おばあちゃんが孫に甘くなる理由

子育てに奮闘しているママさんの中には「もう、おばあちゃんはすぐ孫を甘やかすから。」と悩んだ経験がある方いらっしゃるんじゃないでしょうか。
すぐお菓子あげるし困るなぁとか、躾をしなくちゃいけないのに「おばあちゃんがいい、ママは怖い」なんて言われて、なんか私が悪者みたいで嫌になっちゃう等々、もやもやする経験をされたというお話を聞くことがあります。
私もそうでしたしママ友同士で愚痴をこぼしあったこともあります。

だけど、いざ自分がおばあちゃんになってみると、理由が段々わかってきたのです。
私には幼い孫がいます。
ありがたいことに凄く懐いてくれるのですが、活発に動き回る孫の体力についていけないときがあります。
すると、自分がしんどくて休憩したくて、ついおやつやジュース、アンパンマンのビデオなどで誤魔化したくなるときがあるのです。

それから。
ママが躾をしようとしてるのもわかります。
ちゃんと育てなくちゃと思ってつい頑張っちゃうのかなって。
だけど、そこまで頑張らなくても何とかなるわよ、と思うこともあるのです。

というのは、孫を見ていると思うんです。
こんなに小さな身体で一生懸命頑張ってるんだ、っていうより、一生懸命生きてるんだ、くらいに思える。
もうそれだけで十分なんじゃないかと。
そして同時に、どうしてあの頃こんな風に思えなかったのだろうかと思うのです。
私自身が2人の子供の子育てを終えて今思うのは、「もっと余裕を持って子供達を育ててあげたらよかった」という後悔なのです。

育児書通りにいかない子育て。
つい誰かと自分の子供を比較してしまって、うちの子はまだできない、それは私の育て方がダメなんじゃないかと自分を責めてしまって不安になる。
余裕のなさから子供にイライラしてしまう、でも夜になると子供の寝顔を見てそんな自分に嫌悪する。
でもまたイライラしてしまう悪循環からなかなか抜けられずにいました。

カウンセリングでも、子育てを終えたママさん達から、もっと余裕を持って育ててあげたらよかったと後悔しているというお話はよくお聞きします。

もしかしたら、ですよ。
もしかしたら多くのおばあちゃん達が孫に甘くなるのは、もっと余裕を持って育ててあげたらよかったと、みんな多かれ少なかれ子育てに後悔があるからなのかな?と思ったのです。

ブラッシュアップライフという、主人公が何度も生まれ変わって人生をやり直すドラマがありましたが、出来ることならイチから子育てをやり直したい、今だったらもう少し優しく余裕を持って接してあげられたかもなと思います。

私の友人は義母に「そんなに厳しくしなくても」と言われたことがあるそうです。
見ず知らずの他人に「ったく、今どきの若い母親はー」と言われた友人もいました。
親戚や義母に子供と比較されて落ち込んだとか、いろんな経験をしたママ友さん達がいます。
やはり子育て真っ最中の時は、ちゃんと育てなくてはいけない、という責任とプレッシャーを感じていたママさん多かったのではないかと思います。

気にしないつもりでもやっぱり比較されると自信が無くなってブレてしまうことがあります。
また、自分のことをダメな母親だと思っているときに「そんなに厳しくしなくても」なんて言われると、やっぱり私はダメなんだと責められてる言葉にしか聞こえないかもしれません。
でももしもその時、少しでも気持ちに余裕があったら、違う解釈が出来ていたのかもしれません。
たとえばこの「そんなに厳しくしなくても」は、もしかしたら「もっと余裕を持っていいのよ」と伝えたかったのかもしれない、ってことなんです。

自分のことをダメな母親だと責めて、おまけに子育てだけじゃなく家事も仕事も掛け持ちで自分の時間がない、そんなときに心の余裕なんてないだろうし、「もっと余裕を持っていいのよ」という意味にはとても取れないかもしれません。
もしかしたら「もっと余裕を持っていいのよ」という言葉すら嫌味に聞こえるかもしれません。
「まったくー、孫に甘くて美味しいところ持っていっちゃってー」としか思えないかもしれません。

でも、多くのおばあちゃん達が孫に甘くなる理由のひとつとして、もしかしたらですが、「自分の子育ての後悔をあなたにもしてほしくない」「もう少し肩の力を抜いていいんだよ」「あなたは十分よくやってるよ」と伝えたいのかもしれませんよ。

孫の甘え方も少しずつ変わっていき、成長していくにつれ、おばあちゃんよりも友達と遊ぶことのほうが楽しくなるときが来るでしょう。
親離れならぬおばあちゃん離れ。
ちょっと寂しいけどそうであってほしい。
そして、子供はやっぱりママが一番大好きなのですよ。
まるで時々確かめるかのようにママの元に行くことがありますからね。

毎日の子育て本当にお疲れさまです。
このコラムが子育て奮闘中のママさんに何かしら伝わって少しでも楽になればと思います。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

対人関係、自分を好きになれない、人の目が気になる等の自己の問題。 母娘関係、家族関係などが得意である。親との関係や対人関係などで悩んだ 自身の経験から学んだことを活かし、感覚的で一緒に考え提案していくスタイルが得意である。母性的で柔らかい雰囲気のカウンセリングには定評がある。