心理ゲーム ~パートナーに望むもの~

私がカウンセリングの勉強をするために、神戸メンタルサービスのスクールに通っていた時、講座の中で心理ゲームをしたことがあります。
お題は「パートナーに望むもの」
講師からひとりひとりに16枚の白紙のカードが配られます。
そこに、どんな要素を持った人が好きか、どんな人を自分はパートナーに欲しいのかを、各自がそれぞれの好みで1枚に1項目、計16項目書いていくのです。
16枚というと結構色々な事が書けます。
隣の人の書いたもの等も参考にして「あ、それもいいね。」と気付きながら、あれこれ思いめぐらせて書いていきます。
たとえば、優しい人、スポーツ万能な人、料理上手な人、・・・各自様々な希望、好みがでてきます。
16枚全部書き上がったら自分の前に広げて、今度はその中から半分のカードを捨てて8枚に絞り込みます。
そして8枚に絞ったカードを、次は更に半分の4枚に減らしてくださいと言われます。
みんな「え~」とか言いながらも、どうにか絞っていきます。
そして予想はつくと思いますが今度は2枚に絞り、最終的には1枚だけを選びます。
2枚から1枚に選ぶ時は、悩む人が多くだいぶ時間がかかります。
1度捨てたカードを「やっぱり」と拾い直して、又考え直す人もいたりします。
それでもみんなどうにか1枚を選ぶんですね。
こうして最後に、パートナーに望む1番の重要項目が残るわけです。
さて質問ですが、あなただったらどのような人と書いたカードが残ると思いますか。
きっとあなたがとても大切にしている、大切に思っているものがそこには書いてあるはずですね。そして、実際にやってみて意外だったのは、私の場合「どんな人が好き?」と聞かれたら、いつも「優しい人」と答えているように思っていたのですが、その時に私の手元に残ったカードは「楽しく笑い合える人」というカードでした。
そして、この最後のカードについてなのですが「なぜこれが最後まで残ったのか、なぜこれにこだわったのか」というところを見ていくと「そこに痛みがあるから」なのだそうです。
私はそれを聞き「え~??」と不思議に思いました。
「楽しく笑い合える人・・・そこに痛みなんてあるかなあ??私よく笑っているけどなあ」と思ってそのカードを眺めていました。
すると講師がひとりひとりに聞いていきました。
私に対しては「楽しく笑い合えない時ってどんな時だろう?」と聞いてきました。
そう言われると、・・・痛かったのです、確かに。すごく悲しい気持ちを感じました。
その後まわりの人とも話をしたのですが、みんな内容こそ違うけれど「うん、痛みがでてきたよ~」と言っていました。
不思議ですね。さすが心理ゲームです。
そしてなぜか、私から見てユーモアのある人が「ユーモアのある人」というカードを持っていたり、誠実な人が「誠実な人」というカードを持っていたりしました。
一般的にひとは自分が「もっとこうなりたいのに足りない」と感じているものをパートナーに望みます。
自分は持っていないな~と思うものをパートナーに望むのです。
たとえば「誠実な人」というのを選んだ人は、自分はもっと誠実になりたいのになれないと勘違いしているのかもしれないです。
実際は十分に誠実だったとしても。
そして、続きがあるのですが、この「パートナーに望むもの」・・・これは、講師曰く本当は「あなたが相手に与えるべきもの」「あなたが相手にやってあげること」だということだと。確かに、欲しかったこのことを、あなたから相手に差し出せるようになれた時、想像してみるとわかりますが、あなたはきっと満たされますし、間違いなく魅力的なはずです。
パートナーに望むものは自分に足りないと感じているものといいましたが、私たちは今までの人生のどこかでなんらかの事情で自分にはこれは無理とあきらめてしまったのかもしれません。
しかし講師が言うのです。
「なぜ無理と決めたんだろう?いつ決めたの?決めたのはあなたですよね。だから変えられるのもあなた、あなたが変えられるんですよ。」
ずっと今まで「これって私がもらうものでしょう」と思い込んでいたものを「これは私が与えるもの?」と気付くこと。実は与えるほうだったのかもしれないと気づくこと。それは場合によっては、ちょっと人生が変わってしまうくらいの変化のような気もします。
これは2007年頃の講座での思い出です。
講師は神戸メンタルサービスの社長平準司でした。
その講座で「こんなパートナーが欲しい」と力強く言っていた若い友達も、今では素敵なだんなさまと結婚して幸せそうです。
思い出すとその日の講座風景が目に浮かび、懐かしいような気持ちでこのコラムを書かせてもらいました。
良かったらみなさんもこの心理ゲームをやってみてください。何か思いがけない発見があるかもしれません。
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6件のコメント

  1. とても参考になりました。
    痛みが隠れている、自分のほうが与えるもの、との言葉にどきっとしました。
    私はちゃんとカードには書かなかったのですが、絶対に外せないのが、「私のことをちゃんと愛してくれる人」だと思います。
    私が夫をちゃんと愛することが必要なんでしょうか・・・?

  2. 心理ゲーム
    早速やってみました。
    なかなか、悩みました(。-_-。)
    最後に残った紙には痛ーい内容でした。
    何となく腑に落ちる感覚はありました。
    少し気持ちが軽くなった気もありましたが、
    もう、手遅れで…。
    彼は居なくなりました。
    もっと、もっと早くにこのゲーム知りたかったです。
    私の本心が見えました@(・●・)@
    ありがとうございます。

  3. うえの道子 on

    みずたまさんへ
    コメントをありがとうございます。
    参考になったと伝えて下さり、とても嬉しいです。
    絶対に外せないのが「私のことをちゃんと愛してくれる人」なのですね^^
    そうだとすると、おっしゃる通り
    「みずたまさんがパートナーのことをちゃんと愛する」が答えになるかと思います。
    詳しい状況がわからないので一概には言えないのですが「ちゃんと愛する」を意識していくと「自分が満たされて、相手からの愛にも敏感になっていく」というギフトがあると私は思います。
    何かのヒントになれば嬉しいです。
    ありがとうございました^^

  4. うえの道子 on

    白ねこさんへ
    お返事が遅くなりごめんなさい。コメントをありがとうございます。
    彼とのこと、辛かったですね。
    この心理ゲームはご自分の内面と向き合う作業でもあるので、様々な感情がでてきたと思います。
     
    腑に落ちる感覚があったり、本心が見えたりすることで、少しでも白ねこさんの気持ちが整理されて、未来へのステップになればと願っています。
    ありがとうございました。

  5. 心理ゲームやってみました。
    私に手に残ったカードは「ありのままの私を好きでいてくれる人」でした。
    なんだかわからないけれど涙が出てきてしまいました。
    昔から(今もそうですが)無価値観が強く、いつもいつも何かに追われ、親や先生に認められたい、そんな欲求を満たし続けるという生活をしていました。
    でもそれは満たされても満たされてもすぐに次の目標に切り替わるような、そんな果てのない行為だったと思います。
    今付き合っている彼氏はまさに私にこの生活をやめさせるために出逢ったのかもしれない。「ありのままの君が好きだ」と言ってくれたことを覚えています。
    とても嬉しかったのです。
    けれど今あまり関係はうまくいっていません。
    自分自身が「ありのままの自分」を愛せないように、彼のこともまた「ありもままの彼」を愛せないような感覚を強く感じています。
    なにから始めたらよいのでしょうか・・・

  6. うえの道子 on

    はるさんへ
    コメントをありがとうございます。
    最後に残ったカードは、心を揺さぶりますね。
    いつも目標に向かって走り続けてきたはるさんご自身のこと、心から労ってくださいね。
    ものすごく頑張ってこられたのだと思います。
    それから、はるさんがいま感じている感覚は、ふたりの関係がさらに親密に変化する時期だというサインなのかもしれません。
    例えばですが、もし彼に対して何か言えないでいることがあれば、ちょっと勇気を出してコミュニケーションしてみるといいと思います。
    コツは、彼の気持ちを尊重しながら、自分の気持ちも伝え、お互いの理解を深めていく・・です。
    これだけではよくわからないという場合は、どうぞお気軽にカウンセリングを利用してみて下さい^^
    ありがとうございました。