こころの押し入れの中には??

僕はもともと、物を捨てることが苦手な性格です。
時々、押し入れやタンスの中を見てみると、
もう何年も開いていない本、何年も着ていない服など、
色んな物が溜まってしまっています。
特に服については、お気に入りの服ばっかり毎日でも着てしまうタイプです。
季節が変わる度、タンスの中を整理してくれる妻に叱られます。


妻:「ちょっとお・・このTシャツ、有るの知ってる?」
僕:「・・ああ、知ってるよ」
妻:「また、いつか着るのん?」
僕:「うん、また着るよ」
妻:「本当に??」
僕:「うん・・・」
妻:「前、いつ手を通した?」
僕:「・・・・・・・・・・何年か前、キャンプに行った時」
妻:「・・・・・・・・・・」
妻:「捨てたらあかんのん!」
僕:「・・・・・・・アカン」
妻:「着ない服ばっかりでタンスの中が整理出来ないでしょ」(怒)
てな具合で、毎回泣く泣く服を整理させられてしまいます(笑)
必要無くなった物を捨てたり、物を整理する時、
何か拒んでしまう自分が居るんですよね。
勿体ないと言う気持ちもありますし、
もしかしたら、この何年かの間には着る事があるかも知れない。
でも押し入れの中をよくよく見てみると、
おそらくこれからの人生で一度も使うことが無いだろうな。
と言う物もたくさん眠っているのも事実です。
何かを手放そうとする時、心の中には、
愛着や不安な気持ちが出て来てしまいます。
そんな時、少し思い切って要らない物を捨てたり、
部屋や押し入れの中を整理したりすると、
心の中はすっきりしたり、軽くなったりするものです。
そして心の中は、新たな気持ちに変わっていくのです。
心理学的な見方をしても、
家の中や普段過ごしている部屋の中は、そのまま心の中の状態を表します。
何かもやもやしたり、色んなストレスが溜まっている時、
思い切って部屋の掃除をして、色んなものを整理すると、
気分が落ち着いたり、心の中も少し整理されたりするのです。
では、実際の心の中にはどんなものが溜まっているのでしょう?
それは、色んな未処理の感情や思い込みやこだわりなどです。
先日、ある知人に僕の別れた奥さんが再婚したという事を聞かされました。
もうここ何年も、意識の中に無かったのですが、
その話を聞いたときには、やはり色んな感情を経験しました。
頭の中では、きっちり整理されていたことでも、
心の中の感情は、もっともっと正直なのですね。
手放したはずの「悲しい思い」や「うまくいかなかった悔しい思い」など、
当時、何度も何度も経験して手放して来た感情がまた出てきます。
僕は、またしばらく時間をかけて、もう一度その感情を経験していきます。
色んな感情や思いに向かい合い、溜まっている感情を感じ尽くして行くのです。
そして今も残っているその感情を手放していけたとき、
ようやく彼女やその周りの人を祝福する気持ちに戻っていけるのです。
色んな書物を読むと、
「神様は僕たちの心に愛という感情しか創造していない」と書かれています。
だけど時には、頭では出来ていても、心ではそう感じれないことがあります。
「人を祝福するということ」「人を許すということ」「他人を愛すること」
それは、未だいろんな痛みや感情が整理出来ていない だけ なのです。
誰かを許したり、誰かを祝福出来ないでいるとき、
心の奥深くに、まだ癒されてなかったり手放しきれていない、
感情や痛みがある だけ なのです。
考えて見れば、僕たちはもう何十年も色んな経験をして生きて来ました。
過去の恋愛で、立ち直れないほど傷ついた経験や、
会社や学校での人間関係で、苦しみ抜いた事もあったでしょう。
また、子供時代にあまりにも悲しかったり寂しい思いをしたことも。
その経験の中では、傷ついたことも、大きな怒りを覚えたこともあったでしょう。
長い間生きていると、心の中には色んな経験を通して、
様々な感情が残っているものです。
そして、その時の痛みや感情を心の押し入れの奥に閉じこめて、
乗り越えて来た人が多いようです。
それはその人の強さである事は間違いありません。
だけど、心の押し入れの中が色んなものでいっぱいになっていると、
どこかでいつも心が重かったり、今の幸せを楽しめなかったりもしてしまいます。
今、昔経験したその時の状況や、その時の人を少し想像して見てください。
もし「受け入れられない気持ち」や「祝福出来ない感情」が出てきたら、
頭では理解したり、乗り越えたつもりでも、
こころの押し入れにはいっぱいの痛みをしまい込んでいる証拠です。
思い込みやこだわりについても、心の中にはたくさんあります。
「人を頼ってはいけない」「人に甘えちゃいけない」「自分の力だけで生きる」
それはもちろん、今までの人生では、
自分を守ってくれたり、自分を前に進めて来たものばかりです。
だけど、今の自分の生き方には合ってなかったり、
幸せになるための障害になっているもの有るかも知れません。
僕たちは心の中に、その感情や思い込みを絶えず持っています。
そしてそれを持ち続けるかどうかは、いつでも「選択」し直せるのです。
長く生きれば生きるほど、家の中には物が増えてきます。
色んな経験を積めば積むほど、心の押し入れにはたくさんの物が、
溜まっていて当然です。
押し入れの扉を開ける時、とっても勇気がいるかも知れません。
その中には色んなものが溢れていることをどこかで知っているからです。
正しく生きる事よりも、幸せを感じられる心にこだわったとき、
心の中の要らないものを手放す勇気を持てます。
心が人を許したとき、誰かを祝福したとき、自由になれるのは自分なのです。
これからのあなたの人生をよりハッピーに、より幸せを感じるために、
心の中の押し入れを一緒に整理して見ましょう!!
※吉原 直人は2007/6月でカウンセリングサービスを退会しました。

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