憂鬱だった読書感想文が、親子のカウンセリング時間に変わったワケ

夏休みになりました!こどもが小学校低学年まで夏休みが来たなと思うと、私がとても憂鬱だったことが実はあります。それは……
全然仲良しになれない「夏休みの友」という名の、宿題のお手伝い。そのなかでも、ダントツが読書感想文。正直「夏休みの敵!」ぐらいに思っていました。こどもが一人では仕上げることがなかなか難しく、とにかく憂鬱でした。

■読書感想文とイライラと

なぜ、こどもの読書感想文の宿題に付き合っていると、私は憂鬱になってしまうのでしょうか。それは私がイライラしてしまうからなのです。私の声が、徐々にトゲトゲしていくのが自分でもわかります。
「なんでそんなこと書くの?」
「ちゃんと考えようよ」
そんな私のイライラはこどもに伝わります。

「だって、わからないんだもん……」
まだまだ幼い目の前のこどもの目から涙がにじみます。

〇マイナススパイラルにはまる…

自分自身が幼い我が子をいじめているような気分になり、いやな人間に思えてきてしまうマイナススパイラルにはまってしまいます。
「読書感想文の宿題は、もうほんと親が大変」
などと、読書感想文に八つ当たりして思ってしまったものです。そんな時に、読書感想文の取り組み方のアドバイスを受け取った経験がありました。

 

■読書感想文という体験とは

そのアドバイスとは、読書感想文というのは読んだ本をとおして

「どう思った?どう感じた?」
「どこが一番好き?」
「どこが嫌だなと思った?」
「どんなことを学んだ?」

という「問い」を投げかけ、わき上がった答えを、問いと答えのどちらも原稿用紙に埋めていく体験だということでした。

〇親がすることは

親がすることは、たった2つです。

1つ目は
「どう思った?どう感じた?」
「どこが一番好き?」
「どこが嫌だなと思った?」
「どんなことを学んだ?」
などを質問します。

2つ目はこどもに投げかけた質問と、こどもが答えてくれたものを「メモ」していきます。

〇こどもがすることは

まず、本を読むことから始まります。一つ一つの問いに答えながら、メモを頼りに問いも答えも両方を原稿用紙に書いていきます。

例えば、
「私はこの文章を読んで、○○と感じました」
「特に、△△の箇所が一番好きです。なぜなら…◎◎だからです」
「××の箇所は嫌だなと思いました。というのも…★★だからです」
「そして、この本を読んで□□を学びました。」

といったように、です。

 

■これはまさしくカウンセリングなのかも

カウンセリングというのは、「出来事」という体験をとおして

「あなたは、どう思いましたか?」
「どんな感情を感じていますか?」
「どこが好きですか?」
「どこが嫌でしたか?」
「どうして欲しかったですか?どうしたかったですか?」
「そこからどんなことを学びましたか?」

という「問い」を投げかけ、わきあがってきた答えを言葉でやりとりする体験になります。

だから、読書感想文のやりとりと、カウンセリングはとっても似ているものだなと私は感じます。憂鬱だった読書感想文が、親子のカウンセリング時間に変わったのには、こんな理由があったのでした。

 

■宿題だけではない、寄り添えない問題

「カウンセラーだから、読書感想文が、親子のカウンセリング時間に変わったのでは?」

という疑問の声もあがるかもしれません。

ただ、こどもの読書感想文の宿題に四苦八苦していた時期は、カウンセラーではありませんでした。それどころか、私自身はこどもの気持ちに寄り添いたいと思いながら、実はあまり寄り添えてもいませんでした。心理学は大好きで、たくさん学んできているのに、大事な目の前のこどもに対して、寄り添いたいと思えながらできていないことで、自分自身も苦しさやもどかしさも感じていたものでした。

〇読書感想文がコミュニケーションを教えてくれたのかも

アドバイスをもらったとおりに読書感想文を親子でチャレンジしてみた結果、とても私自身が満たされたような感覚がありました。きっと、もっと深めたいと思っていた絆が深まった感覚や達成感があったのだと思います。

その後も読んだ本だけではなく、日常から、出来事や体験、日々をとおして一つ一つ、
「どう思った?」
「なにが好き?」
「なにが嫌い?」
「なんでそう思った?」
「どこが良かった?どんなこと学んだ?」

など、こどもに興味を持って、気が付いたときには、感情を軸に問いかけるようになっていきました。

そしてこどもの答えに
「そう思うんだな」
と、否定することなく、親子のコミュニケーションをすることが楽しくなっていき、少しずつ寄り添っていけるようになったきっかけにもなってくれました。

そのなかで、こどもがもつ良さ、優しさ、正義感、思いやり、純粋さ、感じとる能力であったり、なによりもこどもがすごく成長していることをたくさん発見する時間となりました。

 

■夏休みの友達になれたころ

「夏休みの友どころか敵!」
と、憂鬱の原因だった読書感想文の宿題。でも、

「読書感想文に真正面から取り組んでみて、こどもとの関係が変わるきっかけにもなってくれた。たくさんのギフトがあったから、今年も一緒に取り組むのが楽しみ」

などと思ったころから、なんと、こどもも一人で読書感想文の宿題を終えることができるようになりました。母、ちょっと寂しいやら……。でも、こどもの成長にますますうれしく思う経験だったのでした。

みなさまの何かのお役に立てることがあれば嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

来週は、小川のりこカウンセラーです。
どうぞお楽しみに。

[子育て応援]赤ちゃんの頃から、思春期の子、そしてそんな子どもたちに関わる親とのお話を6名の個性豊かな女性カウンセラーが、毎週金曜日にお届けしています。
この記事を書いたカウンセラー

About Author

発達障がい児の子育ての経験から、生き辛さの根っこにある未消化な思いや痛みに穏やかに寄り添い隣で支えることを大切にしており、 「話すことのすべてを大切に聴いてもらえる安心感」がある。 あらゆる人のなかにある豊かな才能・魅力に光をあてることで、生きる力を一緒に育てるカウンセラーである。