「子育てをやり直したい」という思い

私には15歳の息子がいます。
その子を前にして最近よく思うことが今回のテーマになりました。
だから私自身が今体験していることを思うがままに書こうと思います。

 

◆子育てはやり直しができないのか?

「子育てをやり直したい。」「今ならもっとこうしてあげれたのに。」
こういったお話はカウンセリングでもたびたび出て来るんですよね。私も何度かそう思ったことがあるし、ここ最近特にそう思うようになりました。

あの時こうしてたらよかった。
こんなことするんじゃなかった。

って。
「子育てってやり直し効かないですよね。」と。
でもその都度私は、
「今からでも充分出来るものですよ。」と答えていました。
自分の今もそう思います。そういう自分の思いから綴ったお話です。

 

◆何世代にも渡る多くのお母さんの思い

・「今だけ」という言葉が辛いときもある

子どもがまだ小さかった頃、出かけるたびにたくさんの方に声をかけてもらいました。そしていっぱい助けてもらって、親切にされました。
だけど同時に多くの方に言われました。
「大変な時期だと思うけど、この頃ってあっという間に終わるから大事にね。」
「しんどいのは今だけだから頑張ってね。」
「甘えて来たり抱っこをせがむのなんてこれくらいの年だけだから。」

この言葉に、
あっさり聞き流せる方もおられれば、落ち込んだり少々もやもやしたりとお母さんの反応もそれぞれかもしれません。
私の場合は両方ありました。
自分の余裕があれば、そうだなと思えたけど、あまりにも日々眠れなくてしんどい時は、「今だけだから・・・。」と言われても、その今がしんどいんだよって。

・今だから分かる「今だけ」に込められた意味

息子が抱っこをせがむのを、別の話で誤魔化したり、一緒に遊ぼうと言われてても、途中から家事をし出したりすることもありました。
出来る限り対応したつもりだったけど、今小さい子を見ると思い出します。

もっともっと我が子を抱っこしてあげればよかった。
もっともっと一緒に遊んであげればよかったと・・・。

でも今、赤ちゃんの泣き声をあやしてるお母さん、走り回る子どもに一生懸命対応されているお母さんを見ると、
「今だけだから私のように後悔がないようにね。」
と、あの時自分が言われた言葉を、こころの中で思っている自分がいます。

実際に、子どもと一緒のお母さんのそばで、「お母さんも大変よね。でもこの頃は今だけだからね。」とおっしゃっている方を見ることがあります。
それはきっと、その方にも後悔があるんじゃないかと思います。

ああしてあげたかった、こうしてあげたかった。

そういう悔いが残ってて、だからこそ赤ちゃんをあやしてるお母さんを見ると、他人事には見えなくて、応援したくなるんじゃないかと・・・。

・受け継がれる応援のバトン

そう考えると、赤ちゃんを連れているお母さんたちを、声はかけなくとも多くの先輩お母さんたちが応援しているんじゃないかと思えます。
ベビーカーの前の段差で格闘していたら、すっと手を貸してくれた方がいました。
赤ちゃんの泣き声が大きくて、周りの人の目が気になってしまってた時、話しかけてくれた方がいました。
4歳の息子が迷子になった時、いつしかすごく多くの方が一緒にさがしてくれていました。
助けてくれるのは、もちろんお母さんだけじゃないけれど、自分が子育てをした経験がある方は、ほぼほぼ同じ体験をしていると思うので、だからこそ子どもを連れているお母さんへの応援をしたいのかもしれません。

・応援の“気持ち”だけを受け取ればいい

息子が今15歳です。私は高齢で産んだので、私の友達の子どもは、もう社会人だったり結婚して子供がいる子もいます。
「15歳なんかまだまだおこちゃまで可愛いやん。多少のわがままは目をつむったり。」「やることやってたら何時間ゲームしてたってかまへんやん。」などなど聞かされます。
彼女たちも自分が通って来た道を思い出しながら言ってくれたんだと、今は素直に受け止めています。
子育てって、多くの人が自分の後悔をそうやって次世代に持って欲しくないと、伝えているのかもしれません。

 

◆やり直したい後悔

・やり直しに年齢は関係ない

子育ても自分育ても同じだと思っています。
人が、やり直したいという思いに年齢は関係ありません。
子育てだって、いくつからでも私は可能だと思います。
子どもがもう中学生だから、高校生だから、社会人だから。
それでも私たちは親で、社会人であっても子どもは子どもだから、何かあったらきっと、子どもは頼りたい思いはあると思います。
息子は15歳なので、抱っこ・・・をやり直すことは出来ませんが、この子の年で出来ること、後から後悔しないことを考えたいと思っています。
例えば、後から私が絶対後悔につながること。
勉強勉強とやかましく言い過ぎないとか・・・。
あれこれ注意し過ぎないこととか・・・。
子どものいろんなことに目をやるよりも、自分自身の笑顔を消さない方がいいとかね。
言うは易く行うは難し
ですけどね。

・“過去”の後悔は“未来”で叶える

後悔というのは、コンマ数秒であっても過去だから出て来るものなんですよね。
言ってしまった瞬間、やってしまった瞬間はっと気づく。
全部過去です。
要するに冷静になれるのって過去だからどうしようもないんですよね。この先が冷静に判断できれば後悔なんて誰もしませんもん。

ということは、その瞬間は、その人にとってはもう理性でどうこうできる心情ではなかったということ。仕方なかったことなんです。
ここに厳しくしても、自分自身をただ落ち込ませいじめ続けるだけになってしまうね。

だから
やらなきゃよかった。
ああすればよかった。
そう思うことは、

全てあなたのこの先で叶えてあげて欲しい。
未来で叶えてあげて欲しい

と思います。
そこからの未来へ。そこからの子どもとのかかわりです。
遅くなんかありません。

 

◆最後に

最近ね。息子にこう言いました。
「受験があるから、あなたよりもかーちゃんの方が心配しすぎてちょっとやかましすぎると反省しています。でもそう反省しててもまたやかましくなるかもしれない、私のことだから。でもそのたびうるさいなって自分でも必ず思うから、少しずつ言わないように気を付けるね。」と。
すると息子は、
「言ってもええで。だって俺言われなやらん奴やし。」
と答えてくれました。
彼の優しさかもしれません。

このお話が、多くの何かしらの後悔を抱えていますお母さんにとって、少しでも楽になるきっかけとなれば、小川はとても嬉しいです。

4月8日(金)は、高塚早苗カウンセラーです。
どうぞお楽しみに。

 

この記事を書いたカウンセラー

About Author

アルコール依存症の父からの虐待経験、学生時代のいじめから、恋愛依存、不倫や風俗を経て、自分を抑え付けるような結婚生活後、8年で離婚。その後自分に向き合い、今は穏やかに生きる。 過去のあらゆる経験をもとにして、恋愛関係、家族関係を得意とし、お客様と共に成長するスタイルを取る。