おそらくは今のお母さんにはかなりしんどい仕事になると思われます。ということは、ここに相談くださった茉莉花さん、あなたがしていく仕事、ということになります。
ただし、一人でする必要はまったくありません。あなたの周りの方…あなた自身のお友達やパートナー、それからお父さん、弟さんとの絆をもう一度感じること、というのもひとつの方法だと思います。そんなことはとても無理だと感じておられるようでしたら、私たちのようにお手伝いをできるところに頼ってみるのも方法ではないでしょうか。

いずれにせよ、今までしたことはおろか考えたこともないことを茉莉花さん自身がチャレンジしていくときのようですね。これを義務、と感じるかチャレンジと感じるかで気持ちがずいぶん変わってくると思いますよ。キャパシティーのないところに問題は来ない、といいますからあなたにはそれだけのキャパシティーが備わっているということだと私は思いました。

もしよければ私たちを使ってください。いつでもお待ちいたしております。

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