許しについて(4)~子育てにも「許し」は効果的~

子育てにも「許し」は効果的に作用することがあります

特に子育て中のお母さんの愛情、それから生まれる使命感、責任感、義務感は大きなものになっていきますね。時には「私がちゃんとしていなかったばっかりに・・・」とお母さんが自分を責めてしまうこともよくあるようです。
そんなとき、もう一度お子さんと向き合っていく上で、「自分を癒し・許す」というプロセスが、お母さんの心のケアにつながることもあるのです。結果、お子さんのためになることも多いのですね。

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子育て中のお母さんのストレス。もちろん人によってその程度は違うのでしょうが、かなり強いものがあると思うんですね。

特にお子さんができ「私がしっかりしないと・・・」と愛情はもちろん、責任感や使命感を強くお感じのお母さんほど、溜め込むストレスも多くなりがちなのかもしれません。

実際のカウンセリングで子育て自体のご相談をいただくこともありますが、夫のこと、家族のこと、そういったご相談の中で「実は子育てで疲れ果ててしまっていて・・・」といったお話を伺うことも少なくありません。

「子供はまだ一人で生きていけいないから。私がしっかりしていないとダメですよね」

愛情深く、真面目で実直なタイプのお母さんから伺う言葉の一つです。

もちろんお母さんの頑張りは素晴らしいのです。

しかし、どこか日常的に「私はしっかり子育てができているだろうか」「いい母親だろうか」とつい自分に厳し目の目を向けてしまうタイプの方ほど、そもそも「自分に厳しい目」を向ける傾向があったり。

「私はいろいろ子供時代、悲しいことも経験したし、苦労もしたから、子供にはそんな想いをさせたくない」とお子さんを心配し、頑張りすぎることもあるようなんですね。

そんなとき、実はお母さんが「我が子に自分自身の過去」を投影しているケースって実は凄く多いんです。

お子さんが男の子の場合は深い投影が起きないこともありますが、しかしどこか親は自分自身の子供時代の経験を、少なからず我が子に重ねるものですね。

だから、「この子は大丈夫だろうか?」と心配が増してしまったり、「私のように傷ついたり苦労してほしくないな」とお感じのお母さんも少なくないのかもしれません。

おそらくこういったお子さんに対する心配が強まっていたり、母親としての使命感を感じるような状況で起きている「母が子に向けた投影」は、あまりポジティヴな感情ではないかもしれません。

例えば、お母さんの子供時代の経験の中で、特に辛かった経験があった、傷ついた経験があった、一人で歯を食いしばって寂しさや悲しさに耐えた・・・そんな感覚をお子さんに映し出していることも多いようなんです。

すると、どうしてもお子さんのことを心配する気持ちが強まりますね。お子さんはお子さんとしての意思があって、人格がある、という意識が曖昧になり、つい我が事のように捉えて胸を傷められる方もいらっしゃいます。

これはある意味でお子さんを「罪悪感視点」で見つめている、ということにもつながりかねません。

このようなケースではお母さん自身の過去の経験や、ご両親に対するいろいろな伝えそびれたこと、過去の時点で抱えていた気持ちをもう一度整理し解放する、といった感情への許しのプロセスが効果的に働くことがあります。

「私は子供の頃、母や父にどんな思いをわかってもらいたかったのだろうか」
「私は子供の頃、母や父のために何を頑張ってきたのだろうか」

そういった思いがお母さんの中に存在しているだけ、目の前のお子さんのあり方とは別に、「きっとこの子はこうして欲しいと思っているだろう」と、先に思い込んでしまうことも起こりえます。

それがお母さん自身が子供だった時代、とても重要度が高いものであれば、「この子はこう求めている。私は母親としてこうしなければ」と感じやすくなりますね。これがお母さんのストレスや不安の理由になっていることも多いのです。

しかし、お母さんがお子さんに映し出している「不安」「痛み」「怖れ」といった感情は、あくまでお母さんの内面に存在するもの。

この感情に着目して、親を理解し許したり、過去の私を癒やすことができると、お母さん自身のココロも軽くなり、心の余裕を感じやすくなります。
特にお母さん自身が親との葛藤を癒やすと「私は私でいいんだ」と自己肯定しやすくなるメリットがあり、この効果は見逃せません。

すると、目の前のお子さんを不安や怖れなどから見ることが少なくなり、お子さんのことがもっとよく見えるようになっていきます。お子さんがお母さんのことをどれだけ大切に思っているのかも感じやすくなるので、お子さんの気持ちも受け止めやすくなっていきますよ。

お母さん自身も「親」の前では「子供」です。

お母さん自身の「子供だった頃」のイメージがよりよくなれば、それが子育て(お母さん・お子さん双方)にいい影響を与えていくことにつながります。

私達の心理学でいう許しは、あなたの世界を変えるもの、と言います。それはあなたが感じている感情を変えることができれば、あなたが感じる世界が変わる、という「投影の法則」によるものです。

あなたが自分や誰かを許したり、理解し受け入れた度合いだけ、あなたが楽になる。だから許しはありとあらゆる問題に有効に働くことが多いのです。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

浅野 寿和

年間400件以上の面談カウンセリングを行う実践派。「男女関係向上・男性心理分析」「自信・自己価値向上」に独特の強みをもち、ビジネス・ライフワーク発見なども対応。明快・明晰かつ、ユーモアと温かさを忘れない屈託のないカウンセリングは「一度利用するとクセになる」と評され、お客様の笑顔が絶えない。