「好き」を表現して魅力アップ

みなさんは、見ず知らずの通りすがりの人に、「私と付き合ってください」と、いきなり告白されたとしたら、その人とお付き合いしますか?
普通は、お付き合いしませんよね。では、なぜOKしないのでしょう?
それはもちろん、「その人のことを知らない」からですよね。どんな人かも分からないのに、お付き合いを始めることは、まずないと思います。
心理的には、「知らない」ということは、それだけで怖れを感じてしまうものなのです。
たとえば、外出先でお腹が空いたので、どこかのお店に入って食事をしようと思ったとしましょう。そして、お店を探しているときに、こんな看板のお店を見つけたとしましょう。
「食堂 営業中」
もし、看板にこれだけしか書いていなかったとしたら、みなさんは、そのお店に入りますか?
たとえ、このお店の外見がそれなりにきれいであったとしても、このお店にはなかなか入りづらいのではないでしょうか。
食堂と書いてあるので食べ物は出してくれそうだし、営業中と書いてあるので今お店に入ってもいいことは分かりますが、そもそも和食なのか洋食なのか、イタリアンなのかカレーなのかが分かりません。
何を出してくれるのかが「分からない」ため怖れを感じてしまい、このお店には入りづらくなってしまうわけです。
世間一般の飲食店は、入り口の脇に大きくメニューが書いてあったり、食品サンプルがショーウインドの中に入っていたりしますよね。あれは、心理的には、お店のメニューを知ってもらうことにより、このお店に入ってみようかと考えている人の怖れを少なくする効果があるわけです。
そして、この「知らないことは怖い」というのは、人間関係でも全く同じなんですね。つまり、「知らない人は怖い」のです。
ということは、相手に自分を知ってもらえば、怖れが減っていくことが多いんですね。
私は今東京都に住んでいますが、10代の頃は千葉県に住んでいました。
そして、たまたま初めてお会いした人が千葉県出身の方だったとしましょう。
「私、10代の頃は、千葉県の船橋市に住んでいたんですよ」
なんて話しをすると、少し親密感が生まれますよね。昔住んでいたところが近いというだけなのに、それだけで心理的な距離が近くなるのです。
また、私はお酒が大好きなので、人と話しをしていて、お酒がお互い好きだということがわかると、それだけで一気に心の距離が縮まります。
「何が好きなの?俺は焼酎が好きなんですよ」
「えーっ、本当ですか、私も焼酎が一番好きなんですよ。同じですねぇ~」
なんていう話しになったら、もう既に友達になったような気分ですね。
好きなものを表現するということは、周りの人に、自分自身を知ってもらうということなんです。
ああそうなんだ、あの人は、こういうもの、こういうことが好きなのね、と周りに知ってもらうと、あなたに対する怖れが少しずつ減っていくわけです。
そして、好きをたくさん表現していくと、怖れが減っていくとともに、あなたと好きなことが同じだったり、あなたの好きなものに興味を持ってくれる人が集まってきてくれるんです。
そうすると、あなたはとても楽に人間関係が築けるかもしれません。自分と好きなことが同じだったり、自分の好きなことに興味がある人と話しをするわけですから、とても楽しくなることが多いわけですね。
そして、この「楽しんでいるあなた」が魅力そのものなんですね。気づいてほしいのですが、あなたは、ただ今好きなものを表現するだけなんです。
タイトルに「魅力アップ」と書きましたが、これは、今持っていない魅力を身につけましょう、ということではないんです。
ただただ自分の好きなことを表現するだけで、そして表現して楽しむだけで、あなたの魅力は周りに伝わりやすくなるということなんですね。
私のカウンセリングでは、パートナーができないというご相談の場合に、クライアントさんに好きなものを表現してもらうことがあります。
異性のタイプだけでなく、好きな食べ物や趣味など、ありとあらゆることについて、クライアントさんの「好き」を表現してもらいます。
クライアントさんがいくつか「好き」を表現してくれると、カウンセラーである私自身と好きなものが同じことがあります。
例えば、クライアントさんが「お酒好きなんです」と話してくれたら、カウンセリング中にそれだけで話しが盛り上がったりします。
話しが盛り上がるということは、一方だけでなく、お互いが楽しい時間を共有している可能性が高いということですね。これを、ぜひ日常の人間関係で実践して、楽しんで欲しいなと思います。
クライアントさんの中には、なにが好きですか?と聞いても、特に好きなものはないですという方もいます。
「好き」がすぐに表現できなくても大丈夫です。
そのようなときは、今すぐに実現しなかったとしても、もしそうなったらうれしいかもしれない、ということを想像してみてくださいね。
また、好きなものを表現してくださいとお話しすると、一般的な「好き」を表現する方もいます。
例えば、お金は多くの方が好きだと思います。
私も大好きですが、自分を知ってもらうための「好き」とは、少し違うのかもしれません。
例えば、私は45歳のおじさんですが、私が好きなものの一つに、「リラックマ」があります。
リラックマにはいくつかキャラクターがありますが、そのうち、肌が白くて小さい「コリラックマ」が好きなんです。
我が家には、コリラックマのぬいぐるみやマグカップがあります。
まあ、それだけの話しなんですが、仮にリラックマに興味がなかったとしても、おじさんのイメージと合わないところが面白くて、親近感を持ってくれる方がいることも事実なんですね。
ぜひ、みなさんの「好き」をたくさんたくさん表現して、楽しんでみてくださいね。
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この記事を書いたカウンセラー